こんなところに絶景が!、東ノ川西ノ谷遡行。

渓谷の名称
西ノ谷
山域(ピーク)
台高
渓谷の概要
坂元ダムのすぐ北側に食い入る西ノ谷は東ノ川最大の支流であり不動滝60Mの大滝を筆頭に幾つもの廊下と滝が連なって美しい渓相を見せる。西ノ谷林道が開通して深山幽谷の趣きは薄くなったが、逆に言えば手軽に台高の渓谷美を堪能できる訳でもある。林道のすぐ下にこんなにも素晴らしい絶景があったのか・・・、真実は是非その目で確かめてもらいたい。
コースタイム
【林道駐車地点】 8:00
【不動滝60M下】 8:50
【10M滝下】 10:15
【核心部4連瀑10M滝下】 11:00
【核心部4連瀑15M滝上】 13:10
【林道駐車地点】 13:50
ポイント
【★★★★☆(沢3〜4級)】 全ての滝を巻くなら3級くらいで行けそうだが今回のルート取りだと4級が妥当だと思う。不動滝60Mは直登可能らしいが時間を食うのでパスして右岸巻き、それ意外は全て直登したが登攀具は必携だろう。
下 山
【★☆☆☆☆(林道)】 核心部連瀑の終わったところから小尾根に取り付けば5分で林道に出る。そこから駐車地まで林道をテクテク20分、こんなにも楽な下山があったのか!。
装 備
一般遡行装備必携、ロープ(8.3mm×30m)、ハンマー、ハーケン(適数)、カム類(適数)。
お勧め度
★★★★★
参加人数
2人
所要時間
約6時間
天候
晴れ
遡行日時
2013/08/15
地形図
河合
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:普通 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:なし 《その他》:ヒルは見なかったがアブ類が多い、季節によっては要対策。


【あの谷が気になってるんすよね・・・】 

宴会でK君と「どこか沢に行こう」って話になり5月に遡行した又剣谷で登り詰めた対岸に深く切れ込んだ谷が話題に出た。

K君「あの谷が気になってるんですよね」
私「あっ東ノ川の西ノ谷やね、じゃあ行きましょうかー」

情報を集めて行くと不動滝60Mを筆頭に滝と廊下が連続して登りごたえありそうや。
まあ基本はまったり系のつもりだったが一応登攀具も持参する。

朝4時に家を出て西名阪⇒高田バイパス⇒最近開通した京奈和道と繋いだら1時間で吉野口まで来てしまった。
これは今後の時間設定がちょっと変わりそうやわ。

そんなこんなでサンギリ林道から西ノ谷林道へ進み、ここぞ!と思われる場所(地形図P676mの東側ルンゼ付近)に駐車する。

【林道駐車地点(8:00)⇒西ノ谷出合い(8:40)⇒不動滝下(8:50)】 



まずはガレガレのルンゼを下降、出合いまでコンタ200mくらいある

出発は8時、林道から西ノ谷出合いを目指してガレガレのルンゼを下降する。
途中に不法投棄のゴミ、酷いことするもんや・・・



酷い・・・、これって棄てる方は勿論やけど行政にも責任があると思う

アップなしでいきなりの激下りは身体に悪い。
まだ濡れてないから汗が噴出すし膝がガクガクしてくる。
出合いの手前で15m懸垂を一回入れて西ノ谷へと降り立った。



出合いの手前で15mの懸垂下降が入る

そこから不動滝まではすぐ。
高さ60Mくらい!?、両岸の壁もワイドで素晴らしい大滝だ。
最近の猛暑でかなり水量が少ないみたいやけど増水のときとか物凄い迫力だろう。



素晴らしい景観の不動滝60M

【不動滝下(8:50)⇒不動滝上(9:45)⇒10M滝(10:15)⇒核心部4連瀑10M滝下(11:00)】 

不動滝は左岸直登の記録があるけど流石に時間を食うのでパス、右岸ルンゼを巻き上がる。
ところが私の希望でルンゼを忠実に行ったら途中で詰まってしまいロープのお世話になってしまった。

それにしても今日は汗が全く引かないし息切れが酷い、足が鉛のように重いしどっか体調悪いんやろか?・・・。
最初の壁を回り込んで滝に寄ればそこは中間の滝見テラス、更に壁をもう一枚巻き上がる。
滝上には細長い渕と小滝、ここまでめちゃめちゃ暑かったんで溜まらず渕に飛び込んだ。



たまらず渕で一泳ぎ、身体の熱が一気に拡散して行くのが判る

すると身体の中にこもっていた熱が一気に拡散して冷却されて行く。
そして今までの身体の重さが嘘のように消えて軽くなった。
おそらく水に浸からないうちからの下降と巻きで熱中症気味だったのかもしれない。

これでだいぶ元気になって連続する渕を快適に泳いで行く。

やがて前方に大きな釜を持った10M滝。
右手のスラブから入って中間のフレークまで行けば何とかなりそうだ。
ここは私がトップを切らせてもらう。



画面右端のスラブから取り付いてフレークを快適に斜上 (ハーケン1、カム1)

取り付きのスラブが若干細かいけどハーケンが良く効いて一安心。
中間フレークからは快適だった。
後続のK君も「いいラインですねー」と満足顔だった。



弱点を突いた良いラインでした

続いては深淵の8M滝、釜の中に重機か何かの残骸が沈んでる。
ここは流芯の右手を容易に直登。



深淵の8M滝、釜に重機か何かの残骸が沈んでる

滝上には美しいナメが続いて癒やし渓、ええとこやねー。
やがて前方には3段になった連瀑が登場。

実はこの連瀑は4段なんやけど下からは3段しか見えない。
だから遡行記録とか見ても3連瀑って書いてる事も多い。
さあいよいよ核心部の連瀑帯に突入や。

【核心部4連瀑10M滝下(11:00)⇒核心部4連瀑15M滝上(13:10)⇒林道駐車地点(13:50)】 

・1段目は10M滝、情報やと左手のチムニーから登れるみたいだ。
ここも私が行かせてもらう。



核心4連瀑の1段目10M、左端のチムニーを登る (残置ハーケン1、ハーケン1、カム1)

手前の釜を胸まで浸かって近寄るも取り付きがツルツルでホールドなんて見当たりません。
でもよく見ると残置ハーケンを発見、ここにアブミを掛けて立ち込んだ。
しかし安定した場所まではまだもうちょいある。
色々探ってると何とかカムが効いた。
これでグランドは無いはず!?、少し楽になって滑ったスタンスにも余裕を持って乗り込める。
後はホールド豊富で楽な登りやった。

・2段目は20M滝、やや寝ている滝だが両岸のスラブはホールドが少なそう。
ここはK君のリードで右岸スラブにロープを伸ばす。



核心4連瀑の2段目20M、左手スラブを登攀 (ハーケン1)

中間部の一歩が気持ち悪いけどハーケンがバッチリ効いてて回収に難儀するほどだった。

・3段目は15M滝、この滝は垂直なうえにCSで守られて手が出ない。
突破するには先のスラブから逆くの字に折り返してカンテラインを登るしかない。



核心4連瀑の3段目15M、左手のカンテラインを登攀 (ハーケン2)

ここは私が行く。
カンテラインはそれ程難しくないけど物凄い高度感。
まだランニングが取れてないので登るにつれて余裕が無くなってきた。。
あたふたしながら何とかリスを見つけて浅打ちハーケン、更に一本足して立ち木でピッチを切る。



3段目、カンテラインは高度感満点!

しかしまだ落ち口までは数メートルのトラバースが残っている。
しかもこれがやっかいな事に被り気味でスタンスも乏しいんです。
下を見れば15Mまっしぐら、こんなとこで落ちたら怪我じゃ済まないだろう。



3段目落ち口へのトラバース、被りの回り込みが怖い (カム1、残置ハーケン1)

短い距離だし引き続き私が行く。
うまい具合にカムが効いて一安心だが被った岩の回り込みが怖い。
手探りでホールドを探していると錆サビの残置ハーケンを発見。
サビサビでも精神的にはめっちゃ楽になって何とか乗り越えた。

・4段目は深淵に滑り込む15M斜瀑、神秘的な釜が特徴的だがこれは登った者だけが見れるご褒美だ。



神秘的な釜を持つ4段目15M斜瀑

直登するなら左手のチムニーやけど先のピッチですっかりお腹一杯になってしまった。

K君「僕ももう満足ですー」

と言う訳で右岸のブッシュを少し登ればあっけなく小尾根に出た。
まあ今日はこのくらいって事でそのまま尾根を登って林道までは5分ほど。
ちょうど林道から谷が見渡せる地点に出た。
林道から俯瞰する景色は斜瀑が連続してて美しい、やっぱ台高の谷は素晴らしいね。



やり遂げた男の背中がカッコイイ

後は駐車地まで林道を20分、嗚呼、こんなにも楽な下山があったのかー。

今日は前半体調が悪くこりゃまったり遡行しか無理やろな・・・て思ったけど終わってみればガッツリ行ってしまった。
でもあの滝とライン見れば行きたくなりますよね。
お陰さまで充実した最高の夏休みになりました。

【こんなところに素晴らしい渓谷が!】 

時間も早かったので温泉に寄るつもりがなんと駐車場が満車、やっぱりこの時期は人が多い。
道も渋滞気味で大阪までけっこう時間がかかってしまった。

帰宅して西ノ谷の詳細を更に調べて行くと、先にもまだ廊下があって源流にも連瀑帯があるらしい。
何より不動滝も残ってるしこれはまた見に行かねばなるまい。

まさか林道からちょっと下った場所にこんなにも素晴らしい絶景があるとは!。
台高の谷の素晴らしさをあらためて実感した次第です。

同行してくれたK君と今回も無事に遡行させてくれた山の神に感謝です。



遡行図




*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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