突入!池郷川中部廊下!!《コンコン滝上〜大又谷》

渓谷の名称
池郷川
山域(ピーク)
大峰
渓谷の概要
『一に池郷』『二に白川又』『三に前鬼』『四に四ノ川』と呼ばれるように池郷川は大峰東面、否、関西屈指の大渓谷である。釈迦ヶ岳から涅槃岳東面の広い流域面積から流れる圧倒的水量は山腹を深く削り悪絶の廊下が延々と続く。その遡行は困難を極め、泳ぎ、登攀、ルート取り、全ての面で高度な技術が要求される関西最強の谷として君臨している。今回はその核心部である中部廊下帯を遡行、その神秘的な美しさは神の創造した奇跡の空間と言えるだろう。
コースタイム
【林道駐車地】 07:40(モノレール軌道と踏み跡を繋いで谷へ下る)
【吊り橋】 08:00(概ね左岸を進むが大岩の乗り越しが辛い)
【CS3M滝下】 09:05(ボルト穴にタロン+アブミ+カム)
【CS3M滝上】 09:45(続く6M滝はカム+ナッツ+残置にアブミ)
【6M滝上】 10:35(長い渕を泳ぎの連続で進む)
【ネジ滝下】 11:35(大釜を泳いでカム+残置+アブミ)
【ネジ滝上】 13:00(大又谷出合い前の斜瀑は巻く方が無難)
【大又谷出合い】 14:00(大又谷の5M滝は左手をカム+アブミ)
【林道駐車地】 16:05(堰堤上の山道を登って林道へ)
ポイント
【★★★★★(沢5級)】 ポイント多数、廊下帯に入ってからCS3M滝は大岩の下を泳ぎ抜けて左手をアブミで抜ける。続く6M滝は左手のクラックをアブミの架け替えで乗り越すがツルツルで前半の山場と言えるだろう。そこからは泳ぎの連続、手強い小滝もあるが先の登攀をこなした者なら問題無いと思う。クライマックスはネジ滝15M、巨大な釜を泳いで左手のクラックからテラスに登り、一旦ピッチを切って次が核心部、やや被り気味の壁に走るリスをアブミの架け替えで登るがテラスへのマントリングにバランスの要るところだ。そこからは快適なフリーで抜けた。遡行難度を5級としたが人工登攀になる部分が多いので得手不得手によって体感が変るかもしれない、但し泳ぎやクライミング力等ある程度の総合力も必要だと感じた。関西一と呼ばれる美しい廊下とスケール感ある本流遡行の醍醐味を満喫してもらいたい。
下 山
【★☆☆☆☆(林道)】 下山は大又谷を20分程遡り最初の堰堤を越えた河原、石垣のある左手奥に林道への山道がある。取り付きがやや不明瞭だが乗ってしまえば良く踏まれた道で15分程の急登を経て林道へと飛び出す。後は林道を下るだけ。
装 備
一般遡行装備必携、ロープ必携、持参した装備は通常の遡行装備にプラスして、ロープ(8.2mm×50m)、カム類(#0.25〜#4を1セット)、ボールナッツ(1セット)、ナッツ類(マイクロサイズ適数)、ナッツキー(各自1)、フィフィ(各自1)、アブミ(各自1)、ハーケン&シュリンゲ(各自持てる限り)、ハンマー(各自1)、タロン(1)、ボルトセット(1)。服装備はウエットとライフジャケット。
お勧め度
★★★★★
参加人数
2人
所要時間
約8時間
天候
晴れ
遡行日時
2008/07/16
地形図
池原
写真室
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:普通 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:上北山温泉(500円) 《その他》:美味しいたこ焼きの『もんき』さん、水曜は定休日です〜。


【夢にまで見た池郷川】 関西最強にして最美と謳われる池郷川中部廊下帯、沢遊びを始めて以来ずっと思いを馳せてきたその地にいよいよ挑戦する時が来た。思えば昨年に下部廊下を遡行してから核心部への憧れは強くなる一方であった。何度か計画を立てたものの天候不良等に泣いて今年こそはと、タイミングを見計らっていたのである。そして梅雨明け宣言の出た7月16日、その思いが遂に現実となった。

メンバーは先日に大又谷を見て以来、同じく池郷界隈に惚れ込んでいると言うなっちゃんと2人。やるなら少数精鋭でと思っていたが、なっちゃんなら経験も実力も申し分無しで鬼に金棒である。

私の日帰り限界?と思われる早朝4時に出発、なっちゃんと合流して池郷を目指す。前夜少し雷雨があったようだがコレくらいなら問題無いだろう。池原から池郷林道に入り深く切れ込んだ谷を間近に見ると期待と不安が身体を包み早起きの眠気も吹っ飛んだ。

【林道駐車地(7:40)⇒つり橋(8:00)⇒CS3M滝下(9:05)】 取り付きであるモノレール軌道付近に駐車したのが7時過ぎ、早速準備を整えるがラッシュガードにスプリングタイプのウエットスーツ、更にライフジャケット装備ではもはや沢屋の格好では無い(^^;。おまけに大量の登攀ギア、知らない人が見れば一体ドコ行くねんって感じだろう。まずはモノレール軌道右手にある踏み跡を下って行く、最初は明瞭だがだんだん不明瞭になって最後はモノレール沿いに下ってつり橋の前に立ったのが8時、他者の報告から見たタイムスケジュールよりも少し遅いか・・・。

橋を渡って左岸から入渓、テーブル状の美しい2M滝を見ながら大岩の下をすり抜けて行く、前方には石ヤ塔の岩峰と巨岩帯が豪快な姿を見せた。この巨岩帯は概ね左岸の谷際を進んで行けるが重装備にウエットなので汗まみれ、アップダウンも多く体力を削られて行く。「暑い〜」「早く泳ぎたい」心の中で何度も呟きながら1時間弱の歩きでようやく流れの中を進めるようになった。


つり橋下のテーブル状2M滝 巨岩帯は概ね左岸を進む

そしていよいよ両岸立ってゴルジュの気配、流れに真ん中に浮かぶ大岩の上に立って顔を上げれば谷を塞ぐように巨大なチョックストーン(CS)が数個挟まっているのが見えた。さあ行きますか!、まずは泳いで小さな落ち込みを右手から抜ける。次はCS4M滝、左手の隙間に入り込んでショルダーで這い上がる。すると眼前には巨大なCSが挟まりその下は深い釜となってCSの裏から3M滝を落す。両岸は取り付く島の無い感じでここからが核心部の始まりだ。


いよいよ廊下のお出ましだ CS4M滝は左手の隙間からショルダー

【CS3M滝下(9:05)⇒CS3M滝上(9:45)⇒6M滝上(10:35)】 分担していた登攀装備を一つに纏めて片掛けとしロープを結んでいざ出陣、まずは大岩の下を泳ぎ潜って左手に這い上がると手がかりの垂壁に細いリスが走っている。しかし残置は無くボルトの穴だけが虚しく開いていた。「さあどうするか!?」、とりあえずハーケンを試したが殆ど効いてないようだ(^^;。暫し思案したがボルトの穴に着目してここはタロンの登場だ。


大岩の下を潜り抜けて左手へ 登攀装備を身に纏っていざ出陣

手の届く一番高い位置のボルト穴にタロンを引っ掛けてアブミをセット、タロンを使うのは初めてだったがバッチリ決まると信頼出来そうだ。これで一段登ってもう一度手を伸ばして今度はCSの隙間にカムをはめ込む、「よし!これで行けるぞ!!」、更にアブミで上昇して乗り越えた。後続にはなっちゃん特製の超ロングアブミをセット、これで回収も容易かと思いきや確保支点のエイリアンが抜けずにちょっと焦る(^^;。全て回収し終わっておもむろに上を見れば真新しいリングボルト・・・、もっとはよ気付けよなオレ(^^;。


CS3M滝はタロンとカムで突破 6M滝はなっちゃん渾身のトライ

滝上はすぐに釜があって真ん中に大岩、その裏を泳ぐとツルツルの6M滝が威圧的な姿を見せた。突破は左手のクラック以外に無い、なっちゃんは先のビレイと泳ぎで唇は紫、ブルブル震えている。「寒いやろ、行くか?」と聞けば「行く!」との答え、ここはなっちゃんに突破を託す。

カムにアブミで一段登ってそこからクラック沿いにルート工作、ナッツや残置ハーケンを支点に高度を上げて行く、そして見事に突破!!。セカンドの私はロングアブミでお気楽だったけどリードならさぞかし渋い登攀だったに違いない!?。なっちゃんの頑張りに拍手である。

【6M滝上(10:35)⇒ネジ滝下(11:35)】 これで連瀑は一旦終わり渕を20m泳ぐ、突き当たりのCS5M滝は右手からのっぺりした岩をフリクションで抜けて最後はちょっとしたボルムーブ、滝上はゴーロになって一息つくには最適だろう。

谷は左折して30mの渕、この渕を泳いで1Mの落ち込みは右手を抜ける。今度は90度右折して40mの渕、ここも泳ぐが微妙な流れがあって流水プールを逆行している気分だ。廊下の渕は詰まりで左手から3M滝を懸けその上には大きな空間が広がっている。「ここはもしや・・・」。


連瀑の次は連渕を泳ぐ 次の渕は流水プールを逆行する気分

【ネジ滝下(11:35)⇒ネジ滝上(13:00)】 そう、遂にネジ滝がその姿を現したのだ。斧で割ったような岩壁からダイブする飛瀑は途中でバウンドして洞穴のような空間を作る。そして巨大な釜に轟々と水流を注ぎ込むのだ。今までにこんなに大きく、こんなに深い、こんなに美しい釜は見た事が無い、自分は今、ずっと思い馳せたネジ滝の前にいるのだ。そう思うと自然に胸が熱くなって来た。


遂に思い馳せたネジ滝の前に立つ 気合充填!さあ行きまっせ〜!!

いつまでも見ていたい風景だがそうも言ってられない、ここを突破しない限り生きて帰る術は無いのだから。全登攀装備を纏って釜を泳ぎ左手から張り出したテラス下のクラックにカムをセットして5m登るがここは容易なセクションだった。一旦ピッチを切って後続を引き寄せる。

次が難物、見上げると垂直の壁にリングボルトが一本、残置ハーケンが4本、リングボルトを起点にアブミ登攀となるのだが残置ハーケンはグラグラで怪しい感じ、幸い一番上のハーケンが良く効いていてアブミを架け替えて突破を図るのだが抜けのマントリングが悪い、両手を残置から離してスローパーに手を添える必要があるんだけど1cmバランスが狂うとペロ〜ンと後ろに剥がれそうになる(^^;。何とか無事に越えれたが結構怖かった。そこからは快適なフリーで滝上へ、ここにも真新しいリングボルトが打ってあったがたぶん降渓用の懸垂支点ではないだろうか。


テラスからネジ滝の瀑流を望む 中間のマントルが勇気の見せ所

【ネジ滝上(13:00)⇒大又谷出合い(14:00)】 ネジ滝上が13時、入渓から5時間なのでペース的にはマズマズな訳だがいかんせん入渓の8時過ぎが響いている。この先をどうするか悩んだがゆっくり写真も撮りたいし谷を楽しむのが自分達のスタイルだと意見が一致して大又谷での打ち切りを決めた。


ネジ滝の落ち口ショット! のんびり遊びましょう〜

そうと決まれば急ぐ必要はどこにも無い、のんびり遊びながら池郷川を満喫しよう。大又谷出合いの手前には大釜を持った2M斜瀑、普通は右手を巻くみたいだが折角ココまで来た訳だし正面突破しないとダメな気がして釜を泳ぐ、左手の壁にあるクラックを狙うつもりだったけど引き剥がしの流れがあって上手く取り付けない、一旦戻って登攀装備をセット、もう一度泳いで突破を狙うがだんだん疲れてきた(^^;。だいぶ粘ったが結局どうにもならず右手から巻いて懸垂下降で大又谷出合いに到着、この2M滝で遊び過ぎてネジ滝から大又谷出合いまで実に1時間以上も費やしてしまった(汗)。


この斜瀑で遊び過ぎた(^^; 大又谷のCS5M滝はクラックを攻略

【大又谷出合い(14:00)⇒林道駐車地(16:05)】 出合いの河原でものんびり休憩して大又谷の遡行に移る。最初のCS5M滝はなっちゃんリードで左手のクラックにカムをセットして攻略、続く4M滝の右手を進んで更に続く4M滝は左手から大岩の下を潜り抜ける。美しい3条6Mと2段滝を越えて堰堤を右手から巻けば広い河原が遡行の終りを告げてくれるだろう。

下山は河原の左手、石垣のある平坦地奥に林道へと続く山道がある。取り付きが少々判りづらいけど乗ってしまえば明瞭道で三叉路から尾根通しの急登に喘ぐこと15分で林道へと飛び出した。後は林道をのんびり歩くだけ、途中に石ヤ塔の展望地があって改めて「凄いところやな〜」と実感した。


河原となれば遡行終了〜 石ヤ塔の展望地、凄いとこやな〜

【挑戦はまだまだ続く】 今回大又谷出合いまでで終わってしまったが、それでもめっちゃ充実した楽しい時間であった。やっぱ池郷川は最高やわ!!。技術的には全て残置とカム類での突破になったが、これは「ハーケンを打たなかった」と言うより「打てなかった」と言う我々の技術的未熟さの問題だろう。本来ならハーケンでの攻略が一番有効かもしれない。

大又谷出合いから先の廊下が美しいとの事で見学に行こうと思えば充分行けたのだが、やはり初見の感動を大切にしたいとの思いからあえて見なかった。是非近いうちに再訪したい。

最後は上北山温泉で疲れを癒して帰阪となりました。一緒に遊んでくれたなっちゃんと大峰の自然、絶好のタイミングを与えてくれた山の神に感謝。m(__)m



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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