実りの秋、木屋谷川遡行。

渓谷の名称
木屋谷川
山域(ピーク)
台高(国見山)
渓谷の概要
台高北部、国見山1418m東面の水を集めて流れる木屋谷川は青田川の本流に当るとあって水量が多い。出合い付近は植林斜面も多いが中流域からは自然林が茂り磨かれた岩床とのコントラストが実に心地よい。技術的に難しい場所もなく初心者を交えたパーティーでも沢歩きの楽しさを満喫出来る。
コースタイム
【桧塚登山道口】 07:20(林道の橋を渡って左岸側から入渓)
【ワサビ谷出合い】 08:10(特に困難は無く快適)
【奥山谷出合い】 09:20(12M直瀑は左手から巻く)
【Co1110m二俣】 10:30(自然林が美しい、殆どの滝は直登可能)
【国見山】 11:30(Co1010m二俣から左俣を進んで国見山へ)
【桧塚奥峰】 13:30(明神平を経て桧塚へ至る登山道は人気が高い)
【桧塚登山道口】 15:55(マナコ谷左岸尾根を伝う快適登山道。*大休憩を含む)
ポイント
【★★☆☆☆(沢1級+)】 技術的に難しい場所は無い、12M直瀑は左手のルンゼを登るがトラテープもあるし木の根もしっかりしているので見かけよりも簡単だ。但し高さがあるのでロープで確保した方が無難だろう。奥山谷の出合い手前、狭い廊下に懸かるCS3M滝は右手を抜けるがボルダームーブで窮屈なところ、巻くと大巻きなので積極的に突破を狙いたい。見所は国見山直下から広がるブナ林の素晴らしさ。
下 山
【★★☆☆☆(登山道あり)】 通常、明神平から奥山谷沿いの道を下る人が多い。我々は時間に余裕もあったし明神岳から桧塚奥峰を経てマナコ谷出合いに降りる周遊ルートを取った。明神岳から桧塚への尾根道はブナやミズナラを主とした素晴らしい自然林だが悪天候時には方向を誤りやすく注意が必要だ。桧塚からマナコ谷左岸の尾根を伝って下る登山道はよく整備されて歩き易い、植林内に入ると幾度か林道が交差してややこしいがテープ類も多いのでまず大丈夫、最後はマナコ谷の流れを右手に見ながら倒木を交わしての急斜面、歩き難いがそれほど長い距離では無い。
装 備
一般遡行装備必携、ロープは12M滝の左手ルンゼを登る時に使用した。
お勧め度
★★★☆☆
参加人数
2人
所要時間
約8時間半
天候
晴れ
遡行日時
2007/10/06
地形図
七日市・大豆生
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:やや滑り易い 《ヒル情報》:見なかった 《温泉》:かもきみの湯(500円) 《その他》:特に無し


【秋沢シーズン到来】 夏沢シーズンも一息付いて秋沢シーズンが開幕、今回はMちゃんに沢の選択をお願いしていたところ幾つか候補が挙がってその中から台高北部の木屋谷川をチョイスした。木屋谷川は数年前に一度訪れているが大増水で敗退した谷、私としては願ったり叶ったりである。それ程難しい沢じゃないし久々の蓮界隈なので少し長距離かも?と思ったが明神平から桧塚の稜線も堪能する遡行&ハイク計画となった。今回も楽しい沢旅になりそうだ。

前夜遅々に集合して登山者がよく利用する場所で仮眠、夜空にはオリオンが輝いて既に冬の星座だが明日も天気は良さそうだ。5時半に起床して6時半に出発、千秋林道を進んでマナコ谷出合いの桧塚登山口に駐車して準備を整えた。

【桧塚登山道口(7:20)⇒ワサビ谷出合い(8:10)】 林道を少し進んで木屋谷川を渡る橋の左岸から入渓。最初はゴーロに岩間滝が数個、やがて最初の滝らしい3条5M滝が懸かって右の流れを越えた。


桧塚への登山口からスタート 最初の3条5M滝は右の流れを登る

少し凡流があって左岸にルンゼを見送ると滝と釜が連続して俄然面白くなる。2M斜、2条3M斜、3M、幅広4M斜と快適に進んで大釜を持った4M滝は左手を小さく巻くがシャワー志向のMちゃんはずぶ濡れで直登して来た(^^;。その先で右岸から枝谷が入ってワサビ谷出合いとなる。


2条3M斜瀑を快適に登る 大釜4M滝はシャワーも可能(^^;

【ワサビ谷出合い(8:10)⇒奥山谷出合い(9:20)】 出合いからはいよいよ廊下のお出ましだ。急に狭まった中に小滝と釜が続き5M滝は左手のクラックから直登、この辺りの渓相は磨かれた岩床と水流のコントラストが実に美しい。やがて12M直瀑が仁王立ちして行き止まりの感になった。

突破を思案するとどちらもそれなりに行けそうだ。左手のルンゼ状にはトラテープが張ってある。少しズルズル斜面だが此方の方が最短で巻けそうな気配、やや下流の斜面からロープを付けて回り込むがトラロープの横まで来ると明瞭な踏み跡があって業と難度アップをさせてしまったようだ(^^;。そこからはトラロープ沿いにロープを伸ばすがしっかりした木の根があって見た目より容易な登攀だった。


廊下の5M滝は左手からの突破 12M直瀑は左手のルンゼ状を巻く

谷は美しい岩床に続いて極端に狭まった廊下を向える。奥にはCS3M滝が詰まっていて右手から越えるが窮屈なボルダームーブ、Mちゃんはちょっと無理そうだったのでシュリンゲで引き上げて振り返ればそこが二俣だった。

【奥山谷出合い(9:20)⇒Co1110m二俣(10:30)】 確認してみると奥山谷出合い、地形図に965mと記載ある二俣である。ここは右俣へ進んで2M滝、6M斜瀑と快適に越えて行く。谷は平凡だが両岸は明るい自然林の斜面で実に心地よい。暫く進むと少し廊下状になってくるが圧迫感は無い、鉄砲谷の3段20M滝を左岸に見送って連なる小滝をどんどん登って行くとCo1110m付近で再び顕著な二俣となった。


素晴らしい自然林の中を遡行する 連なる小滝群をどんどん登る

【Co1110m二俣(10:30)⇒国見山(11:30)】 水量比は1対3くらい、明らかに右俣が本谷だが国見山に直接登りたい私達は左俣へと進む。谷の傾斜が増して絶え間なく滝が続くがどれも快適に登れるから楽しくてしょうがない、やがて25M直瀑が見えてこいつは直登不可能だろう。左手から巻いて行くと言葉では言い表せないような美しいブナ林が広がった。明るい空間にほんのり色づいた黄緑が秋の気配を漂わせる。倒木ではびっしり生えたブナハリタケの白が鮮やかだ。こんな潤いある林はそうないだろう。


支流の25M滝は左手を巻く ブナハリタケの白が鮮やか

ずっと谷を詰めてもよかったのだがあまりにも尾根が美しいので最後の二俣(Co1220m付近)を越えたところから中央の尾根に取り付いて登って行く。それほど急傾斜も無く20分程でドンピシャ国見山の頂きに飛び出した。


詰めは素晴らしいブナ林を行く 国見山からはハイカーモードに転進

【国見山(11:30)⇒桧塚奥峰(13:30)】 何時もなら後は下山を残すのみだが今日はこれからハイカーモード、明神平から桧塚奥峰への周遊ハイクである。国見山から北に進んで次のピークが展望抜群の『カクレー』、明神平の草原が鮮やかで気分もアゲアゲ↑だ。

更に一旦下って急登すれば水無山のピーク、そして今度は開けた斜面をズルズル下って明神平に到着した。明神平に来るのは数年ぶりだが開放感一杯で何度来ても飽きない場所、今日も好天の週末とあって多くのハイカーさんが食事をしたり寝転がったりしながらこの景色を満喫されていた。

そろそろお昼時でお腹も空いてきた頃だが「もうちょい歩こう」との事になって主稜線の縦走路を進む。明神岳は細い尾根状でどこがピークか判らない、昔は山名板が付けてあったが今は無くなっているようで集中的に巻かれたテープだけがピークの所在を示している。そこからほんの少しで桧塚奥峰への分岐点、ここは道標があるので問題は無いだろう。踏み跡に導かれながら緩い斜面を下って行くが人気の高い山だけに多くの登山者とすれ違う、私達も少々小汚いがハイカーのふりをして明るく「こんにちは〜」と挨拶するけど「・・・沢登りですか?」とすぐにバレテしまう、なんでやろ・・・(^^ゞ。これはきっとMちゃんのズボンが泥だらけだからやな(^^;。因みに私は尻モチとかつかないんで臭いはともかく至って小奇麗ですv。

なんて他愛無い話をしながら何も考えず歩いて行くが、実はこの辺りの尾根は結構複雑で悪天候の時は方向を見誤らないように注意したい。まあ今日は晴れなので問題無く桧塚奥峰に到着、もう少し進んだ絶景ポイントでちょいと遅い昼食タイムになった。


明神平は何度来ても素晴らしい 桧塚奥峰の絶景ポイントで昼食

【桧塚奥峰(13:30)⇒桧塚登山口(15:55)*大休憩含む】 30分以上の大休憩をして後は下山を残すのみ、下りは桧塚奥峰と桧塚の中間から北側に分岐する登山道を下る。最初は草原の尾根道、途中から植林に入るが手入れもよく歩き易い。何度か林道が交差してややこしい部分もあるがテープ類が豊富なんで迷う心配は無いだろう。植林小屋を経てどんどん下るとやがてマナコ谷の左岸斜面を伝い出す。この辺りから倒木が邪魔をして歩き難いがそれ程長い距離でもなく無事に千秋林道へと戻り着いた。

【実りの山に感謝】 本文中には記載しなかったがある場所でマイタケの大株を見つけた。マイタケは発生場所が決まっていて素人が見つけるのは難しいとの事なので当にラッキーな出来事であった。山の実りを与えて下さった山ノ神に感謝したい。

最後は毎度の『かもきみの湯』で汗を流して帰阪となった。豊かな自然を見せてくれた山々とMちゃんにも感謝。m(__)m



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



- Copyright (c) 2000-2007 SawaNavi All rights reserved -
Produce by KAME