これぞ大人の水遊び、川浦谷本流廊下遡行。

渓谷の名称
川浦谷本流廊下
山域(ピーク)
奥美濃
渓谷の概要
岐阜県の北部県境、左門岳より流れる川浦谷は「男一人をカオレにやるな」「奥美濃の黒部」「東の川浦、西の赤谷」と数々の代名詞で呼ばれており界隈では屈指の渓谷と謳われる。特に中流部の海ノ溝谷出合い付近は物凄い廊下を形成しており県下でも有数の景観を誇っている。現在は林道や遊歩道が設置され簡単にその絶景を堪能できるが、やはり谷沿いを遡行してこそ見る事が出来るこの景観は格別であろう。
コースタイム
【板取キャンプ場】 8:20(キャンプ場の吊橋下より入渓)
【海ノ溝谷出合い】 8:55(泳ぎの連続だが難しい箇所はない)
【70m廊下出口】 9:50(今回は水量が少ないので全て泳ぎ突破)
【西ヶ洞谷出合い】 11:40(難しい箇所は無いがとにかく泳ぎまくる)
【板取キャンプ場】 12:30(下山は林道でラクラク)
ポイント
【★★★☆☆(沢2/3級)】 この谷の成否は水量次第の一言に尽きる。今回のように水量が少なければ瀞場は全て泳ぎ抜けられる。天候や緊急時脱出への配慮、連続する泳ぎや冷えに対する装備等、総合的な部分を勘案して2/3級としたが、今回の条件なら遡行自体は2級程度だろう。
下 山
【★☆☆☆☆(林道)】 西ヶ洞谷出合いから少し本流を遡り吊橋跡から小道を登って林道へと出る。後は林道をテクテク30分。
装 備
一般遡行装備必携、8mm×50m、カム類、ハンマー、ハーケン、スカイフック、アブミ等を持参したが一度ロープを出したくらいで他は不要だった。流れの中でレストするならスカイフックやフィフィが便利。
お勧め度
★★★★☆
参加人数
2人
所要時間
約4時間
天候
曇り
遡行日時
2012/08/11
地形図
門原・平家岳
写真室
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:非常に滑りやすい 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:板取川温泉(600円) 《その他》:板取キャンプ場の入場料は一人500円、渓中はオロロが大量発生してた(>_<)


【昨年に続いて今年も川浦谷】 岐阜県板取川の源流に当たる川浦谷と言えば「男一人をカオレにやるな」とか「奥美濃の黒部」とか「川浦谷を歩かずして奥美濃の渓を語るなかれ」と幾つもの代名詞を持つ界隈屈指の名渓であり、その悪さにおいても県下有数のものである。昨年川浦谷銚子洞を遡行してその豪快さと美しさに魅せられた。と言う訳で今年も川浦詣でを計画、今回は川浦谷本流廊下を遡行する事にした。

メンバーはヒロッチさんと私、早朝4時に集合して入渓点である板取キャンプ場に着いたのが7時半、7時45分頃に管理人さんが来たのでデイキャンプ料金500円×2人分をお支払いしてのんびり準備を整える。今日は泳ぎ満載なので久々にウエット着用するとなんだか肩周りがキュウキュウで動かし辛い、前に着たのは確か池郷の時だったけどウエットが縮んだのか私が太ったのか?(^^;。

【板取キャンプ場(8:20)⇒海ノ溝谷出合い(8:55)】 さて出発、キャンプ場の吊橋下からすぐ入渓だけどいきなり50mの泳ぎ、ウエット&ライフで完全防備するも水温は結構低くて冷たくて一気に縮こまりました。


キャンプ場から河原に下りて イキナリの泳ぎでスタート

とにかく瀞場が多くしかも若干流れがあるので長い距離を泳ぐと疲れてしまう、いやヒロッチさんは余裕で泳いでるんで単に私の体力不足って事っしょ、まあよる年波には勝てませんって事やわね(^^;。

そんな感じで林道の橋を遥か上に仰ぎ見てヨロヨロ進むとなにやら前方にイカツイ壁が見えてきた。周囲垂直の壁だらけ、そうここが険悪なゴルジュで名高い『海ノ溝谷』との出合いである。


けっこう水が冷たいのよねー おおっ、あれが海ノ溝か!

【海ノ溝谷出合い(8:55)⇒70m廊下の出口(9:50)】 

海ノ溝は翌日予定って事でこの日は本流へと進む。この辺りからずっと泳ぎ、泳ぎ過ぎると寒いので側壁をへつろうとしても側壁はどこもかしこもツルッツル、水中から乗りあがるのにめっちゃ体力を消耗してしまう。いやヒロッチさんは余裕でこなしてるんで単に私の体力不足って事っしょ、まあよる年波には勝てませんわね(^^;。

谷は緩やかに左折して前方に何やら瀑音が、おっとこいつは見たことあるぞ、良くWeb上の写真でもみかける幅広3M滝の登場である。聞けばこの滝からが川浦の本領、ここでモタモタするようなら先の遡行は止めといた方がええんとちゃう!?って事らしい。

釜は泡だってるんで泳いで接近するんはしんどそう、んなもんで右岸の岩棚へ這い上がって様子を伺うと落ち口付近へと下っているバンドを発見、しかしホールド微妙で落ちたら洗濯機の中にダイブイン、それはちょっと嫌やなぁ(^^;、ヒロッチさんはフリーでクライムダウンしかけていたが軟弱な私の我がままで斜め懸垂での降下に切り替えてもらう。


幅広3M滝は右岸から斜め懸垂 滝上は厳しくも美しい場所

幅広3M滝を無事通過、滝上は両岸極度に狭まった深淵の廊下、右岸壁の中ほどに大きな穴が開いていて特異な景観を作り出している。廊下は長さにして50m、幅は2mくらい、今まで私が見た中では池郷中部廊下以来の神々しい景色である。この瀞場は殆ど流れもなく快適に泳ぎ抜けた。


穴と来れば黙って通る訳には! 神の作った芸術品に突入

谷は左折して今度は70m級の廊下、さっきの廊下よりも更に狭く、両岸の壁が斜め並行に競り上がってて平行感覚がおかしくなりそうだ。ここもとりあえず泳ぎ突破を図る。この廊下には若干の流れがあって前進するのはしんどいが、そんな時はジグザグ泳法と八目うなぎ作戦が効果的、つまりジグザグに泳いで流れを殺し、疲れたら側壁にスカイフックやフィフィをフックしてレストをする。これは大増水の足廼瀬廊下を遡行した時に付いた知恵、やっぱ経験って大事なんやね(^_-)。


更に狭まった廊下 ここも泳いで突破

他の方々の報告では泳ぎ切るのは難しいと書いてあったが側壁の茶色に変色した部分より数センチ下に水面があるので今日は水量が少ないのだろう、あっさり泳ぎ切って最後は右岸から左岸に瀑流を突っ切って左岸の岩棚へと導かれた。

【70m廊下の出口(9:50)⇒西ノ洞谷出合い(11:40)】 岩棚より下を覗くと5M滝が連続して釜は物凄い感じで渦巻いている。こりゃ絶対落ちたくないなぁ(^^;、見上げると林道の橋があってギャラリーがチラホラと物珍しそうにこっちを見ています。緊張するからあんまし見ないでー(*_*)。


左岸の岩棚に登って5M滝を抜ける 下は渦巻く瀑流、落ちたくないー

実のところこの日は天候の急変が予想されて直前まで入渓を迷っていた。入るなら早抜けを考えていた事もあって10時前にもう核心を抜けてしまったのだ(^^;。橋の右岸下流側には登れそうな草付きルンゼがあってエスケープするならココって感じやけど天気もまだ持ちそうなんでゆっくりコーヒーでも飲んで西ノ洞出合いまで遡行する事になる。

ゴルジュを抜けると谷幅も広がり後は泳ぐだけのお気楽遡行なはずだったが私的な核心は実はココからだった。そう雪国の谷では有名な『オロロ』の襲撃である。ゴルジュの中ではそれほど居なかったけど谷が広がると物凄い大群となって飛び回る。二人とも常時100匹くらいに集られてたんとちゃうかな!?(^^;。

今回の服装は泳ぎメインって事もありラッシュガードとタイツの上に半袖半パンのウエットを着用していたが、そうなると腿から脹脛にかけてにタイツだけの部分が出来てしまう。そこに集中砲火をくらい翌日見てみたら20箇所くらい噛まれてた(T_T)。

上下カッパで武装してるヒロッチさんは顔以外は全然平気でまったりモードだが、私の方は立ち止まるとたちまち攻撃を受けるので気が気でない、休憩のたんびにバタバタしている私を見かねてか「一気に抜けてしまいましょうか!」と言ってくれたm(__)m。


穏やかな渓相に癒される とにかく瀞が多く泳ぎまくる

【西ノ洞谷出合い(11:40)⇒板取キャンプ場(12:30)】 西ノ洞谷出合いはちょっとしたゴルジュ状だけど険悪って程でもない、西ノ洞谷も面白い渓だそうで機会あればまた遡行してみたい。記録によるとこの辺りから林道へと登る道があるはずだ。出合いから本流を少し進み最後の泳ぎをこなしたら吊橋跡のような残骸を発見、ここか?とばかりに見渡せば左岸に草深い小道が見える、そこから5分くらいの登りで林道へと導かれた。


吊橋跡から小道を登って林道へ さっきまであそこに居たんやなぁ

後は林道をテクテク歩くのみ、新深山トンネルの下流側に通行止めゲートがあって一応2012年8月31日まで通行止めなようである。帰りは遊歩道を巡って海ノ溝谷の廊下への下降ポイントを確認、再び林道を下って地形図の破線道からキャンプ場へと戻りついた。

【嗚呼海ノ溝】 キャンプ場に戻ったのが12時半、あまりにも時間が早いので河原のキャンパー達に混じって濡れた装備を干したりゴロゴロしたり、若い人達は皆さん女子連れでキャピキャピやってるがオッサン二人は明日どうするかを相談中、そう翌日は海ノ溝谷を遡行する予定なんだけど天気予報を見ればべったり雨マーク、どうします?、うーん何とも・・・、と結局結論は出ず終い。

とりあえず風呂に行って考えよって事で板取川温泉へ向かう。ここの温泉はぬるっとして湯ざわりが実に良いんですよねぇ、入浴料も600円だしなかなかの名湯だと思うのだが。で風呂から上がると予報通り雨が降って来た(T_T)、明日の予報はベタ雨やしこりゃダメやろなぁ、仕方ない帰阪しましょか・・・。

ここで反省と言うか作戦ミスだったのが10時くらいに本流廊下は抜けていた訳で、この日のコンディションとタイミングなら廊下を泳ぎ戻って海ノ溝谷に入りなおしても十分間に合ったかもしれない、もしそうしてたなら成否は別にして翌日に思い残す事はなかったのに・・・。

まあ後から言っても仕方ない、海ノ溝曰く「ワシはいつでも待ってるからまた来い」って事やろね。

いやーっ、久々の泳ぎまくり、久々のゴルジュ突破、やっぱり沢は楽しいですね。
ご一緒してくれたヒロッチさんと最高のコンディションで迎えてくれた川浦の山と谷に感謝!!。

で、帰宅して天気予報みたら雨予報消えてるし・・・(^^;。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

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