小粒でもピリッと楽しい五田刈谷遡行。

渓谷の名称
五田刈谷
山域(ピーク)
大峰
渓谷の概要
大峰の南部、転法輪岳より東へ流れて北山川へと注ぐ五田刈谷は、あまり広くない流域面積ながら水量も豊富であり、谷中は予想外と言ってもよい程の深い廊下が横たわる。泳ぎ、登攀、へつり、巻き、遡行の醍醐味を満喫出来る秀渓と言えるだろう。下山に関しても、林道と仕事道を組み合わせる事によって時間短縮が可能なのも魅力的である。
コースタイム
【駐車地(第一支流付近)】 07:40(二つ目の橋を渡った所から谷へ降りる)
【2段8M滝上】 09:25(8M滝と続く2段8M滝は泳いで直登)
【2条8M滝上】 11:05(2条8M滝は左岸を立ち木頼りのトラバース)
【Co580m付近二俣】 12:15(一旦右俣に入って25M滝を巻く)
【Co630m付近二俣】 13:00(崩壊した小屋跡を見れば遡行終了)
【P734m尾根の転換点】 14:00(転換点で林道を捨てて尾根を下る)
【駐車地(第一支流付近)】 15:00(最後は林道をのんびり歩く)
ポイント
【★★★☆☆(沢3級)】 最初のゴルジュ、8M滝は釜を泳いで流芯の右手横を直登、続く2段8M滝も釜を泳いで左手から流芯を直登する。巨岩帯をパズルを解くように抜けて、美しい10M滝から次のゴルジュに入る。その10M滝は右岸の植林帯を巻き越えて、右手からルンゼの合わさる8M滝は左岸を立ち木頼りのトラバースで抜ける。Co580m二俣に懸かる2段25M滝は一旦右俣に入ってから巻き登る。これで核心部は終り、小屋跡から林道へと登り出た。
下 山
【★☆☆☆☆(林道+仕事道)】 下山は登り出た林道を暫く伝い、P734mのある尾根の転換点から林道を捨てて北北東へ伸びる尾根を下る。尾根には比較的明瞭な仕事道があって忠実に辿ればCo490m付近で再び林道に出合うはずだ。後は林道をのんびり歩いて駐車地へと向う。
装 備
一般遡行装備必携、ロープも必携、念のために登攀装備もあった方が安心出来る。
お勧め度
★★★☆☆
参加人数
2人
所要時間
約7時間半
天候
晴れ
遡行日時
2009/06/07
地形図
池原
写真室
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:滑り易い 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:きなりの湯(600円) 《その他》:09/06/07日現在、池郷林道は崩土により通行止めであった。


【今週は大峰の谷へ!】 入梅も間近で貴重な晴れをどうするか、今週は直前になって快晴予報に変わった。ならばやっぱり沢である。今回は何となく大峰の谷へ行きたくなって色々思案、まだ知らない界隈って事でチョイスしたのが北山川水系で西ノ川上流に当る五田刈谷、さあ今回はどんな景色で出迎えてくれるのか!?。

前夜に大阪を発って池原で小宴、早朝より移動して五田刈林道に入ったのは7時過ぎ、比較的整備された林道をどこまで入るのか思案したが、情報の無い地道を突っ込むのも怖かったので最初の支流を渡る手前の広場に駐車した。

【駐車地第一支流付近(7:40)⇒2段8M滝上(9:25)】 まずは15分ほど林道を歩いて次の支流に架かる橋へ到着、上流側は連瀑、下流側はコンクリートで固められた谷である。この辺りから入渓する予定だったし、橋の袂には広場があるのでここまで車で入った方が良かっただろう。


第二支流の橋付近から入渓 明るいゴーロはすぐに廊下へと変わる

入渓はその橋を渡った広場の奥に古い切り開きを見つけて下降、降りた場所は苔むすゴーロで中々の雰囲気である。少し進んで2M滝を越えると明るいゴーロ、しかしすぐに両岸迫って長細い釜の奥に2条3M滝を懸ける。ここは右手をへつって抜けた。


2条3M滝より廊下の様相となる 綺麗な渕は濡れて進みましょ!

右岸から25M滝となって落ちる支流を見て美しい渕が連続する。思い切って水に入ると腰くらいまでの徒渉で楽に進めるだろう。やがて目前に廊下の奥に落ちる8M滝が登場、釜は深いし両岸も高い、巻くなら大高巻きは必至である。ここはイッチョ直登するか!?、ロープを付けて釜に飛び込んで泳ぐ、今年最初の釜泳ぎだ。「うひょーっ冷たいやん〜」、流芯に取り付いてシャワーを浴びながら流れの右手を登り切る。この登り自体はホールド豊富で容易なものであった。が、寒い(^^;、快晴の空も廊下の底では日が射さず、後続の忍さんを確保している間震えが止まらなかった。


8M滝は釜を泳いで直登 シャワーだがホールドは豊富

そしてお次は2段になった8M滝、こいつも両岸高くやっかいな感じである。暫く迷ったが不安定な斜面を巻くよりも直登の方がマシだろう、ここも釜を泳いで流芯の左手に取り付き中央を登って突破、一段目抜け口のホールドが細かい上にプロテクションも取れないが、まあ落ちても釜なので危険度って意味では薄いだろう。でも寒い(^^;、快晴の空も廊下の底では日が射さず、後続の忍さんを確保している間震えが止まらなかった。


2段8M滝も泳いで直登 冷たいけど楽しい登りであった

【2段8M滝上(9:25)⇒2条8M滝上(11:05)】 滝上前方はすんごいゴルジュ、特に右岸の壁が素晴らしい、でも滝は無く大岩が鎮座する感じ、そんな中をパズルを解くように右へ左へ交わして行く、巨岩の隙間を落ちる6M滝は一見袋小路な感じだが左手隅から巨岩の隙間を登って植林帯へと抜ける。

これで一旦廊下はお終い、でもすぐに右折して10Mの美瀑を懸ける。ここは少し戻って右岸の植林帯から巻いた。次はすぐにどん詰まりな2条8M滝、2条と書いたが本流が2条では無く、本流の太い水流が一本、左岸からルンゼの細流れが同じ釜に落ちており、他の8M滝との区別で表現的に2条としたまでである。

この滝も両岸高くやっかいな雰囲気、右岸は植林で弱点っちゃあ弱点なんだが、壁は高くどこまで巻かされるか判ったもんじゃない、ここは強引に左岸のヘツリで突破を試みた。まずは気の根を頼りに数メートル登ってバンドを立ち木頼りのトラバース、ピッチを一旦切ってルンゼに降下、もう一度ロープを付けて落ち口へと接近する。最後の回り込みはしっかりした木の根があるもののブルッと来る高度感であった。


美しい10M滝は右岸から巻いた 次の8M滝は左岸を立ち木頼りで抜ける

【2条8M滝上(11:05)⇒Co580m付近二俣(12:15)】 滝上は綺麗なナメが走る別天地、そして両岸またも凄い壁である。こりゃ巻いてたら谷には戻って来れなかったかもしれない(^^;、またも巨岩の鎮座する中でパズルを解いて行く、時おり出てくる5Mから8Mの岩間滝は、一見どん詰まりに見えても必ず抜け道があるので心配無く、巨岩が行合状に狭まった空間を抜けて、その裏にある3M滝をシャワーで登りCS8M滝の右手大岩を巻けば長かった廊下も終わって陽射しが照らす。あったかい〜って事で大休憩となった。

【Co580m付近二俣(12:15)⇒Co630m付近二俣(13:00)】 休憩後、しばらく進むと不意の大滝の轟音、ここは二俣になっており右俣は平凡な河原、左俣本流は壁の立つ2段25M滝と言うなんとも妙な地形である。ここは一旦右俣に入り、木の根と踏み跡を巡れば容易に滝上へと導かれる。谷への下降は5m程の懸垂をしたが、下から見ると懸垂する程の斜面でも無かった(^^;。


こんな感じの滝が多い 2段25M滝は右俣より容易な巻き

滝上はすっかり穏やかになって釜を伴った小滝が続いている。日本庭園みたいで心休まる場所だ。のんびり歩けば、右岸に無粋なコンクリート、ん?と見上げれば崩壊した小屋の鉄骨があり、その先で右岸から小さい支流が入っている。谷には真新しいピンクのテープや指標の杭が打ってある。情報ではこの先は平凡みたいなので、ここで遡行を打ち切る事にした。

【Co630m付近二俣(13:00)⇒P734m尾根の転換点(14:00)⇒駐車地第一支流付近(15:00)】 二俣から右岸の支流に入るとすぐに堰堤、左手にはまだ現役と思われる導水管があって踏み跡もある。これを巡るとすぐに林道へと飛び出した。林道は遮るものが無く陽射しサンサンで暑い、さっきまで寒い寒いと言ってたのにねぇ〜(^^;。

下山は林道を暫く歩いてP734mのある尾根を回り込む地点から北北東へ伸びる尾根へと入る。尾根には比較的明瞭な仕事道があって時おりテープ類もある。外さないよう忠実に辿ればCo500m付近で林道が見えた。そのまま尾根を行くと切り開きの崖になってる事が多いので最後は右手の植林へと逃げ込み林道へと下り着いた。後は林道をダラダラ歩いて駐車地までは20分。


小屋跡を見て遡行終了 尾根には仕事道がある

【小粒でも大満足だった五田刈谷】 五田刈谷はそんなに期待して入った訳でも無かったが、中々どうして素晴らしい渓谷であった。特にゴルジュが発達しており適度な緊張を伴う楽しい遡行となった。良く考えれば池郷界隈の南隣りだし良渓なのも頷ける。

最後はきなりの湯で汗を流してスムーズな帰阪となった。本日も一緒に遊んでくれた忍さんと自然に感謝。m(__)m



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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