北股川の不動谷、この谷結構ええやんか!

渓谷の名称
不動谷
山域(ピーク)
台高
渓谷の概要
台高の主脈、弥次平峰から北股川へと流れる不動谷、短い谷が多い北股川支流にあってこの不動谷と一つ南側の南股谷は比較的流域が長い。その為か谷は深く侵食されて時に廊下を時に大滝を配して変化を見せる。源流は概ね穏やかな渓相となるが深い原生林が癒やしの空間となって迎えてくれる。まるで秀渓のお手本みたいな谷ではないだろうか。
コースタイム
【南股谷出合い】 08:10
【不動谷出合い(南股谷との二俣】 08:50
【不動滝】 09:25
【洞穴を持った15M滝】 11:10
【Co780m付近二俣】 12:00
【P1054m】 13:10
【南股谷出合い】 16:00
ポイント
【★★★☆☆(沢2級+)】 南股滝35Mは左岸の巻き道を伝うも高度感がある。不動滝上の8M滝はロープを出して左岸側壁の際をモンキークライム、結構パワーが必要だ。更に続く廊下の中には深い釜を持った3M滝、突破は色々考えられるが泳ぐのが一番安全だろう。前半の息付く間もない変化から後半の癒やし渓と見所も多い。
下 山
【★★★☆☆(要読図力)】 下山は不動谷右岸尾根を下ってアサマタ谷出合い付近に下りた。詳細は遡行図に記したが迷わず下るには繊細な読図力が要求される。
装 備
一般遡行装備必携、ロープも必要だろう。概ね立ち木からの中間支点となるがカム類やハーケンも持参した。
お勧め度
★★★★☆
参加人数
2人
所要時間
約8時間
天候
雨のち晴れ
遡行日時
2015/04/19
地形図
大和柏木
主な地質
チャート系堆積岩
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:やや滑りやすい 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:かもきみの湯(600円) 《その他》:なし


【今年初の台高沢へ】 

麓の桜は散ってしまったが山の春はまだこれから本番な感じ。
そろそろ台高の谷も歩きたいねって話になった。

チョイスしたのは北股川の不動谷。
この谷は右俣である南股谷とセットで遡行する人が多いんだけど、
今回は日程の都合もあり不動谷だけを遡行して右岸尾根を下るプランである。

前夜ラビオ君と合流して小宴、今日は行程が長いので6時半に行動開始、。
北股川沿いの林道を進んで南股谷の対岸には7時半ごろ着いた。

天気はガチの雨予報で準備している間もしっかりと降っている。
しかし午後は回復傾向みたいだしここで入らずして帰る訳にはいかない!。
今日は雨天決行やで!!。

【南股谷出合い(8:10)】 

まずは林道から南股谷出合いまで斜面を適当に下る。
結構急斜面だが薄い踏み形もあって容易に下って行けた。



まずは北股川を徒渉して南股谷へ

そして北股川を徒渉すれば南股谷の出合いやね。
実はこの谷、何年か前に計画するも入渓点を間違えてお流れになった。
なのである意味リベンジ遡行とあって気合も入ってくる。

ゴーロを10分も進めば前方に大滝の気配、
3段35Mの南股滝や。



3段35Mの南股滝、少し戻って左岸から巻いた

この滝は少し戻った左岸から巻き登る。
滝身と同じくらいの高度から踏み跡に導かれてトラバースするが、
頭への回り込みは切れていて高度感がある。
道中には比較的新しいトラロープと赤テープが付けてあった。
巻き終わったところが不動谷と南股谷の二俣。

【不動谷出合いの二俣(8:50)】 

左俣の不動谷へ入る。
すぐに廊下の気配になるが適当にへつって行けた。
狭まった感じの8M滝は右岸を巻いて続く6M滝は左岸に転じて抜ける。

【不動滝(9:25)】 

すると木々の向こうにまた大滝の気配。
2段30Mの不動滝だ。
末広がりでなかなかべっぴんさん滝やね。
ここは右岸から巻いて壁の緩んだところで折り返す。



2段30Mの不動滝、右岸から巻いて折り返す

続いては8M滝だが両岸の側壁が立っていて滝側は容易ではない。
側壁を5Mほど登ればバンドに出れそうだがそれ意外だと大巻き必至である。
攻略を思案してみると左岸側壁の際に数本の立ち木が見えた。
狙うならここしかない!。

ロープを付けて強引なモンキークライムで突破、
後続を確保するがなかなか登って来ない、
「どうしたんやろ?」て思ってたらテンションが入った(^^;。

「大丈夫かー?」
「・・・」

暫くすると顔に泥を付けたラビオ君が見えた。
聞けば欲を出して一つ上のバンドに取り付いたら土ごと崩れたとの事、
まあ無事で良かったけど(^_-)。



8M滝はロープを出して左岸側壁の際を登った。

今度はゴルジュのお出ましだ。
中には深い釜を持った3M滝があって嫌な雰囲気が漂う。



廊下の中の3M滝は4月なのに泳ぐ羽目になってしまった

突破を思案する。

@釜を泳いで左岸バンドに取り付く。
A右岸から「あいやー」とジャンプして左岸バンドに飛び付く。
B右岸壁に連打されたハーケンを利用して登る。
C右岸の岩場を登ってから巻く。

夏ならともかくこの時期@はキツイ。
Aは成功する確率かなり低いし失敗したら頭まで浸かりかねない。
Bは濡れずにすみそうだがいまいちラインが見通せない。
Cは巻いた先がどうなってるか見えないが一番無難か・・・。

まずはCを試すが残念ながらあと少しのところでバンドが切れていた。
※今思えば振り子懸垂で抜けれたかもやけど・・・

さあ困った。
仕方ない@か・・・

私、「泳ぐわ・・・」
ラ、「・・・」
私、「泳ぐで、もう決めたで」
ラ、「・・・、・・・」

4月に泳いだのは2回目やけど暫くは震えが止まらなかった。
ラビオ君は飛び込んだ時に水を飲んだらしくゲホゲホ咽ている(^^;。
幸いだったのはこの頃から青空が広がって日差しが降り注いだ事。
これならそのうち暖かくもなるだろう。

【洞穴を持った15M滝(11:10)】 

15M滝は洞穴の中が気になったけど止まると寒いのでさっさと左岸を巻く。



洞穴を持った15M滝はあっさり左岸から巻いた

テーブル状の4M滝は右岸を巻く。
続いての4M滝は右岸から枝谷が5M滝となって合わさる。
ここも右岸から突破するが意外とやっかいでロープを出した。



テーブル状4M滝は右岸から越えるも意外とやっかいだ

3M、2M、2Mと美しい斜瀑を越えれば前方に細い20M滝。
この滝は支流で本流は右に90度曲がって6M斜瀑を落とす。
その6M滝を簡単に越えて廊下に入る。
一見難渋しそうな雰囲気だったが中は平凡であっけなく終了。
谷は広がってCo780mの二俣に着いた。



一見難渋しそうな廊下だが中は平凡であっけない

【Co780m付近二俣(12:00)】 

二俣を左に取る。
この辺り幕営するには絶好の場所やね。

バイケイソウの群落とトチの大木、
穏やかな渓相と明るい日差しが冷えた身体も心も癒やしてくれた。



トチの巨木とバイケイソウ、春やね!

もう終わりかと思った頃に15M滝が出てくる。
岩壁を彩るツツジが綺麗、ここは左岸を簡単に巻く。



ツツジが映える15M滝、左岸を簡単に巻く

さて詰めはどうしたもんか・・・。
最後まで行ってもええんやけど時間的に余裕が欲しい。
そこでCo950m付近から右岸斜面を登ってP1054mを目指す。
しんどい登りだったがお陰で冷えは解消したv。



けっこうしんどい登りやけど頑張ってやー

【P1054m(13:10)】 

出てきたのはCo1080m付近、
そこから北股川に向って尾根を下っていく。
この下山はけっこう手強いのでポイントを書いておこう。

@P998mまでは植林との境界尾根で踏み跡もあり問題ない。
ACo965m付近、藪っぽいピークを過ぎて北に伸びる植林尾根を見落とさないように。
B北進する尾根を忠実に伝う。Co800m付近に岩場があって右手に巻いて処理。
CCo700m付近で尾根が西に振るので注意しておくこと。
DCo620m付近の急斜面をこなせばゴールも近い。



手強い尾根やけど覚えておいて損はなし!

後は北股林道を30分ほど歩いて駐車地へと戻った。
この下山はアサマタ谷の時にも使用したルート。
的確な読図が必要となるが明瞭な登山道が少ないこの界隈だけに知っておいて損はないだろう。

【やっぱ台高はイイネ!】 

予想通り、いや予想以上に不動谷は良い谷だった。
なんと言うか台高特有の森の豊かさが感じられます。
天気も雨は最初だけで午後は予想外の晴天やしね。

それに収穫も色々あったんですよ、
何よりラビオ君の成長著しいのが大きいね。
特に巻きの途中で動けなくなるケースが格段に少なくなった。
よし、このまま誉めて煽てていつかは引っ張り上げてもらおう(^_^)v。

今日も楽しい一日をありがとうございましたー。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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