武庫川渓谷の向こう側に眠る幻の大滝、奥ノ溝谷遡行。

渓谷の名称
奥ノ溝谷
山域(ピーク)
北摂
渓谷の概要
『奥ノ溝谷』その名前を知る人は少ないかも知れない。宝塚から武田尾に至る山域を深く浸食してV字峡を作る武庫川渓谷、その左岸には聳え立つ岩壁と共に急落する幾つかの谷が見られる。奥ノ溝谷はその中でも最も険しい部分に位置しており武庫川渓谷の核心部と言える谷だろう。その渓相は溝状の連瀑に幻の大滝を秘める物で古くは岳人のトレーニング場として親しまれたそうだが、ゴルフ場開発によって寸断され現在では忘れ去られた谷となってしまったようだ。
コースタイム
【JR宝塚駅】 09:05(県道33号塩瀬宝塚線はダンプが多く注意)
【長尾山霊園】 09:50(霊園のロータリーを越えた辺りから下降)
【口ノ溝谷出合い】 10:35(武庫川左岸は岩場のへつり有り)
【奥ノ溝谷出合い】 11:05(出合いから連瀑帯)
【大滝上】 11:40(大滝は直進するルンゼから巻き登る)
【あかまつ展望台】 13:20(酷い藪漕ぎの末にようやく辿り着いた)
【エントランス広場】 13:50(一般ハイカーに混じって廃線歩き)
【JR武田尾駅】 14:20(結構疲れました。)
ポイント
【★★☆☆☆(沢2級)】 武庫川左岸は口ノ溝谷出合いから奥ノ溝谷出合い間に二ヶ所の岩場トラバースがある。それ程難しいものでは無いが絶対に落ちたくない(^^;。奥ノ溝谷に懸かる大滝は単身で応接できる代物じゃない、正面突破するならそれなりの心構えが必要だろう。今回は直進するルンゼから巻き登り小尾根を越えて滝上に出たが急斜面な上に不安定で苦しい巻きだった。
下 山
【★★★☆☆(藪漕ぎ)】 最大の核心は遡行が終わってからどうルート取りをするか、谷を最後まで詰めてしまうと『スポーツニッポンゴルフ場』に出てしまうのでゴルフ場のグリーンが見える手前から適当な斜面を北側に向かって西ノ谷沿い遊歩道を目指したが、これが酷い藪で四苦八苦の末に『あかまつ展望所』付近に飛び出した。そこからは整備された遊歩道で武庫川沿いのエントランス広場を経てJR武田尾駅へと向う
装 備
登山靴でも可能だが沢靴の方が機動力があって動き易いだろう。ロープは下降用に持参したが使用しなかった。大滝を狙うなら相応の装備が必要になろう。
お勧め度
★☆☆☆☆
参加人数
単独
所要時間
約5時間
天候
晴れ
遡行日時
2008/04/12
地形図
武田尾
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:滑り易い 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:無し 《その他》:かなり臭くなるので電車移動の場合は着替え必須?(^^;、時間が許すなら武田尾温泉に立ち寄り可能な旅館がある。


【残った昼特】 晴れの土曜日、どっか行きたいな〜と思って財布を覗くと未使用の昼特キップ(大阪⇒宝塚)が2枚出てきた。これは冬の不動岩詣でにと買っておいたものだが見れば期限が4月17日までとなっている。こりゃ急いで使わないと勿体無い(^^;、さてさてどうしたものか!?。

宝塚までのキップなので武庫川廃線でも歩くかと思ったが普通に歩いても面白く無い、今週は雨の日が多かったので小さいルンゼでも水量が多いと予測、ならば武庫川左岸『奥ノ溝谷』に眠ると言う幻の大滝も大迫力に違いない。

奥ノ溝谷は武庫川渓谷のちょうど真ん中くらい、一番急峻な部分に急落する谷で、通常廃線敷きから歩いて来ると『北山第二トンネル』を通過するお陰で見ることが出来ない。大滝に関してはトンネル南側から遠望する事も可能だが普通は水量も少ないし知らない人も多いのではなかろうか!?。よっしゃ!ここは一発間近で拝んでやろう!!。と言う訳で宝塚から武庫川左岸をトラバースして奥ノ溝谷遡行に決定、最後まで詰めてしまうとゴルフ場に出てしまうのが難点やけどまあ何とかなるっしょ。いざ武庫川の向こう側へ!!(^^;。

【JR宝塚駅(9:05)⇒長尾山霊園(9:50)⇒口ノ溝谷出合い(10:35)】 JR宝塚駅に降り立ったのは9時過ぎ、イナロクを西へ歩いて県道33号(塩瀬宝塚線)を北上するがこの道はダンプの通行量が多くて空気が悪い、惣河谷支流出合いを右手に見て長尾山霊園への分岐を左折するとようやくまともな空気になったが窒息しそうだった(>_<)。

地形図によると長尾霊園のロータリーを過ぎた辺りで左手の斜面を下れば武庫川左岸に辿り着けるはず、古い記録によると道があるそうだが今どうなってるかは定かで無い。下降ポイントと思われる場所に踏み後は無かったので適当に斜面を下って谷を伝うと道が出てきた。しかも石組みの階段とかあって割と立派な道である。堰堤の巻きには真新しいFIXロープ、そうかここは新岩へのアプローチなので現在でも利用されてるようだ。


下降路には階段やFIXもあり 新岩は今でも利用されてる?

新岩を右手に見て谷を下るとすぐに武庫川の流れが見える。水量はめっちゃ多い、これなら期待出来そうだv。次は武庫川左岸をトラバースしながら上流へ進む、部分的に藪が覆ってるもののここにも石組みの道型があった。最初に流れ込んで来る谷は『口ノ溝谷』、奥に連瀑が見えたので少し寄り道してみた。この谷も古くは遡行対象だったらしく何れ調査してみたい。


水量多い武庫川左岸を進む 口ノ溝谷、出合い付近の滝

【口ノ溝谷出合い(10:35)⇒奥ノ溝谷出合い(11:05)】 口ノ溝谷出合いから奥ノ溝谷出合いまでは距離はそれ程でもないが壁の立っている箇所が多く水線沿いトラバースを余儀なくされる。シビアなヘツリじゃ無いけれど武庫川の流れは速いし深いし汚いので絶対落ちるのは嫌だ(^^;。途中背後に視線を感じて振り向けば対岸の廃線敷きに50人位の人だかり、何か水鳥でもいるんやろか?と思ったらどうやら私のヘツリを見守ってる模様(^^ゞ、あの〜見られると緊張して余計に落ちそうなるんですけどぉ〜。足早に抜けると対岸が『北山第二トンネル』に入ってようやく視線から開放された。そこから奥ノ溝谷出合いまではすぐ。


対岸の視線が核心のヘツリ部分 溝状の連瀑で構成された奥ノ溝谷

【奥ノ溝谷出合い(11:05)⇒大滝上(11:40)】 谷はその名の通り出合いから細い溝状の連瀑となって傾斜を強めている。2M、3M、8M斜瀑を直登して6M直瀑は左手を絡んで越えた。谷は90度左折して10M滝、その上に天から滑り落ちるような大滝が出現する。落差は2段50M、前衛の10M滝を含めると60M以上の落差を誇る。休日ともなればハイカーで賑わう武庫川渓谷に人知れずこんな大滝が眠っているとは全く驚きである。


8M斜瀑は楽しく直登 6M直瀑は左手を絡んで登る

で、大滝の処理だが両岸を囲むように100m近い岩壁が張り巡らされていて単独での接近は難しい、前衛10M滝も含めて正面突破するならちゃんとしたメンバーと登攀装備が必要だろう。仕方無いので直進するルンゼに活路を求めたが、こことて5M、5M、10M滝と続いており更に不安定は岩質では気が抜けない、本来ならロープを出してもおかしくない斜面だが単独なのでそれも叶わない。ズルズルと崩れる急斜面を細いブッシュ頼りに慎重に高度を上げて壁の緩くなった所で折り返す。小尾根を越えるとすぐ下に流れが見えたので上手く大滝を巻けたようだ。


前衛10M滝の上に大滝が迫る 2段50Mは隠された幻の大滝だ

【大滝上(11:40)⇒あかまつ展望台(13:20)】 大滝上は一瞬普通の流れがあってまたすぐに連瀑を迎える。5M、8M、こいつらも単身で取り付くには厳しそうで右手から巻いた。巻きの途中に上方を見れば明るく開けた様子でもうゴルフ場が近いのかもしれない。滝上はすっかり大人しくなって余韻を残す3M滝を越えたら完全に小川状となってしまった。


8M直瀑は右手から巻いた 最後の3M滝を越えたら小川状

実はここからが今回懸案してた部分なのだが奥ノ溝谷は最後まで忠実に谷を詰めた場合ゴルフ場のド真ん中に出てしまう。それは流石に問題があるだろう。さてどうするか・・・、南に進むか、北の進むか、どちらにしてもゴルフ場の位置を視野に入れながら山中をトラバースして行くしかないだろう。暫く悩んだが『安倉山』や『西ノ谷』など地形感が若干ある北側を目指す事にした。

谷が北東を向く地点で流れを捨てて北側の斜面に取り付く、尾根状に出ればシダの藪中に薄い踏み跡、自然とこれを伝えば前方にグリーンの芝生が見えた。やばい、ゴルフ場に出てしまう(^^;、ここから踏み跡を捨てて背丈以上の藪へ突っ込んだ。地形図で位置を確認しながらゴルフ場との境界辺りを北に進むが地面にはゴルフボールが一杯落ちている。全部拾えばザック満杯になるんちゃうかな〜(^^;。暫く悪戦苦闘しながらガサガサやってると近くで人の話し声、勿論ゴルフ客なのだが向こうも気配に気付いたらしく不安がってる様子。やばいな〜、熊とかと間違えられて大事になったら嫌やし速攻で標高を下げる。藪は茨交じりでもう腕とか傷だらけだ。ようやく静かな場所に辿り着いたが今の騒ぎでヘロヘロになってしまった。

うーん、これからどうしよう・・・、これ以上ゴルフ場側には寄れないし今のラインで安倉山に出るならまだ幾つもの小尾根を越えて行かねばならない、武庫川側は壁があるので使えないし困ったものだ。考えても進まなきゃ解決しないのでゆっくりと北へ向う、小尾根は総じて南斜面が藪、北斜面は雑木林となっているがこれは日照時間の影響によるものだろう。何度かのアップダウンを繰り返して湿地状の場所(恐らく地形図P351mの東南東付近)に来るとはっきりした踏み跡が現れた。これは行けるか!?、天佑とばかりに進めば見覚えある遊歩道『遠見の道』、あかまつ展望台辺りに飛び出した。


ゴルフ場を避けるべく藪に突入 やっと見覚えある道へ出た

【あかまつ展望台(13:20)⇒エントランス広場(13:50)⇒JR武田尾駅(14:20)】 展望台は景色も良くやっと娑婆に帰れた気分だ。のんびり遅い昼食を食べて山道を下って行くと何組ものハイカーとすれ違う。さっきまでは藪の住人だったがここは別天地、このギャップが何だか奇妙に思えて笑えてくる。どんどん下ってエントランス広場まで来れば満開の桜、ここでドロドロになった沢装備を解いて一般ハイカーに変身、後は廃線敷きを武田尾へと急いだ。


ここで一般ハイカーに変身 満開の桜が出迎えてくれました

【結構疲れました(^^;】 思いつきのお気楽モードで考えた武庫川の向こう側を巡る奥ノ溝谷遡行やったけど、いやー思ったより疲れましたわ(^^;。武庫川の廃線敷きはいつも多くのハイカーで賑わう人気スポット、そのすぐ横にありながら殆どの人に知られる事もなく忘れ去られた幻の大滝、その迫力、攻略の厳しさ、どれを取っても大渓谷の相をなす素晴らしいものだった。惜しいのは水質が最悪クラスな事、もし清流ならば都市近郊の秀渓になっただろうに残念だ。

道場の『百間谷』と共に失われた自然環境の回帰を願うばかりである。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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