海で遊ぶか川で遊ぶか、葛川本流遡行。

渓谷の名称
葛川本流
山域(ピーク)
大峰
渓谷の概要
大峰南部、笠捨山から南に流れる葛川は北山川筋の支流では大きい部類に入る。中流域に集落があるため通常は上部の上葛谷と下流の廊下部分を分けて遡行する人が多い。下流部は滝こそ少ないが深淵の廊下で構成されいて自然の造形美を遺憾なく発揮している。集落の影響か泡だまりが少し気になるのが惜しい。
コースタイム
【東野トンネル西口】 8:00
【大渡】 10:40
【一ノ滝】 11:35
【二ノ滝】 12:45
【熊谷出合い】 13:40
【東野トンネル西口】 15:00
ポイント
【★★☆☆☆(沢2級)】 泳ぎ中心の遡行となるが滝芯まで取り付けるなら殆ど水線沿いに進める。二ノ滝の直登は手強く左岸を巻いた(右岸の滝見道から車道に出る事も可能)。難度は水量次第だが真夏におすすめの水遊び渓。
下 山
【★☆☆☆☆(車道)】 適当に右岸の車道に上がって快適下山。
装 備
一般遡行装備必携、ロープや登攀具は水量次第だろう。泳ぎ中心となるのでウエットやライフジャケットがあると安心する。
お勧め度
★★★★☆
参加人数
3人
所要時間
約7時間
天候
晴れ
遡行日時
2016/08/06
地形図
大沼
主な地質
DATEなし
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:非常に滑りやすい 《ヒル情報》:生息 《温泉》:なし 《その他》:この界隈は岩質の影響か苔の影響なのか、それとも集落の影響なのかは分からないがフリクションが非常に悪い。


【海遊びが川遊びに】 

本当は岐阜で海遊びの予定だったが増水懸念のため川遊びに変更する。

早朝4時出発はやっぱ眠たいわzzz。
国道169号から不動トンネルを経由、
入渓点の東野トンネル西口には7時半頃着いた。

【東野トンネル西口(8:00)】 

早速準備して急斜面を下って行く、
立っている部分もあるがが少し右手に振ってルンゼ状から降りれた。



東野トンネル西口の路肩に駐車して準備を整える

谷は最初から廊下の装い、
先日の立合川と同じ山域、同じ岩質とあって非常に滑る。
飛び石なんてもってのほか、
こりゃ今日もヌメヌメ地獄かな?・・・。

何度か渕を泳ぐといきなり廊下のお出まし、
極度に立って暗くちょっと気味が悪い。

長さは100mくらいはあるんちゃうやろか!?、
でも盛夏やしここは喜々として泳ぎ渡る。

水は一見すると綺麗だが淀みには茶色に泡が溜まってる。
集落が近い影響か?、それとも巨大な蟹でも生息しているのか?。



いきなりの廊下、暗くてちょっと気味が悪い

廊下のどん詰まりに瀑流の1M小滝、
ガイド本とかではS字渕と呼ばれてるとこやね。
ここは三者三様に泳ぎ超える。
近寄るまでが激流やけど取り付いてしまえばそれ程難しくもない。



近寄るまでが激流やけど三者三様に突破

たまに河原も出てくるが渕が多く泳がされるケースが多い、
だんだん泳ぎ疲れてきた。



ずっとこんな感じで泳がされる場面が多い

泳ぎ疲れてきたから出来るだけへつろうとするけど、
へつるとへつるでフリクションが悪い、
黒っぽい固そうな石が特にツルツルであっちこっちで悲鳴が聞こえる。

「これアカン石やん〜」
「この谷は赤石谷ならぬアカン石谷やー」



よくミニナイアガラ滝と紹介されてる滝かな!?

この辺りでアクシデント発生、
ひろっちさんが蜂に耳を刺された。

刺したのは地蜂のようだが、
アナフィラキシーが怖いので暫く休憩して様子を見る。
うまい具合にステロイド剤を持っていた。
どうやら大丈夫なようで遡行再開。

今度は大きなモズクガニに遭遇、
まんまが素手で掴むが指を挟まれそうになってビビル。
もし挟まれていたら蜂に蟹にと災難遡行になるとこだった。
それにさっきの泡はこいつの仕業やったのか!?。




こんなでっかいモズクガニがいるのか・・・

まんま隊長は元気で突っ込みまくっているが、
中年男性二人はお疲れ気味。



無駄に突っ込みすぎる人

それでも遊べるところは遊ばないとね!。



無駄にへつりすぎる人

長い廊下の1M滝を越えると頭上に橋が見える。
大渡やね。
うーん、ここで半分か、結構長いな・・・(^^;。



この1M滝を越えたら大渡しに着く

【大渡(10:40)】 

大渡から先暫くは明るく開けたゴーロ、
さっきまで泳ぎまくってたので陽射しが心地よい。



廊下ばかりじゃない、明るいゴーロもあるですよ

そしてまた廊下の中に入って行く、
ゴーロが続いてたからちょっと油断してたけどやっぱりまだ泳ぐんやね(^^;。
ただ前半より水の透明度が高い感じがする。
やっぱあの蟹やわ。



ここから後半の廊下に入って行く

廊下は更に深く狭く美しく、
前半のS字渕よりも素晴らしい造形なんじゃないだろうか。



美しい廊下が延々と続く、これぞ大人の水遊び

左岸から支流が20M滝となって落ちる。
うーん、直登はかなりヤバそう・・・Byひろっちさん。
全部登る視点です(^^;。



左岸から支流20M滝、なかなかの景色だ

この先で極度に狭まり1M滝、
ここも泳ぎ切れれば水線突破できるけど結構流れが速い、
普段こんなに泳がないし上半身に乳酸が蓄積してる・・・。



ここも泳ぎ着ければ水線突破

まだまだ廊下は続いて泳ぎを繰り返します。



長く続く美しい廊下

やがて瀑流の流れ込みの向こうに割と落差のある滝が見える。
落差は6Mくらいやけどこの谷は大きな滝がないので結構威圧的に見えた。
これが一ノ滝だろう。

一ノ滝手前の瀑流、こいつが結構手強いのよ、
あーだこーだしながら左手の隙間から這い上がる。
後続が難儀してたので「シュリいる?」って聞いたら怒られた。

そうなんです。
今日の面子は基本自分で突破したい人達なのです(^^;。



一ノ滝を目前にあーだこーだする人達

【一ノ滝(11:35)】 

で一ノ滝。
釜は大きく泳ぐのめんどくさそう。
ここも好き勝手で行く算段やったけど、
よく考えたら今日はロープもシュリも何も使ってない、
まったく重石同然や・・・。

そんな訳で無理やりロープを引く事になった。
いざ引かれて泳いでみるとこりゃ楽チンやね。
結論、泳ぎはロープで引っ張ってもらうに限る。

泳ぎは引っ張ってもらったが登りは各人各様、
まあ釜にドボンするだけやしね。



一ノ滝は左岸から泳いで直登

一ノ滝を越えると渓相変わってナメ床になった。
お昼も近いしここで大休憩。



渓相変わってナメ床地帯

【二ノ滝(12:45)】 

右岸に物凄い壁が見える。
近寄ってみると基部の25Mの大滝が、
二ノ滝だ。

水量が多い時は左岸側にも簾状の流れを落とすが今日は右岸側の一条のみ、
それでも広い空間に周囲の壁との調和、どこから見ても美しい滝だ。
さっきまでの廊下はいったい何だったのだろうと思ってしまう。



二ノ滝はあっと驚く絶景空間

まんま隊長が登りたいと言うので左岸側の張り出しからトライ、
しかし中間部がツルツルらしくて戻って来た。

ここは大人しく左岸巻き、
折り返して落ち口に向かうところで少し切れているけどルート的には分かりやすい。

これですっかり穏やかになった雰囲気、
左岸から熊谷が合流したところでもう潮時かな。
林道に上がるとたぶん暑いからじっくり浸かってクールダウン。



下山は楽々林道歩き

【熊谷出合い(13:40)】 

適当なところから林道に上がって、
1時間ほどの歩きで15時に駐車地へと戻り着いた。

【川のような海のような】 

ほんまよう泳いだ一日やった。
ヌメヌメのアカン石さえなければお気楽遡行の最有力なんやけど、
でもこの谷は水量次第かな!?、
水量多いとしんどそうな場面が何か所かあったし。

帰りの気怠さは沢ってより海の後みたい、
海遊びから変更して川遊びになったけどこの疲労感は海遊び。
皆さまに感謝。

【余談】 

余談だが帰路の林道を歩きながら下のルンゼを覗くと藪に鹿がうずくまっている。
本来鹿は臆病で人の気配を察知すると一目散で逃げるのだが、
警戒はしているものの逃げる気配がない、
よく見るとまだ若い雌鹿だ。

まんまがガードレールから身を乗り出してり声をかける。
声をかけたと言っても雌鹿をナンパした訳ではない、
なんとなく挙動がおかしく感じられたからだ。

様子をみるとどうも右前脚を骨折しているみたいで、
ルンゼを登る事も降りる事もできなくなり衰弱してしまったようだ。

骨折の原因は分からないが、
自然の中で怪我をすることは程度に関わらず死に直結する場合がある。
この雌鹿も仮にルンゼから脱出できたとしても骨折した脚ではこの先を生きる事は難しいだろう。

それは我々も同じことであり山での事故には細心の注意を払う必要がある。
危険度の高い沢登りでは尚さらであり遡行者をそのリスクを常に考えて行動しなければならない。

鹿は警戒しながらも何かを訴えるような目でじっと見上げてくるが、
自然の中で生きる厳しさを感じつつ今どうする事も出来ない無常さを痛感するしかなかった。

ただただ安らかな最後を念じるばかりである。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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