麗しの美渓、武木川下部廊下。

渓谷の名称
武木川
山域(ピーク)
台高
渓谷の概要
白屋岳の足ノ郷越から流れる武木川は比較的大きな流域ながら谷沿いに車道や集落もあるため今まで遡行の話題になる事は殆ど無かった。しかし下流域に小粒ながらも美しい廊下を内包していてこんな場所にこんな景色があったのかと驚かされる。中流域以降は巨大な堰堤が作られて遡行価値を失ってしまったが下部の廊下は一見の代物と言えよう。両岸は植林でパイプ等の人工物も見受けられるがそれを補って余りある美渓だと思う。
コースタイム
【林道沿い駐車地】 09:00
【7M滝】 10:30
【遡行打ち切り点】 12:15
【林道沿い駐車地】 13:00
ポイント
【★★☆☆☆(沢1級+)】 幾つか登れない滝もあるが簡単に巻けるから難しい箇所は少ないと思う。手軽に美しい流れと造形を楽しめる秀渓と言えるが流域は地域の水源地となっているので谷を荒らす事のないようにお願いします。
下 山
【★☆☆☆☆(車道)】 谷沿いの車道を使ってあっと言う間に下山完了。
装 備
一般遡行装備、ラバーソールにて遡行した。突っ込まず普通に遡行するだけならロープは不要だろう。
お勧め度
★★★☆☆
参加人数
2人
所要時間
約3時間半
天候
晴れ
遡行日時
2016/09/11
地形図
洞川
主な地質
玄武岩ブロック(ペルム紀)
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:普通 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:津風呂温泉(700円) 《その他》:流域は地域の水源地となっているため汚さないように、特に簡易水道設備付近は細心の注意を。


【宴会明けだし・・・】 

某所で某宴会にお邪魔させていただきました。
深夜宴会必至だから翌日起きれる自信が無いしもしかしたら二日酔いかもしれない、
かと言って手ぶらで帰るのもなんだか勿体ない。

近くて短くて楽しいとこ、できれば知らない場所がいい、
そんな都合のよい場所を探してチョイスしたのが武木川だった。

この谷、古い記録でそこそこ遊べるのは聞いていたけど、
あまりにも集落に近くて林道も通じている。
いつも169号で傍を通過してるけど麓過ぎて探索する気にはなれなかったんです。

【(林道駐車地(9:30)⇒7M滝(10:30)】 

8時半頃に宴会地を出て入渓点には9時到着、
準備を整えて堰堤上の河原から入渓。

右岸に建屋を見てすぐに鉄橋を潜る。
両岸は植林だが水の透明度が高く遡行気分は悪くない。



入渓してすぐに鉄橋を潜る

右岸に支流(杉谷)の堰堤を見て暫く進むと渓谷らしくなってきた。
見れば石灰岩が点在しており青系の流れが美しいですね。

まさかこんな里臭い谷でこれ程の水質に出会えたのは驚きやわ。
もしかしたらどこかに湧水地帯があるのかもしれません。

これも石灰質のなせる業なんでしょう。
ひょっとするとここ当たりかもやね。



水の透明度が高くもしかしたら名渓の予感!?

両岸が少し立って来て左折すると6M滝、
黒い空間に流れ込む白布と青い釜、
美しい・・・。



暗い空間に流れ込む白布と青い釜、美しい空間だ

釜を泳いでドシャワーなら行けるかもだけどかなり水温が低いんよね・・・、
今までの経験上、青系の水は冷たいのが定説です。
まだ泳ぐ気にはなれずあっさり右岸巻き(^^;。

滝上はこれまた美しい5M斜瀑、
右手から抜けて行く。



これまた美しい5M斜瀑

やがて両岸の壁が顕著になって美しい廊下に入って行く、
小滝にもちょっとした釜があって水の波紋が心地よい。



やがて廊下へと入って行く

谷が左に曲がると3段7M滝が登場、
巻くのはやっかいそうなのでここは直登勝負。



3段7M付近が前半の見せ場やね

水温の影響か苔の滑りが少なくフリクションは上々です。



3段7M滝は直登で勝負、フリクションが効いて快適!

滝上は袋小路の空間に8M滝が豪快に落ちる。
釜は浅いけどなかなかの絶景空間やわ。



袋小路に豪快な8M滝、素晴らしい!

さてどうしたものか?、
一瞬直登も考えたがこいつはかなり手強いだろう。
絶えず飛沫を浴びる場所だしやっぱり巻きですね(^^;。

右岸の斜面をちょっと戻り気味に登ると踏み跡に出た。
上から見下ろす廊下の中もいい感じやね。



見てよこの透明感、すぐ近所に集落がある谷とは思えません

左岸にイツボ谷の4M滝を見て快適に歩を進める。

まだまだ変化は続いて2条3M滝、
のんびりしてたらラビオ君は先に登って行ってしまった。
ところがここ結構悪いやん(^^;、
もう姿も見えないしスローパーを必死に押さえて何とか登れた。



2条3M滝、ぼやぼやしてたら残置された

そして抉れたような空間に7M斜瀑が滑り込む、
釜は深くて青くて突破するなら泳ぐしか手がありません。



抉れたような空間に7M斜瀑が滑り込む

【7M滝(10:30)⇒10M滝上の林道(12:15)】 

寒そうだし躊躇しているとラビオ君の声(心の声)が聞こえて来た。

「無理しなくてええよ(何躊躇しとんねん)」
「嫌やったら巻く?(早う突っ込めよ)」

仕方なく合羽を着こんで釜に飛び込む。
つ、冷たい。
あまりの冷たさに頭がキーンとしてきた。

しかも登るにはドシャワーやん(冷汗)。
水勢が強くてモタモタしてると、

「無理そうなら戻る?(待ってる方も寒いんじゃ、とっとと登れよ)」
「右巻く?、左巻く?(まさかこんだけ待たしといてダメでしたとか言うんちゃうやろな・・・」

退路を断たれたので窮鼠猫を咬む思いで登り切った。
震える腕で後続用のロープを準備してると待ち切れないラビオ君は既に泳いでます。
お、お時間取らせてしまい申し訳ありません(寒)。



7M斜瀑の直登は楽しかったけど寒かった

お次はダイブする3M滝、
右手から登ると廊下を抜けて少し明るくなった。



ダイブする3M滝を越えて廊下を抜ける

岩のトンネルを抜けると樋状の斜瀑が登場、
右岸には立派な石垣が見える。



樋状の斜瀑、ここも美しい

血気盛んなラビオ氏は流芯突破を狙う、
ところが中間の釜が妙に深くて首まで沈んでた(^^;。
ご苦労さまです。



血気盛んに流芯突破を狙うも・・・

これで一旦河原状になった。
日差しも暖かくここで大休止、
お湯を沸かして冷えた身体を温める。

遡行再開、
すぐに木橋が谷を跨いでます。
ここで終わってる記録を見た事あるけど今日はもうちょい進みましょう。



木橋はどこへ通じてるんでしょうかね?

ゴーロと岩間滝を越えると前方に大きめな滝の気配、
右岸には林道が寄って来ている。

近寄ってみるとこれまた素晴らしい、
4M斜瀑の向こうに10M直瀑がシュウシュウと落ちてます。
そしてこの4M滝の釜がとてつもなく美しいんです。



4M斜瀑の向こうに10M滝が見える

あまりに美麗で幻想的な空間にしばし言葉を失いましたわ。



4M斜瀑の釜、あまりの美しさにしばし言葉を失った

4M斜瀑は右岸のスラブをへつり抜け10M滝の直下へ、
ここも左岸が洞窟状に抉れた非現実空間です。

林道のすぐ下にこんな場所があるなんて、
と言うかこの景色を削って林道を通すなんて・・・。



10M滝はこの谷のフィナーレ

ここは右岸から巻いて林道に出るより策が無い感じ、
まあ直登するなら話は別やけど(^^;。
この先は河原となり簡易水道の施設もあるのでここで遡行打ち切りとしました。

下山は林道を下ってあっと言う間、
曇り予報だったけどお天気も持って青空が気持ちいい、秋やねー。

途中の武木集落は結構大きくて沢装備だと目立ちますね(^^;。

13時下山完了、
お疲れさまでした。



気持ちのよい青空、秋やねー

【予想外の爽やかさ】 

駐車地に戻って着替中に気付いた事、
いつも沢に入ると泥臭い臭いがするんだけど今日はしない、
下山が楽で汗をかかなかった事もあるけど水質が良かった事もあるだろう。

それほどまでに水の綺麗さを感じる谷だった。
これなら遡行後に風呂入る必要ないかもしれませんね。

界隈は地層が複雑で石好きには興味深々な場所なんやけど、
改めて良さを認識した次第です。

この美しい水のある環境がいつまでも維持されますように!。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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