古の名渓、ノウナシ谷で久々の沢泊に酔う。

渓谷の名称
ノウナシ谷
山域(ピーク)
大峰(阿弥陀ヶ森)
渓谷の概要
熊野川の源流最奥部で神童子谷の右俣にあたるノウナシ谷、下流部はコバルトブルーの美しい流れが続くも中流部は一転してノウナシ滝や千手滝など名のある大滝が登場する。遡行自体にさしたる困難は無いが大峰で最も奥深い山域だけに下山まで含めると行程が長くなる。
コースタイム
一日目
【神童子林道終点】 7:45
【釜滝(ノウナシ谷出合い)】 10:00
【Co1320m(脇ノ宿谷出合い)】 15:20
【Co1500m(幕営地)】 16:35
二日目
【Co1500m(幕営地)】 7:45
【国見岳鞍部(Co1510m)】 10:45
【P1358m】 12:25
【神童子林道終点】 14:30
ポイント
【★★☆☆☆(沢2級)】 へっついさんは腰まで浸かって直進。ノウナシ滝は左岸の小尾根から壁を回り込んで巻いた。千手滝は直進するルンゼを少し登って馬頭滝へと折り返すが岩が不安定で万全を期したい。登り過ぎると馬頭滝を見過ごしてしまうのでなるべく小さく巻きたいところ。地蔵滝は左岸が開けており容易な巻きだった。この谷の魅力は美しい水色と植生の素晴らしさにある。源流域での幕営は至福の一夜を演出してくれるだろう。
下 山
【★★★☆☆(距離が長い)】 車利用の場合はかなり行程の長い下山となる。幕営地から大峯奥駆道へと出て稜線を南下、国見岳より西に派生する尾根へと入る。Co1510m鞍部からの登り返しは石楠花の藪が酷く辛いところだがなるべく尾根を外さないよう注意したい。登り詰めた小ピークから南西に進路を取ればP1358mを経てオソゴヤ谷の一つ北側にあるルンゼ状の谷に降り立った。
装 備
一般遡行装備必携、ロープ(8mm×30m)を持参。通常のルート取りなら登攀具の類は必要ないだろう。
お勧め度
★★★★☆
参加人数
3人
所要時間
一泊二日
天候
晴れ
遡行日時
2013/07/27-28
地形図
洞川・弥山
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:やや悪い 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:天の川温泉(600円) 《その他》:なし


【二年ぶり!?、久々の沢泊へGO】 

ひろっちさんが大勢でまったり沢泊しましょーって企画に乗っかるが直前になってもまだ二人っきり(^^;。
二人なら場所変えましょか・・・って話も出たがワクちゃんの参戦が決定!。
なら予定通りノウナシ谷でまったり遊びましょー!!。
私は二年ぶりに久々の沢泊、ワクちゃんは沢泊デビュー、さあ今回はどんな沢旅になりますやら。

一日目

朝4時半に自宅へ迎えに来てもらい大峰を目指す。
早朝だけあって車はすこぶる順調、7時過ぎには神童子林道終点へ着いた。

【神童子林道終点(7:45)⇒釜滝(10:00)】 



さあ楽しい二日間の始まりやー

いざ出発、ところが橋を渡って直進するとイキナリ不明瞭で道を見失ってしまう。
あれれ?、神童子には前に来た事あるけど確かコンクリート道で快適やったはずやけど(^^。
こりゃ違うやろって一旦戻ってひろっちさんが正解道を発見、鉄製の遊歩道を伝ってトガ渕の辺りから入渓する。

へっついさんは腰から腹まで浸かっての渡渉、数年前は膝下ちゃぷちゃぷやったんで深さが復活してるみたいや。
それでも今日はだいぶ水量が少ないみたいで普段やと胸くらいまで行きそうだ。



へっついさんは腰まで浸かって通過

すぐに大釜に滑り込む赤鍋滝が出現、大峰独特のコバルトブルーが美しい。
ここは一見ツルツルだけどちゃんとスタンスがあってフリクションを効かせて楽しく登る。
ひろっちさんは滑り台して遊ぶも肘を打ったそうでこの後ずっと「痛い痛い」と言ってた(^^;。

滝上は深い釜を持った2段滝、磨かれた岩盤は神童子でも屈指の美しい場所だろう。
ここは一瞬泳いで右岸から登る。


赤鍋滝は左岸をフリクション勝負で この辺り岩盤が磨かれて美しい場所

しばらく平凡な流れで左岸に石垣を見る。
けっこう立派な石垣でかつては大規模な飯場があったようだ。こんなとこに家建てるなんて昔の人はホンマ凄いわ。
やがて左岸に石灰岩の押し出しがあって近づいてみると洞穴から大量の湧水が!。
ちょっとすくって飲んでみるとこれがめっちゃうまいんです!。
車で行けるような場所にこの水があったらきっと人気の名水になってるだろう。



石灰岩の洞穴より湧水、飲んでみるとウマイ!

水場を越えるとすぐに釜滝が登場。

釜滝は左手の流れが神童子谷で右手の二段滝がノウナシ谷、つまり二つの谷がこの滝で合流している訳やね。
そして直径10mくらいあろう巨大な釜は以前来たときよりも深くてめちゃくちゃ美しい。
ずっと見てても焦点が合わない程深く神秘的な釜、ここを見に来るだけでも十分価値あるんとちゃうかな!?。



めちゃくちゃ美しい釜滝と大釜

【釜滝(10:00)⇒Co1320m二股(15:20)】 

釜滝はひろっちさん左岸から直登トライ。
軟弱な私とワクちゃんは右岸から通常ルートで巻く、ひろっちさんも直登成功!流石です。

右俣のノウナシ谷へ進むとすぐに5M滝、釜も大きくここも綺麗な場所やねー。
釜滝を登らなかったんで「せめてこいつは・・・」と直登しかけたが荷物が重くて敗退左岸巻き(^^;。
ひろっちさんはここも右岸から直登成功、凄いです。
私は荷物が重いとこんなにも動けないことを実感した次第、ショボン・・・。



ノウナシ谷に入ってすぐの5M滝、ひろっちさん直登、素晴らしい〜

その後左岸に大きめな枯谷が二本、『田ノ小屋谷』と『イハシ谷』だと思う。
大きめの谷なのに水が流れていない、そうか!この辺りは石灰が多いみたいやから伏流しやすいんやろね。
それにしてもこの谷は植生が素晴らしい、森の主とも言えるような桂や栃の巨木がいっぱいある。



植生も素晴らしく癒やしの空間が広がる

適当に岩間滝をこなしてのんびり進むと右岸に壁が立って来て大滝の気配、見れば前方に大滝発見。
手前に『ノウナシ滝』の看板が設置してある。 高さ40Mと言われてるけど今日は水量が少ないんでそれほどの迫力は無い、
それでも周囲の景色と調和した美しい滝やね。

ノウナシ滝は左岸の小尾根から取り付いて壁を迂回、うまい具合にバンドがあって落ち口まで導いてくれる。



ノウナシ滝は周囲と調和していて美しい

この辺りから傾斜が増して巨岩が多くなる。

右岸の壁はまだ続いていてまたも大き目なが出現、これが『千手滝』で落差は15Mくらい、サラサラと落ちる流れはどこか優美で女性的な表情やね。
ここは直進するルンゼを少し登って折り返すのが常道だが岩質が脆くて気持ち悪い。
私が途中までフリーで登って上からロープ確保。
まだ微妙な斜面が続いているのでそのままツルベでひろっちさんが滝上まで抜けた。

登りついた場所は『馬頭滝』が見下ろせる中間テラス、そのまま巻き登れそうだがせっかくだし間近で見てみたい。
てな事で滝壺までクライムダウン、千手滝と違い馬頭滝はV字峡の真っ只中に落ちるゴルジュ滝、
ん?、でも写真見るとむしろこっちの方が女性的と言うべきか!?。※シモでスイマセン(^^;。


千手滝は直進するルンゼから折り返す V字峡の真っ只中に落ちる馬頭滝



千手滝は直進するルンゼに入って折り返すが岩が脆く注意!

これで右岸の壁も低くなった核心は抜けた模様、余韻を残すように岩間滝が続くけど通行には問題なし。
地蔵滝は明るく開放的な感じで心地よい、左岸が開けていて容易に巻く。



地蔵滝は左岸が開けていて容易な巻き

【Co1320m二股(15:20)⇒Co1500m幕営地(16:35)】 

もう完全に核心は抜けた感じで空までの距離が近くなってきた。
時々壁や滝もあるけどどれも快適に越えていける。
さあCo1500m付近(地形図の最後の二俣付近)で今宵のお宿といたしましょ。



最後まで小滝が続いて癒やしてくれた

久々の沢泊りはやっぱり楽しい、遡行の楽しかった事やしんどかった事、アホな話に花が咲いた。



最高の天場、やっぱり沢泊は楽しいねー

ちょっと余談なんやけど今回は食事担当(俗に言う食担)を廃して各自食とのハイブリットなスタイルを試している。
これは私とひろっちさんの持論なんやけどパーティで食事を共有するってのは現代的じゃない気がするんです。

て言うのも今の時代、食文化も多様化してそれに伴って偏食やアレルギーとかを持つ人も増えている。
実際私も蕎麦アレルギーだし過去のトラウマでタマネギが食べれない。

それに何より沢泊って言う最高に贅沢なひと時には自分の好きなモノが食べたい。
しかし共同食スタイルだとそれが自分の好きなものだとは限らないし、事前に嫌いなものを申告するのも気をつかう。
かと言って共同分担にプラスして嗜好品を持つとなると荷物の増加に繋がってしまう。

そこで模索しているのが共同食と各自食のハイブリット型なんです。

つまり基本は各自で食事を準備するが、宴会用で皆が食べれるアテを各自一品用意する訳だ。
これなら荷物を軽くしたい人はアルファ米とかを使えば良いし、食事は豪華にしなきゃって人は担げば良い。
それに嫌いなアテが出てきても食べなければ良いだけだし。

今回は試行って事もありアテの一品量が多くてお腹パンパンになってしまったが各人各様に好みなモノを食べれたと思う。
量に関してはもう少し調整して落としどころを見つければ完成されたシステムになると思うのだがどうだろうか!?。

【Co1500m幕営地(7:45)⇒国見岳鞍部(10:45)⇒P1358m(12:25)⇒神童子林道終点(14:30)】 

二日目

今日も良い天気、出発は7時45分になった。
天場から笹原の尾根を斜上気味に登って奥駆道までは10分くらい、そこから縦走道を南下する。
しかしこれが暑いのなんのって・・・。



この時期の稜線歩きは暑すぎる・・・

「景色なんていらんからガスってくれー」
「ピークなんて興味ないから登り返しはやめてくれー」
「おおっ、大普賢に巻き道作ってくれた人に『イイネ』5回押しやね」

水太覗では「大学のサークルですか?」と声をかけられた。
ワクちゃんはともかくオッサンの私はどう見たら学生に見えるんや??。
あっ、きっと引率の人かなんかに見えたんやね(^^;。



水太覗からの景色

そして国見岳っぽいところから迷い込み防止のロープを潜って派生尾根に入る。
地形図には崖記号があるけど薄い踏み跡もあって鞍部までは問題ない。



国見岳からの鞍部も気持ちよい場所、さてこれからどうするか・・・

で、ここからどうするか、当初はオソゴヤ谷を下降する予定やったけどワクちゃんの体力がやや心配だ。
「暑いけど尾根道の方が時間が読めるやろ」って事で尾根沿い下山を選択する。

しかし鞍部からの登り返しは強烈な石楠花ブッシュ、標高差にして僅か60mくらいなんやけど全然進まない。
だが藪等の不確定要素が強い地形では尾根筋を外すとルートを見失う可能性がある。
苦しいところだがなるべく忠実に尾根を追った。

幸い小ピークからは藪も無くなって歩きやすい、やがてP1358nに到着。
ここからは色んな選択肢がありそうやけど一番なるそうな北側の尾根をチョイス。
何となく道っぽい斜面をドンドン降りて行く。

ところが最後の最後で踏み跡を見失ってしまい南側のルンゼ谷へと落とされてしまう。
ワンポイント懸垂×2で谷底に降り立つが水に濡れると今まで暑さと疲労で朦朧としてた意識がシャキンとなった。

あとは林道をフラフラと歩いて14時30分車に到着、お疲れ様!。

【やっぱ泊遡行はサイコーやね!】 

そうそう、帰路の車中では『新しい沢用品?』トークで盛り上がる。
ウエットやタイツに縦溝を入れて激流でも水の抵抗を減らす『ゴルジュレーサー』とか、
コー○ンの398円ヤッケに超撥水機能を持たせた『シャワーヤッケ3000』とか、
セクシーファッション重視の『シャワーホットパンツ&レギンス3000』などなど、
数多くの珍品奇品が妄想の中で誕生した。

※因みにひろっちさん曰く最高の品質には語尾に『3000』を付けるのが古来からの慣例だそうです。

と言う訳で今回も最高に楽しい二日間だった。やっぱ沢泊サイコー!!。
毎度毎度同じ締めだけど、ご一緒してくれたお二人と最高のコンディションを用意してくれた山の神様に感謝です。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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