大岩壁とナメ群に圧倒、天瀬谷左俣遡行、右俣下降。

渓谷の名称
天瀬谷(左俣、右俣)
山域(ピーク)
南紀
渓谷の概要
天瀬谷は有名な立間戸谷の一本北側に入る谷、殆ど遡行記録のない谷だが渓相は立間戸谷に似て素晴らしく柱状節理の大岩壁と連続するナメ群を心行くまで堪能できる。源流部は植林が多くて人臭い一面もあるがこの界隈まで足を運ぶ価値は十分ありでもっと入渓者があってもおかしくない秀渓ではないだろうか。
コースタイム
【入渓点(林道屈折点)】 08:25
【二俣(Co260m)】 09:00
【二俣(Co520m)】 10:55
【P732m東側鞍部】 11:40
【二俣(Co550m)】 12:50
【入渓点(林道屈折点)】 15:10
ポイント
【★★☆☆☆(沢2級)】 左俣に入って最初の15M滝は左岸を巻くがなかなか壁が切れず結構大巻きとなる。それもそのはずで周囲はいたるところに岩壁が聳え立つ厳しい地形だ。上部のナメ群は登るのには快適だが下りはスリップ注意、滑った先が滝なんて事になったら・・・。
下 山
【★★★☆☆(右俣降渓)】 下山は天瀬谷右俣を下降するが問題となるのは15M滝の懸垂下降ポイント、30mロープだと滝側からでは届かない、少し左岸にトラバースしてガレたルンゼに降りるのが賢明だろう。最後に出てくる二本の斜瀑、上段は導水管と鉄杭を頼りに降りて下段は右岸に明瞭な道が付いている。
装 備
一般遡行装備必携、ロープ8mm×30mを持参。
お勧め度
★★★★☆
参加人数
2人
所要時間
約8時間
天候
晴れのち曇り
遡行日時
2014/11/30
地形図
大里
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:やや滑りやすい 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:十津川温泉庵の湯(400円) 《その他》:天瀬谷川林道は荒れが酷く普通車で奥に入るのは結構勇気がいる。


【そろそろ今年の沢シーズンも終わり?】 

11月も最終週になりそろそろ今年の沢シーズンも終わり?、最後は冬定番の南紀で締めくくろうかって事になった。
前夜、大阪駅でラビオ君を拾って『道の駅熊野川』を目指すが意外と交通量が多く5時間ほど掛かってしまう。
それでもちょっとだけ宴をして就寝。

起床は6時、辺りは放射霧で真っ白やけど天気は問題なさそうだ。
日の短い季節やし早め行動で入渓点を目指すが『天瀬谷川林道』は荒れが酷く普通車にはキツイ。
結局奥まで入るのは断念して適当な広場に駐車、お陰で30分くらい林道を歩く羽目になった。



林道を奥まで入れずプラス30分のアルバイト

【入渓点(林道屈折点) (8:25)⇒二俣(Co260m) (9:00)】 

林道がヘアピンで谷から離れる地点、ガードレールの切れ目から奥へ続く巡視道の階段を下って入渓。
水はそれ程冷たくない、南紀特有の石英粗面岩は花崗岩に似ているがフリクションは悪く慎重に飛び石をこなす。



第一支流が斜瀑を連ねて流入する

すぐに右岸から第一支流が斜瀑を連ねて流入、奥には『ほしやわたの滝』と呼ばれる大滝があるらしい。
少し進むと美しい釜とナメ床、夏ならザブンと行くとこやけど流石にこの時期は嫌やね。



美しい釜とナメ、夏ならザブンと行きたいねぇ

次は右岸に大岩を鎮座させた2条8M滝、巻けば簡単なんやろけど流芯の右側をシャワーで直登する
ラビオ君にはシュリンゲを繋いでサポートするがしこたま流水を浴びて全身ビショビショや(^^;。
大きめな渕を巡視道伝いで通過すると二俣に到着、左俣へと進む。



2条8M滝、流芯の右手から直登

【二俣(Co260m) (9:00)⇒二俣(Co520m) (10:50)】 

最初は急なゴーロ歩きで苦しいがこの頃から霧も晴れて柱状節理の大岩壁が姿を見せる。
南紀ではよく見る景色なんやけどこれほど大規模なのは初めて見た。
壁の高さだけなら立間戸谷よりも凄いんじゃないだろうか!?。

そして壁の基部に15M滝、斧で絶ち割ったような形状はまるで堰堤のようだ。
この滝の突破は左岸から、しかし壁が切れずルンゼの詰まり付近まで押し上げてようやく折り返す。
難しい巻きではないが結構な大巻きとなった。



15M滝の左岸巻きは結構な大巻きとなった

滝上は釜とナメが交互にあって美しいところ。
でも滑ったら一気に下まで行きそうなんで油断は禁物やね。



釜とナメが交互に続いて美しい場所、でもスリップ注意ネ!

両岸の絶景とは裏腹に谷中はゴーロが続いてちょっと中だるみやったけど谷が右折すると右岸は100M以上の物凄い壁。
青空の下、まだ紅葉も残ってるし沢トリップな世界やね。
これで中にゴルジュとかあったら南紀を代表する谷になってたかも!?。



圧巻の大岩壁、ここを登る人とかいるんやろか?

4M斜瀑を越えるとナメ床が続いてその突き当たりに20M滝を落とす。
ここは右岸の傾斜が緩くて容易な巻き、降りた場所は実は支流で少しくだってCo520mの二俣となった。



20M滝は容易な右岸巻き、一旦支流に入ってから戻る感じ

【二俣(Co520m) (10:50)⇒P732m東側鞍部(11:40)】 

ここからは南紀沢のお決まりとも言えるナメの連続となる。
ナメか斜瀑かはたまた滝か、まるで舗装道路のような区切りのないナメ床だ。
ラビオ君はどうもナメ歩きが苦手らしく腰が引け気味になっている
一見ツルツルでもよく見るとスタンスになる凹凸があるのでそれを見極めて歩く事やね。



南紀の定番、継ぎ目なく続くナメや斜瀑

標高の700mに近づくと流れも細くなってきた。
今日の下山は右俣下降なんでもしかしたら遡行と同じ時間がかかる可能性がある。

時間を見ると12時前・・・。
当初の計画やとP815mまで行って右俣へと入る予定だった。
しかしこの感じやとやや時間が押している。
そこで相談の結果、P732mの東側鞍部から右俣に降りるショートカットルートを選択した。

【P732m東側鞍部(11:40)⇒二俣(Co550m) (12:50)】 

鞍部付近は手入れされた植林で境界杭に沿って明瞭な道型がある。
もしかしたら麓へ続く道があるかもしれないがこの状況で不確定要素に頼るのは怖い。
伐採林の斜面から谷状になりやがて水も流れ出した。

そしてナメの連続、登りは簡単なナメ床も下りだと妙に傾斜を感じてしまう。
スパッと切れ落ちたその先を恐る恐る覗くと15Mくらいの滝、しかも先は廊下になっている。
うっ、ショートカットで情報の無い枝谷に入った訳やけどもしかしてやってしまったか?。



15M滝と廊下、もしかしてやってしまったか?

目を凝らしてルート観察をすれば右岸に階段状のルンゼがある。
ここに入ればなんとかなるだろう。
予想はずばり的中でロープを出さずに下ることが出来た。
上から見て懸案してた廊下も近づくとスタンスがあって無事に通過!、
出てきた場所は右俣が8M斜瀑をかけて出合う地点だった。



滑りやすいナメを慎重に下っていく

【二俣(Co550m) (12:50)⇒入渓点(林道屈折点) (15:10)】 

まだまだへっぴり腰のナメ下りが続くがやばそうな高さの滝が出てきた。
懸垂するにも滝横やとロープが届きそうもない・・・。
困ったな、暫し思案して左岸に振った壁の薄い場所から懸垂下降で降り立つ。
眼前には15Mの美瀑、周囲の壁といいこの谷一番の絶景ポイントやね。



懸垂で降り立った15M滝はこの谷一番の絶景ポイント

この先は長く続くゴーロ、でも大岩壁の絶景がオカズになって飽きが来ない、
そっか、行きは前半ガスっててあまり遠景が見えへんかったもんなぁ。

左俣と出合うちょっと前、標高300mくらいのとこに美しい斜瀑が2本あり。
上段は導水管のパイプとトラロープを頼りに、下段は右岸の巡視道を利用して下る。



導水管とトラロープを頼りに下りましょう



この滝は右岸に明瞭な巡視道がある

これで事前に得ていたポイントは全てクリアしたことになる。
14時前、もう時間を気にする必要もないのでお茶を沸かして大休止。
なかなか面白い谷やったねー。



見所も多くなかなか楽しい谷でした

あとは明瞭な巡視道から林道へと歩いて遡行完了となりました。

【南紀ならまだまだ行ける・・・かな?】 

帰りは十津川温泉『庵の湯』で暖まる。
小さい湯船やけど掛け流しで微かに硫黄の香りもあって最高の温泉やね。
この時期に沢と温泉は極楽セットやわ!。

今年も残すところあと一月、
もうそろそろ沢シーズンも終わりかな・・・って思ってたけど南紀ならまだ行けそうかな!?。
少なくともラビオ君は「まだ行ける」て言ってるしね(^_-)。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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