一番近い南紀?、尾川川の赤倉谷遡行!。

渓谷の名称
赤倉谷
山域(ピーク)
南紀(丸尾山)
渓谷の概要
南紀東部、北山川水系の尾川川上部にあたる赤倉谷は、熊野市街からも見える丸尾山、久留米木山辺りの水を集めて西走する谷である。主稜線の標高は800mくらいと低山の部類に入るが、谷は巨瀑とナメで構成されていて界隈の特徴を良く出している。付近には大丹倉の絶壁や雨滝等の見所もあるし、車利用なら大阪から意外と近く手軽に南紀の雰囲気を味わえる点も魅力的だ。
コースタイム
【一ノ水林道起点付近駐車地】 08:00(出合い付近は工事で荒れていて注意)
【二ノ滝下】 09:05(一ノ滝は右岸、二ノ滝と三ノ滝は左岸巻き)
【Co560m付近三俣】 10:00(右俣に入るとナメ床が連続)
【丸尾山】 11:25(一ノ水峠への登山道は荒れ気味)
【一ノ水峠】 12:20(熊野古道の石畳も付近伐採で味気無し)
【一ノ水林道起点付近駐車地】 13:30(最後は40分程の林道歩き)
ポイント
【★★☆☆☆(沢1級+)】 技術的に問題となる箇所は無いだろう。二ノ滝は左岸のルンゼから巻くがテープ類が多く踏み跡もはっきりしているので容易である。三ノ滝も左岸から植林斜面を登れば立派な登山道に合流する。源流の詰めは若干藪っぽいが周囲は植林なので適当に尾根へと逃げれば問題無いだろう。見所は2本の大滝と南紀特有のナメ床群。
下 山
【★★☆☆☆(登山道あるが・・・)】 下山は丸尾山から一ノ水峠へと進み、一ノ水林道を経て駐車地へと戻った。丸尾山から一ノ水峠までは登山道が通じているものの不明瞭な箇所も多くテープ類が頼りとなる。また付近は伐採の最中であり、稼動中の機材やケーブル類もあって不意に近付くのは危険だ。一ノ水峠には熊野古道が通じており古の交通要所であった。私も歴史浪漫を求めてこの道を下ったが、確かに石畳は保存されているものの周囲は伐採済みで丸坊主、はっきり言って浪漫に浸れる状況には無い。
装 備
一般遡行装備必携、ロープは持参したが使用しなかった。
お勧め度
★★★☆☆
参加人数
2人
所要時間
約5時間半
天候
晴れのち曇り
遡行日時
2009/05/23
地形図
七色貯水池・木本
写真室
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:やや滑り易い 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:きなりの湯(600円) 《その他》:超久々に『中華料理の仁』で夕飯を食べた。この店は長らく移転していて、最近また元の場所(169号沿い吉野町付近)に復活したのだが、味やボリュームは以前と変わらず美味しかった。


【日帰りで南紀の谷へ!】 今週は特に予定も決めずレストしようかなと思っていたが、土曜の晴天予報を知って急遽沢行きを企画した。南部ほど陽射しに恵まれるそうでチョイスしたのは南紀、そして日帰りで行ける場所って事で尾川川の赤倉谷とした。この赤倉谷は地形図にも記載のある三ノ滝を懸ける谷で、今回はどんな景色を見せてくれるのか期待が膨らむところである。

面子はクラでの急なお誘いにも賛同してくれた『忍(しのび)さん』と私、早朝大阪を出て169号を南下、7時半くらいには出合い付近に着いていた。この界隈は今まで行き難い場所であったが不動トンネルのお陰でずいぶん近くなった。これなら下北山界隈とそう変わらない。

【一ノ水林道起点付近駐車地(8:00)⇒二ノ滝下(9:05)】 出合い付近は工事中で車両の出入りが多く駐車は厳しい感じ、少し赤倉集落の方へ戻って一ノ水林道の起点となる三叉路付近に駐車、準備を整えて出発した。

出合いの工事現場は作業中で入り口が判らずウロウロしていると現場の方が「資材の裏に道があるんです」と教えてくれた。山積みになった資材と木材を越えて草深い山道を巡る。恐らくこれが三ノ滝への登山道だと思うが、すぐに山手へと登って行くので適当な場所から谷へ降りた。谷中は南紀特有の丸石のゴーロ、明るい谷筋だが左岸は伐採されて味気無い(^^;。


一ノ水林道起点に駐車した ゴーロの奥に堰堤が見える

まず最初に現れる堰堤は右岸の間伐林の間を抜けて巻き上がる。一旦伏流気味になるがすぐに流れが戻って右岸に第一支流を見送る。少し支流へ入った場所に立派な道標があるので登山道はここに降りてきているのだろう。谷は薄暗くなって前方には滝の気配、一ノ滝である。やや雑然とした感じの15M滝だが奥には二ノ滝の長瀑も臨まれて悪くない雰囲気だ。

この滝は右岸の岩壁を回り込むように登って行けば先の登山道へと出て滝上へと抜ける。目の前には6M滝が涼しげに落ちているが左右どちらでも突破が可能だろう。そこから二ノ滝までは大岩の隙間をパズルを解くように交わして行く。


まずは一ノ滝がお出迎え 次の6M滝は左右どちらでも行ける

【二ノ滝下(9:05)⇒Co560m付近三俣(10:00)】 すると突然に二ノ滝が目の前に現れる。落差は40Mくらい、天から羽衣を垂らしたように滑り落ちる優美な滝だ。あまり遡行の話題にも上らない谷だし、滝屋さんの間でもそんなに有名じゃないのでもっとショボイ滝かと思っていたが、中々どうして、一枚岩が見事な南紀特有の素晴らしい滝である。

釜は浅くてちょっと泡だっているのが残念だが、しばし見とれて休憩タイムとなった。さて突破だが、地形図でも判る通り右岸側は高い壁が続いててやっかいな感じ、ここは左岸に入るルンゼから巻き上がる事にした。ルンゼにはテープ類が多くあって踏み跡もある。植林混じりの斜面まで来れば後は適当の尾根を跨いで対面に降りた。降りた場所はナメ床の広がる絶景の落ち口、素晴らしい高度感でまさに天上の別天地であろう。


絶景の二ノ滝を見上げる 滝上はナメ床の広がる絶景空間

ナメ床を少し進むと周囲は大きく開けて、今度は三ノ滝の登場だ。この滝はワイドな一枚岩を深く掘り込んで落ちる樋状滝で、落差は25Mくらいながら二ノ滝よりも存在感がある。釜も深くて大きく真夏なら迷わず飛び込むところだろう。


三ノ滝はインパクト抜群の滝 釜も深くて大きくて素晴らしい

三ノ滝の攻略は左岸の踏み跡から取り付いて植林混じりの斜面を攀じる。コンタで50mも上げれば立派な登山道に合流するので、取り付きの道をそのまま巡っても同じところに出るのかもしれない、後は尾根の鼻を落ち口方面へ向っていけばピッタリ滝上に出てくるだろう。ここも二ノ滝上に負けないくらいの絶景空間、すぐに三俣があって一つの釜に三つの流れが合流している。


美しいナメが合流するCo560mの三俣 右俣のナメを快適に進む

【Co560m付近三俣(10:00)⇒丸尾山(11:25)】 三俣の水量比は左手から1:3:2くらい、中俣が本流と思われるが丸尾山に直接突き上げる右俣をチョイスする。右俣は快適なナメ床をどんどん進む、南紀独特の舗装路のようなナメである。Co600m付近の二俣まではそんなナメ床が断続的に続くので気分も上々である。

Co600m付近の二俣は右俣へ進む、苔むしたゴーロの登って行く、流れもめっきり減って単調な遡行となるが心地よい風が吹いてきてなんだか涼しい、それほど暑さを感じる事も無くどんどん登ってCo690m付近の二俣は左俣へ入る。水も殆ど枯れて藪っぽくなるので右岸の尾根にコルが見える地点で谷を離れて尾根に登る。この尾根には明瞭な切り開きがあって一直線に登っている。これを伝えば丸尾山の少し北側稜線へ飛び出した。


苔むしたゴーロを登って行く 丸尾山は穏やかで静かなピーク

【丸尾山(11:25)⇒一ノ水峠(12:20)⇒一ノ水林道起点付近駐車地(13:30)】 丸尾山は東側斜面が今まさに伐採中と言った感じで丸裸、重機の音が山中にコダマしている。山頂はあまり展望の無い静かなピークだが熊野灘から水蒸気を含んだ雲が湧き上がってきており真っ白け、じっとしていると寒いくらいである。休憩もそこそこに先を急いだ。

下山は丸尾山から南南東に伸びる尾根を伝い一ノ水峠から一ノ水林道へ下る予定だ。少し遠回りな感じもするが、実は一ノ水峠には熊野古道が通じており古の交通要所であったようである。現在でも一部石畳が残っており古の浪漫を求めて歩きたかったのだ。

丸尾山からの尾根道はテープ類は多くあるものの全体的に不明瞭で主尾根を外さないように注意したい。さらに伐採作業のケーブル類が道に沿って延びており、それが突然動き出したりするもんだから結構怖い、何回かケーブルを潜ったりする箇所もあるので注意が必要だろう。


ケーブル類が突然動き出す(@_@) 古道の石畳は面影のかけらも無い

一ノ水峠にはお地蔵様が鎮座して古道であった事を感じさせるが周囲は伐採済みで丸坊主、古道も石畳が残っているのだが、この景色では面影も何もあったもんじゃない、古に思いを馳せる事も無く淡々と下って一ノ水林道からは舗装路を歩いて駐車地へと辿り着いた。

【今日も良き沢旅でした。】 赤倉谷はあまり記録の無い谷であったが三ノ滝の絶景は一見の価値があると思う。難しい箇所も無いし大阪から意外に近いので、最短で南紀の雰囲気を味わうのにもってこいだろう。


大丹倉の絶壁 久々に中華の仁で満腹

帰りの道中には300mの絶壁は聳える大丹倉や神秘的な雨滝、蝶の羽根岩等の見所もあって時間に余裕があるなら寄るのも一考だろう。最後はきなりの湯で汗を流して、超久々に最近復活した『中華の仁』で夕飯を食べて帰阪の徒についた。今日も良き一日に感謝。m(__)m



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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