江馬小屋谷、圧巻のゴルジュに碧いウサギを見た!!

渓谷の名称
江馬小屋谷(絵馬小屋谷)
山域(ピーク)
台高(白倉山)
渓谷の概要
台高北部の白倉山から江股ノ頭北面の水を集めて流れる江馬小屋谷は長瀑こそないものの両岸の壁が発達して随所に廊下を配置する。五ヶ所滝廊下は神の創った奇跡とも呼べる奇勝で界隈随一の見せ場となっている。遡行自体は困難と思わないが要所要所に手強い滝もあって引き締めてくれる。ナンノ木平の登山道を使えば日帰り遡行も可能だがこの谷の良さを堪能するなら沢泊がお勧めだ。
コースタイム
・一日目
【江馬小屋谷出合い】 09:55
【五ヶ所滝廊下入り口】 11:15
【Co590m二俣】 13:15
【三段20M滝】 14:00
【Co750m二俣(泊)】 15:15
・二日目
【Co750m二俣】 07:40
【石谷滝】 08:00
【白倉滝】 08:45
【稜線】 10:05
【P1226m】 11:30
【江馬小屋谷出合い】 13:40
ポイント
【★★★☆☆(沢3級-)】 ポイントは五ヶ所滝ゴルジュと三段20M滝の突破、五ヶ所滝ゴルジュは壁の薄くなる辺りまで戻った右岸をロープを出して登る。その後上流に向ってトラバースして行くが滑り易い箇所もあるのでルートを良く見極めて!。三段20M滝は左岸クラックを直登、カムが残置してあったがかなり老朽化していたので更にカムを追加して補強。見所は何とっても五ヶ所滝ゴルジュ、その核心に触れるならキツくても右岸巻きが必須。
下 山
【★★☆☆☆(登山道あるけど・・・)】 下山は白倉山からP1226m⇒ナンノ木平への登山道を伝う。一応普通の登山道だがアップダウンがキツイ上に不明瞭箇所や変な方向へ誘う偽テープもあって意外とややこしい、ナンノ木平からは比較的明瞭となって出合いへと導いてくれる。
装 備
一般遡行装備必携、ロープも必携、三段20M滝左岸クラックの登攀でカム×2使用。
お勧め度
★★★★☆
参加人数
2人
所要時間
一泊二日
天候
晴れ
遡行日時
2015/05/05-06
地形図
七日市・宮川貯水池
主な地質
チャートブロック
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:滑り易い 《ヒル情報》:見なかったが・・・ 《温泉》:奥香肌温泉スメール(700円) 《その他》:江馬小屋林道は地上高のある車なら終点まで入れると思う。蛭は見なかったが時期によっては対策が必要。江馬小屋谷は『絵馬小屋谷』と記述される場合もある。どちらが正式名かは判らないが今回は地形図の表記に習って『江馬小屋谷』と記述した。


【GWは沢泊に!】 

折角のGWだしそろそろ泊まりの沢に行きたいネ。
と言う訳でチョイスしたのは蓮川の江馬小屋谷、

ここに行くのは自身三回目だけど最初は途中まで、
二回目は左俣を遡行したので源流までちゃんと詰めてない。
中途半端になってると気持ち悪いし今回の再訪になった。

沢泊なんで当日朝集合して江馬小屋林道に起点に9時到着。
江馬小屋林道は以前けっこう荒れてた記憶があったので慎重策で起点に駐車、
のんびり歩いて出合いは9時55分着。

【江馬小屋谷出合い(9:55)】 

以前は橋があったけど2012年の水害で流失してしまい今は無い、
野江股谷を徒渉して江馬小屋谷へと入る。



江馬小屋谷と野江股谷の出合い、以前は鉄橋があったけど今は流失

さあ遡行開始!、
谷中それほど変化ないけど両岸の壁は高く圧迫感がある。

少し進んで両岸触れ合わんばかりの廊下、
「行合の廊下」やね。
陰鬱な廊下やけど中は河原であっけなく通過。


名物な行合廊下、一見険悪そうでも・・・ 中はあっさり通過できる

穏やかな流れやし快調に距離を稼いで行く。
右岸に長瀑が見えた。
これが『観音滝20M』ってやつだと思う。



観音滝20M、新緑が綺麗やね!

この辺から更に両岸立って暗い雰囲気、
やがて廊下となって袋小路の右手から5M滝が落ちる。



五ヶ所滝ゴルジュ入り口の5M滝、中を見るには右岸巻き必須

【五ヶ所滝ゴルジュ下(11:15)】 

さあココからが見せ場『五ヶ所滝の廊下』の始まりです。
一般的に楽なコースは廊下入り口まで戻っての左岸巻き、
せやけどそれでは五ヶ所滝の全容が拝めない。

となれば右岸の側壁を登るか右岸のどこかを巻くか・・・、
右岸側壁ルートは以前登った事あるけど泊りの荷物じゃ行ける気しない、
でもやっぱり廊下は見たい、そこで右岸巻きをチョイス。

まずは無難に廊下入り口まで戻って右岸に取り付く、
しかし途中でボロボロのトラバースが出てきた。
距離は短いんやけど兎に角ボロボロで立ち木もなく中間支点は望めない、
これだと自分は行けても後続が危険や・・・、
仕方なく一旦戻って立て直す。
ラビオ君も心の中で「はよ戻ってこんかい!」と思ったそうだ。

今度は少し廊下に入って側壁の緩傾斜な部分を狙う、
最初の数メートルが悪いけどそれを越えれば立ち木頼りに何とかなりそうだ。

途中掴んだ木が抜けてヒヤッとしたけど無事に登って後続確保、
しかし中々登って来ない、
あら、テンションが入った。
やはり出だしの数メートルが登れず難渋したらしい。


全容を見るため右岸巻きチョイス 五ヶ所滝、これぞ奇勝中の奇勝

さて次は側壁の上をトラバースして行く訳やけど、
ラビオ君さっきの登りで相当参ったらしく顔面蒼白、
腰が完全に引けて動けなくなってしまった。

恐怖で固まる姿はまるで『青いウサギ』である。
そう言えば

「碧いうさぎずっと待っている〜♪」
「ビレイ中も震えながら〜♪」
「恐すぎて死んでしまうわー♪」

昔そんな感じの歌あったなぁ(^^;。

トラバースは薄いバンドを伝う事になるが、
全体的に立ち木が少なく踏み外せばヤバイ斜面もある。
サポートしながら慎重に進んで遂に五ヶ所滝との対面だ。


まるで捩じれた滑り台のようだ どうやったらこんな造形になるのか?

「何これ!?」
「どうなってんの?、凄いー!!!」
「な、こっち巻いて良かったやろ」
「左岸からやとコレ見えへんのやで」

青ウサギにもやっと血色が戻ったようやね。

五ヶ所滝を堪能して引き続き右岸巻き、
でも後は傾斜も緩いしはっきりした踏み跡もあって簡単、
驚愕の廊下に感動しながら巻き終わったところが二俣やった。



ゴルジュ抜けの15M滝、右手に死んだ釜があってここも不思議な景色

【Co590m二俣(13:15)】 

谷は平凡なゴーロに変わるけど新緑が美しく飽きは来ない。
やがてまた両岸狭くなって何かある気配、
岩間滝を幾つか越えると目の前に流木の刺さった滝が見えた、
ここが三段20M滝だ。

【三段20M滝(14:00)】 

実はこの滝、以前来た時は流木を登ってずいぶん怖い目をした。
そやし今回はもっとさっくり行こう。
そうや今年は過去のトラウマ払拭シリーズってのも良いかもね(^^;。


三段20M、ここが難物 右手クラックをカム×2で直登

さて突破を思案、
ここは定石通り?右手のクラックを狙う。

クラックには太っ腹な残置カムがあるんやけど、
かなり時間が経過しているのか自然の同化しつつあって信用できない、
なので自分のカムで補強、更に上部に一本追加してフットジャムから乗り込んだ。

後続には五ヶ所の教訓からメインロープ+お助ロープも設置して万全体制!?。
それでも結構怖がってはったけど・・・。

続く二段目は上に行くほどボロボロっぽいんで登り過ぎるとダメや、
ちょっと不安定やけどギリギリを斜上して三段目の下に抜ける。
ウサギさんはココもブーブー言ってた(^^;。

【Co750m二俣(15:15)】 

少し進んで谷が開けると二俣はすぐそこ。
時間は15時過ぎ、まだちょっと早いけどここで泊まりと決めた。



Co750m付近二俣が今宵のお宿

夕食は春雨鍋にベーコン串焼き等々、
普段呑めない(呑まない?)ウサギさん『菊水』空けてるし、
やっぱ沢泊はええですねー。

【Co750m二俣(7:40)】 

今日も天気良さそうや、7時40分出発。
ゴーロを行くとすぐにCS15M滝、
これが石谷滝だ。



石谷滝15M、傾斜の強い左岸リッジを登るが赤テープがあった

両岸高い壁でどこから巻いても結構しんどそう。
ここは少し戻った左岸ルンゼをちょっとだけ登って張り出したリッジに折り返す。

痩せ尾根で高度感あるけど木の根がしっかりしていて大丈夫、
途中赤テープもあるしルートとして確立してるみたいやね。
登り終えたとこからルンゼを下れば落ち口横にピッタリやった。



このルンゼを下れば落ち口にドンピシャリ!

滝上はまだ両岸壁で豪壮な雰囲気やけど中はゴーロ主体、
せやけど水絶え絶えで傾斜強いから辛いところ、
ヒーヒー言いながら3M滝を越えたら空間が広がって大滝登場、
これが白倉滝35Mやね!。



白倉滝35M、右岸支谷の5M滝を越えて回り込む

【白倉滝(8:45)】 

白倉滝は右岸支谷の5M滝を登って少し回り込んだとこから折り返す。
いい感じの巻きで簡単に落ち口へと導かれた。

続いては見上げるような多段50M滝、
左岸の壁に空いてる穴がまるでハロウィンのかぼちゃみたいや。
「よくここまで来たな」ってご褒美をくれた感じの快適直登。



多段50M滝は快適そのもの、ここまで来たご褒美やね!

これで滝場は全部終わった感じ、
傾斜の緩いゴーロになって水切れ寸前。
最後まで忠実に詰めても良かったんやけどCo1100m付近から左岸尾根を登って稜線に出た。

【稜線(10:05)】 

下山はまず稜線を西に進んでP1226mまで行く、
しかしこれがめっちゃしんどいのよ・・・、

道型が薄くテープ類頼りで進む、
でも時々変な斜面に誘いこむテープがあって気を抜くと尾根を外してる。
まるで少しの登りも避けたい我々の行動が見透かされてるようやわ(^^;。

たぶんトラバース道用のテープなんやろけど、
サブルートにテープは不要なんちゃうかな?、
これ天候悪い時とか迷うひと多いと思うし・・・。



白倉山からP1226mまでの稜線はかなりしんどい・・・

【P1226m(11:30)】 

P1226mから主尾根を逸れてナンノ木平を目指す。
道もだんだん分かりやすくなってきた。



この木何の木ナンノ木平♪、ここまでくれば後は下るだけ

ナンノ木平を過ぎると右手から植林が寄って自然林との境界を行く、
Co960mくらいで右折して植林内の九十九折れ道になった。

途中捕獲用?の檻を見ながらどんどんく下るけどかなりの激下り、
展望も無いし登りでは絶対使いたくない道やわ。
やがて大きなグラを回り込んで水音が近くなれば無事に出合いへと降り立った。
後は林道を歩くだけ。

【久々に沢泊を堪能】 

いやーやっぱり沢泊はイイネ!。
最近日帰り遡行ばっかりやったから体力的には厳しかったけど(^^;。
ボッカトレとか絶対嫌やしどうやって楽に行くかが今後の懸案やなぁ。
やっぱ徹底した軽量化が最優先か!。

ラビオ君はかなり上達したけどたまに青ウサギに変身するんよね(^^;。
今思えばお助け紐を残しておくとか私がちょっと気を遣えばだいぶ違ったかも、
メンタルコントロールをうまく導いてあげないとあかん感じやね。
まだまだ精進やわ。

今回も素晴らしい景色を見せてくれた山の神様に感謝。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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