おねーさまは気難しい、柏原谷遡行!。

渓谷の名称
柏原谷
山域(ピーク)
台高(P1168m)
渓谷の概要
台高の西端に位置する白鬚岳より南に派生する尾根のP1168m付近より東に急落して北股川へと注ぐ柏原谷は下部の廊下帯、上部は息もつかせぬ連瀑、そしてその殆どが直登可能で遡行の面白みがコンパクトに詰まった良渓だ。ただし明瞭な下山道が無く読図能力が試される。
コースタイム
【三之公川出合い】 08:40
【柏原谷出合い】 09:00
【Co548m二俣】 10:00
【Co770m付近奥の二俣】 11:10
【P1168m】 13:25
【柏原谷出合い】 15:20
【三之公川出合い】 15:40
ポイント
【★★☆☆☆(沢2級)】 前半の廊下帯は特に難しい箇所も無く水と戯れながら楽しく進めるだろう。二俣からすぐの10M滝は左岸から巻いて仙道を巡る。問題となるは上部の連瀑帯、滝群の個々はそれほど難しいものでは無いが高度感がありスリップは許されない、中には滑りやすい滝もあるので慎重な行動を心がけたい。廊下に連瀑帯、赤いナメ床もあったりしてコンパクトながら遡行の面白みを味わえる。
下 山
【★★★☆☆(要読図力)】 登り出た稜線を北に進んでP1168mより東に伸びる枝尾根を下る。尾根には薄い踏み跡と古いテープが巻かれているが一筋縄には行かない降りで神経を使う。特にCo820m付近で南東側への分岐を見逃さないよう注意したい、Co650m付近からは急落となり6m程の懸垂下降を一回、その後も滑りやすい尾根上を降れば柏原谷出合いより200mほど上流の林道へ飛び出した。
装 備
一般遡行装備必携、ロープも必携、通常のルート取りなら登攀具の類は不要。
お勧め度
★★★☆☆
参加人数
2人
所要時間
約7時間
天候
快晴
遡行日時
2011/10/16
地形図
大和柏木
写真室
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:普通 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:なし 《その他》:今回はヒルを見なかったが本来は多い場所なので『居る』と思っておいた方が無難。2011年10月現在、北股川沿いの林道は三之公出合いで通行止め、少し進んだところで崩落してるが全く手付かずの状態であり復旧には暫く時間が掛かりそうだ。


【久々に北股川界隈へ】 昨今の山ブームで登山を楽しむ女性がずいぶん増えたと聞くが沢登りの世界では全くその気配が無い、いやしかし何時かは沢ブームが到来して沢も華やかになるに違いない、理想のおねーさまと出会うその時を夢見て今日も沢へと向かうのだ。

Hさんに自宅付近まで迎えに来てもらいもう通い慣れた南阪奈から吉野を目指す。今日の目的地は北股川流域の柏原谷だ。この谷は色々なガイド本等に紹介されてはいるがネット上の情報だと蛭が多いとか陰気だとか下山が悪いとかあまり下馬評がよろしくない、そんな事もあってずっと後回しになっていた谷だ。さてさて今回の沢旅はどうなる事やら。

道中の国道169号、杉の湯付近の崩落は想像していたよりも酷くまだ手が付けられていない状態だ。この感じでは復旧にかなりの時間がかかるだろう。その間は対岸道路の交互通行になる訳だが交互区間が3Kもあって1スパンに15分もかかる。交通量の多い時間帯は渋滞を避けられないだろう。

大迫ダムから筏場への道は問題なし、しかし北股林道は三之公川出合いで通行止め、まあ柏原谷まではそれほど距離も無いのでココに駐車して遡行準備を整える。

【三之公川出合い(8:40)⇒柏原谷出合い(9:00)⇒Co548m二俣(10:00)】 北股川沿いの林道を歩き始めると道が右岸に渡ってすぐの場所で崩落あり、折り重なる倒木の下を縫って先へと抜ける。これより先は土砂や倒木が散乱しており台風被害の凄さを物語っている。少し進んで右岸から入る谷が柏原谷だ。出合いは平凡でパッとしないが林道跡のような道を伝って谷へと降りた。


北股林道の倒木を潜って先へ 柏原谷出合いはパッとしない

まずは河原を進むとすぐにミニ廊下となって3M滝、快適にこなして大岩の鎮座する1M滝を過ぎれば大釜を持った2条6M滝、左手の水流沿いをフリクションで抜けたら上は廊下状、しかしそれほど圧迫感は無く水線沿いを楽しく遡って行けるところ、こんな小谷にこんな楽しい廊下があるとは嬉しい誤算である。奥まった釜に2条8M滝を見て右手から越えると廊下を抜けて明るい日差し。


2条6M滝は左手から登る 小規模ながら楽しい廊下

暫く穏やかな流れがあって左岸からの支流が10M滝をかけて合流、本谷を更に進めば赤茶けたナメ床があって美しい所、見とれて歩いていたらすぐ二俣に到着だ。

【Co548m二俣(10:00)⇒Co770m付近二俣(11:10)】 両股とも滝が多く遜色無いとの情報であったが若干水量の多い左俣へと入る。赤いナメ床を登れば前方狭まって8M滝と10M滝のお出ましだ。8M滝は右手から快適に越えるが10M滝の方は厳しそう、無理したら登れない事もなさそうだが謙虚な私達は左岸からあっさりと巻くと途中からは立派な仙道が導いてくれた。


二俣手前の赤茶けたナメ床 10M滝は左岸から巻いて仙道を伝う

滝上は更に赤ナメが続いていて美しい渓相、一旦はゴーロとなって右岸に斜瀑の支流を見送って進む、地形図で見ると傾斜が緩く凡流を想像したが意外もミニ廊下状で5M滝6M滝と楽しませてくれる。更に右岸に2段25M滝を見れば高度もいつしか750mを越えて奥の二俣に到着だ、水量は同じくらいだが左俣はゴーロ、右俣は3段30Mの連瀑となって傾斜を強めている。


ミニ廊下の5M滝は直登勝負 続く6M滝、Hさんシャワーで突破

【Co770m付近二俣(11:10)⇒P1168m(13:25)】 さて右に行くか?左に行くか?、谷床の状況から見れば左俣が本流だと思うけどガレた感じだし地形図を見ても源流でコンタが詰まっているのでボロボロかもしれない、「じゃあ右俣に行きましょう」Hさんの決断で右俣に決定。まずは3段30Mを登るのだが、確かにホールドスタンス共に多くて快適っちゃあ快適やけどこの高度感ではお気楽モードって訳にも行かない、スリップしたら確実に下まで行ってしまうのだから(^^;。


奥の二俣は右俣へと入る この3M滝は意外と嫌らしく左岸巻き

ここから先は滝の切れ目が判らないくらいの連瀑で全く緩みが無い、個々の滝達はそれほど難しい物では無いがスリップは許されない場所だ。途中黒い岩肌の3M滝がちょっと嫌らしく左岸を巻いたら草付き斜面に阻まれてワンポイントの懸垂で谷に戻る。こいつは強引に登った方が楽だったかもしれないなぁ。滝はまだまだ続いて細流の10M滝、これも左岸から巻き越える。

奥の二俣からかなりの連瀑をこなして来たがまだ傾斜は緩まず雫の12M滝が行く手を阻む、ここは右岸に入るルンゼを回り込んで滝上へと抜けた。これでようやく連瀑帯を抜けた感じで広い斜面に青空とブナ林が目に沁みる。すぐに水も切れてガレ谷へと変わるので左岸の暖傾斜に取り付いて斜面を喘げばCo1120m付近の稜線へと登り着いた。


連瀑を越えて源流部へ 詰めは美しい自然林の登り

【P1168m(13:25)⇒柏原谷出合い(15:20)⇒三之公川出合い(15:40)】 登り出た稜線を北に進めばすぐにP1168m、ここから東に伸びる尾根を下るのだが実はこの尾根が一筋縄では行かないらしい、今回の遡行を纏めるためにもここは綺麗に攻略したところである。

P1168mからの尾根上には薄いなが踏み跡とかなり年代物のテープが巻かれてある。なだらかな尾根を徐々に高度を落としCo940m付近の分岐は右尾根をチョイス、更に降るがCo900m付近まで来るとテープを見なくなった。構わず進んでCo820m付近で南東へと進路を取る。上手くすればこれで出合い付近へと導かれるはずだ。ところがCo650m付近で前方スッパリ切れた崖の上に出てしまった(^^;。

北側には植林尾根が見えるのでトラバースも考えたが崖下を覗くとまだ尾根が続いてそうである。ここは一発懸垂下降で強引に下降、そこからも急傾斜だがまだ歩けるくらいで立ち木を頼りに転がるようにして降りた。やがて植林に覆われると傾斜も緩んでCo460m付近で北股林道へと飛び出した。


P1168mここから枝尾根を東進する Co650m付近で崖の上に出てしまった

予定していた「出合いドンピシャ」とは行かなかったけど誤差200mくらいなんでまあ上出来な部類だろう。それにしても今日出会った下山のおねーさまは噂に違わぬ気難しい尾根ー様であった。最後は荒れた北股林道をダラダラ歩いて三之公出合いへと戻り着いた。

【下山考察】 ここで下山時の疑問を少し考察してみたい。P1168mから東に派生する尾根上には薄い踏み跡と古いテープが多数巻かれているがCo900m付近を境にして全く見なくなった。あの数と丁寧さからして単なる踏破跡として巻いたものでないだろう。と、すればどかに繋がっている可能性があるのではないか!?。

ジシャクラ谷の右岸には比較的しっかりした仙道があって両者が繋がっていると想像するならCo900m付近の植林が絡む辺りから北側斜面に降りていると仮定出来ないだろうか!?、もちろん実際に確認した訳ではなく推測での話だが古の道に思いを馳せて巡るのも一興かもしれない。

今回も充実した一日をご一緒してくれたHさんと台高の山々、そして気難しいおねーさまにも感謝。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。

さわナビ会議室(patio)
さわナビ倶楽部(club)


- Copyright (c) 2000-2011 SawaNavi All rights reserved -
Produce by KAME