成功!池郷川!!《大又谷出合い〜横手小屋谷》

渓谷の名称
池郷川
山域(ピーク)
大峰
渓谷の概要
『一に池郷』『二に白川又』『三に前鬼』『四に四ノ川』と呼ばれるように池郷川は大峰東面、否、関西屈指の大渓谷である。釈迦ヶ岳から涅槃岳東面の広い流域面積から流れる圧倒的水量は山腹を深く削り悪絶の廊下が延々と続く。その遡行は困難を極め、泳ぎ、登攀、ルート取り、全ての面で高度な技術が要求される関西最強の谷として君臨している。今回は上部核心と呼ばれる大又谷出合いから横手小屋谷までを遡行した。延々と続く瀞に悪絶の滝、厳しくも美しい情景は神の創造した神秘の世界と言えるだろう。
コースタイム
【池郷林道車止め】 07:45(大又谷を少し下って本流出合いへ)
【池郷川本流出合い】 08:25(泳ぎの連続だが素晴らしい景色だ)
【2条12M滝下/2条12M滝上】 08:55/9:50(大釜を泳いで右岸壁を斜上する)
【樋状5M滝下/樋状5M滝上】 10:05/12:10(攻略は左岸壁だが悪い、最悪右岸から巻けるそうだ)
【エグレ滝上】 13:20(左手から登るが簡単)
【横手小屋谷出合い】 13:45(コンタにして50m程登れば踏み跡あり)
【池郷林道車止め】 15:10(最後の登りがキツイ)
ポイント
【★★★★★(沢5級)】 登攀ポイントとなるのは2箇所、2条12M滝と続く樋状5M滝の処理だ。前者は波風の立つ大釜を泳いで左手側壁に取り付きルンゼに立って1ピッチ、そこから滝芯に向って斜上して行くが高度感がある。支点は立木1、残置ハーケン1、カムやらボールナッツやら多数。後者は2条12M滝上から一旦懸垂下降、釜を泳いで右手側壁に取り付く、残置ボルトにアブミでバンドに出て斜上して行くが最後のスラブが超悪い、その手前、残置リングのある小テラスで一旦ピッチを切ってギアを集約、カムにナッツにハーケンにタロンと持てる装備の全てを試しながら渾身のトラバースとなった。以降も廊下は続くが先の登攀をこなした者なら特に問題は無いだろう。水と岩の織り成す素晴らしい造形を存分に堪能して頂きたい。
下 山
【★★☆☆☆(不明瞭箇所あり)】 下山は廊下を抜けてほど無く右岸から合う横手小屋谷を少し遡る。コンタにして50mくらい登った辺りで水平道の道型が横切るだろう。テープが巻かれいるが石垣等の道の痕跡にも注意を払いたい。ここから水平道を左手に取って大又谷へ向うがルンゼを横切る度に不明瞭となる。しかもやっかいな事にそう言った箇所は往々にしてラインに段差が生じているのだ。踏み跡そのものは比較的明瞭なので、ここでも石垣等の痕跡に注意を払い焦らずラインを発見してもらいたい。上手くすると林道から大又谷へ下り着いた場所の対岸(杉の巨木が目印)へ導かれるだろう。
装 備
一般遡行装備必携、ロープ必携、持参した装備は通常の遡行装備にプラスして、ロープ(8.2mm×50m)、カム類(#0.25〜#4を1セット)、ボールナッツ(1セット)、ナッツ類(マイクロサイズ適数)、ナッツキー(各自1)、フィフィ(各自1)、アブミ(各自1)、ハーケン&シュリンゲ(各自持てる限り)、ハンマー(各自1)、タロン(1)、ボルトセット(1)。服装備はウエットとライフジャケット。
お勧め度
★★★★★
参加人数
2人
所要時間
約7時間半
天候
晴れ時々曇り
遡行日時
2008/07/23
地形図
池原
写真室
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:普通 《ヒル情報》:下山路で遭遇 《温泉》:上北山温泉(500円) 《その他》:そろそろアブが多くなってきた。


【先週に引き続き池郷へ】 関西最強で最美と目される池郷川中部廊下帯、先週下半分を遡行したがまだ見ぬ上半分に思いは募るばかりである。なっちゃんも同様との事で先週に引き続いての池郷廊下突破行となった。

今回も早朝4時に出発して池原を目指す。林道には先週無かった落石が幾つかあって山の険しさをいやが上にも実感できる。荒れた池郷林道を車止めまで入ると平日にも関わらず先行車が2台、沢屋ではないようだが、だとすれば・・・、まあ自分らは本流廊下やしそこで遭遇する事は多分ないっしょ。

【池郷林道車止め(7:45)⇒池郷川本流出合い(8:25)】 ゲート前のスペースに駐車して早速準備を整える。今日もウエットにライフにギア満載、もはや山に入る格好とは程遠い、コロコロになって出発するが普通に歩いてるだけで汗が噴き出してきた。車止めから奥に300m程進んでカーブミラーのある場所、ちょっと笹薮が繁っているけど、この隙間に踏み跡が見えるだろう。ここは7月に入ってから幾度も使った通い慣れた通勤道(^^;、あっと言う間に下って大又谷へと辿り着いた。

さあ遡行開始、堰堤上の淀みに飛び込むと「ふ〜っ、気持ちいい〜」「やっぱ夏は沢に限るね〜」、クールダウンも完了して暫しは大又谷の降渓だ。と言っても難しい場所は無く堰堤を左岸から巻いて後は適当に泳ぎ進む、ただ本流出合い直前のCS5Mだけは手がかり無く右岸から3m下の釜へ飛び込んだ。


もはや山に入る格好では無い(^^; 本流直前のCS5M滝は飛び込み

【池郷川本流出合い(8:25)⇒2条12M滝下(8:55)】 一週間ぶりに再会した本流は陽射し一杯、明るく穏やかに我々を迎えてくれた。先週と比べて少し緊張感が薄れている気もするがこれも馴れなのか?、でも油断しないで進みましょう。

まずはイキナリの泳ぎから、エメラルドグリーンの水を湛えた瀞を30m泳いで詰まりの5M滝は右手の階段状を簡単に登った。その上で谷は左折して細長い瀞を作る。両岸はハング気味の壁が屏風のように立ち並び幅4m〜5mくらの狭さ、天からは後光が射して何か神々しい感じのする場所である。


イキナリの泳ぎで始まる 最初の5M滝は右手階段状を登った

ここも泳いで抜ける以外に手は無いが実際突っ込んでみると流れがあって結構しんどい、今日の水量でコレなら多い時はきっと大変だろう。振り向くと泳ぎ苦手ななっちゃんが進まず苦労している様子、仕方無いので人間チョックストーンで流れを強引に変えてやると幾分楽になったそうで無事泳ぎ切れた。


神々しいまでの素晴らしい廊下 ここも泳ぎで突破するしか無い

眼前にはCS5M滝が懸かり左手の窮屈な隙間をズリズリと登って越えた。上は短いゴーロがあってまた瀞になってる様子、近付いてみると瀞の奥が開けた空間になっていて巨大な釜の右手から2条滝が豪快に滑り込んでいる。これが2条12M滝、いよいよ上部核心部の始まりだ。

【2条12M滝下(8:55)⇒2条12M滝上(9:50)】 まずはロープを付けて波立つ大釜を泳ぎ渡り、右岸のルンゼから一段這い上がる。ここまでは簡単、一旦ピッチを切って「泳ぎのないセクションは頑張ります!」と言うなっちゃんが2ピッチ目にトライ、ルンゼから斜上して立木と残置ハーケンを支点に流芯横へ回り込む。そこからはのっぺりした岩壁を直上して落ち口上の立木に辿り着いた。私はセカンドでの登攀だったが流芯横の岩壁にはクラックがあって支点には事欠かない感じ、カム類もバッチリ効いていた。


2条12M滝、さあ核心部へ突入だ 右岸ルンゼから斜上して滝上へ

【2条12M滝上(9:50)⇒樋状5M滝下(10:05)⇒樋状5M滝上(12:10)】 立木にセルフを取って先を見ればすぐにツルツルの樋状5M滝が飛瀑となって豪快に落ちている。周囲の壁も同じくツルツルで全く取り付く島の無い感じなのだ。他者の報告を読むと攻略は『釜を泳いで左岸壁に取り付き、人工を交えて斜上』となっている。しかし遠目のパッと見では登れそうな気がしてこない(^^;。更にやっかいな事は、今自分達が居る場所はツルツル壁の上、つまり取り付く為には一旦2条12M滝の落ち口まで懸垂下降する必要がある訳だ。だがその懸垂はもう戻れない事を意味している。

正直ちょっと悩んだ、右岸から巻くルートもあるそうだし弱気の虫が頭を擡げて挫けそうになった。でも・・・、よく考えればこの廊下を正面から攻略したいが為に2週に分けてやってきた訳だ。ここで挫けたら元も行も無い、意を決して滝上に降り立った。


意を決して2条12M滝上に下降する ツルツルで手強い樋状5M飛瀑

左岸壁を見るとボルトが一本、その上が靴幅程のバンドになって斜上している。しかし抜けの手前はツルツルスラブで相当の困難が予想された。しかし降りたからには引く事は出来ない、行くしか無いのだ。

ロープを結んで攻略開始、釜を泳いで左岸壁を一段登ってボルトにアブミをセット、最上段から一気のマントルでバンドに這い上がった。そして微妙なバランスでジワジワ斜上して行く、残置は腐ったハーケンが数枚、カムで補強しながら進む。下を見ると後続への手がかりにセットしたカムが外れてた(^^;。しかし戻る余裕は無い、そのまま上昇する。例のツルツルスラブの手前にはリング付きハーケンとしっかりしたクラックのある小テラスがあって呼吸を整えるには最適だ。

ちょっと小休止、ここからどうするか!?、まともなホールドは無い、僅かに指がかかるリスに気休めのマイクロカムをセットしてジワジワ進むが抜けの一手がこなせない、手持ちのシュリンゲもあと一本しか無いしミドルサイズのカムも既に使ってしまった。それにここを回り込んでしまうと完全なブラインドになってロープの流れも悪くなるだろう。「ダメだ、これでは突っ込めない」。暫し思案したが先の小テラスで一旦ピッチを切ってギアを集約する事にした。

リング付きハーケンとカム2個で強固な支点を作り後続確保、なっちゃんがアブミからのマントルに苦労している様子、手がかかりのカムは外れてしまったし荷物も持ってるので無理は無い、「頑張れなっちゃん!!」。最終的にはメインロープでのアブミ登攀で切り抜けたがかなり苦しい登攀だったと思う。

二人が小テラスに揃いギアを集約、顔を見るとなっちゃんが「行く」と言うのでリードチェンジ、「気をつけて!」、カムにタロンにハーケンフック?、持てるギアの全てを試しながら遂に安全圏へ抜けた。「やったねなっちゃん!!」、それにしてもこの登攀は池郷中流廊下でも最大の核心部ではないだろうか!?、恐らくネジ滝の突破よりも悪いだろう。時計を見ると2時間以上費やしている。流石に疲れた。少し休憩にしよう。


小テラスから見た樋状5M滝 ツルツルスラブを渾身のトライで突破

【樋状5M滝上(12:10)⇒エグレ滝上(13:20)】 滝上はクネクネと掘り込まれた廊下にエメラルドグリーンの水を湛えて素晴らしい光景だ。自然の造形美とはこの事を言うのであろう。まだ廊下は続いているが両岸の壁は幾分低くなって気分的にも少し余裕が出てきた。


これぞ自然の造形美 気分的にも少し余裕だ窺える

景色を楽しみながらゆっくり進めば2段8Mの立派な滝、『エグレ滝』だ。この滝は名前の通り左岸側に大きく抉れた溝を持っていて不思議な地形、突破自体は左手のクラック沿いから岩の裂け目に入って比較的容易な登攀だった。


特異な景観を持つエグレ滝 エグレ滝は左手から攻略

【エグレ滝上(13:20)⇒横手小屋谷出合い(13:45)⇒池郷林道車止め(15:10)】 滝上の変化は劇的で正直驚いた。今までの険悪な廊下が突然無くなり目の前にはだだっ広い河原が続いている。明るい青空に白いゴーロ、拍子抜けする思いだったがそれは池郷廊下を突破成功の証なのだ。

時おり巨岩の鎮座する河原を少し進んで右岸から入る谷が『横手小屋谷』、今日の遡行はココまでとウエットを脱いで装備類もザックにしまう。さて下山だが、この横手小屋谷へ入る。何か飯場っぽい場所とかあって踏み跡らしきものが交錯してるけどイマイチ明瞭なやつが無い、「うーんどうしよか」「適当に行くか・・・」なんて思い始めた頃に右岸に石垣を発見、近寄ってみると立派な山道だった。


突然河原になった(^^; しっかりした山道だが・・・

「よっしゃ!」「これで帰れそうやね」山道を大又谷方面へ進んで行く、道自体はしっかりした作りで問題無いのだが、いく度から横切るルンゼ付近で必ず不明瞭になった。やっかいなのはそう言った場所では大方ラインに段差が生じてる事だ。沢屋の習性で道が無くなると適当に行き勝ちだけど付近を探せば石垣とか道の痕跡が必ずあるのでそれを伝って行きたい。

やがて大又谷の流れが見えるようになると河原への分岐有り、降り立った場所は今朝下って来た場所の対岸、杉の巨木が目印になる地点だった。後は小尾根の急登を経て林道車止めまではあっという間、どちらからともなく握手を交わして廊下突破の成功を祝した。

【遂に核心廊下の攻略成功!】 今回の遡行は、自分の全て出し切った会心の遡行であったが、これは一人の力では無い、パートナーであるなっちゃんが居てくれたからこそだ。特に今回は厳しい部分を担当してもらったし相当頑張ってくれていたと思う。「ありがとう〜」この場を借りてお礼を言いたい。m(__)m

また自身の反省点としては後続に対する配慮が不十分であった事、先週のネジ滝でも回収用アブミのセットを忘れてしまったし、今回も樋状5M滝で手がかりのセットに失敗して時間を掛けさせてしまった。不足を痛感するとともに以降の教訓とします。

昨年下部廊下を遡行して以来ずっと入れ込んでる池郷界隈、遂に本流の核心廊下を抜ける事に成功した。今は余韻に浸りまくりで7月だと言うのに沢シーズンを満喫したかのように満足感で一杯だ。後は源流部を残すのみだが、お気楽渓との情報なので宴会沢にでも来よかっな(^^)v。

最後は上北山温泉で汗を流して帰阪となった。大峰の自然にパートナーのなっちゃん、晴天を授けてくれた山ノ神の配慮にも感謝したい。m(__)m



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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