伊坪谷遡行、沢の記憶は何処へやら(^^;。

渓谷の名称
伊坪谷
山域(ピーク)
大峰(勝負塚山)
渓谷の概要
勝負塚山北面の水を集めて流れる伊坪谷は上多古川左岸の有力な支流である。急傾斜で多くの滝を秘めているが谷中は石垣や道形が随所に見られて案外人臭い。それだけに滝に詰まれば容易に巻く事も可能で大峰山系入門の谷として多くの入渓者を迎えている。但し源流部はいずれも急峻だし下山にも時間を食うので余裕ある計画が必要だと思う。
コースタイム
【伊坪谷出合い】 09:00(取水施設の上から遡行開始)
【2段20M滝下】 10:25(2段20M滝は左岸巻き)
【Co834m二俣】 11:20(右俣へ入りCo930m付近で2段25M滝の懸かる左俣へ入る)
【Co1354mピーク】 13:10(穏やかな尾根だが分岐注意)
【勝負塚山】 14:25(ここからえげつない激下り)
【伊坪谷出合い】 16:50(伊坪谷沿いの水平道も崩壊多し)
ポイント
【★★☆☆☆(沢2級)】 登攀やルート取りで特に問題となる箇所は無いが岩間滝のアップダウンが多くて意外と疲れる。私達はCo930m付近で2段25M滝の懸かる左俣へ入ったが詰めは急斜面となるので早めに右岸尾根に逃げた方が得策だろう。見所としては伊坪谷中流部の斜瀑群と登り詰めたCo1354mピーク付近の自然林。
下 山
【★★★☆☆(激下り)】 Co1354mピークを南進、Co1390m付近から東へ振って勝負塚山への尾根に向うが分岐の表示は無く注意が必要。テープが集中して巻かれている箇所があるので見落とさない様に。そこから勝負塚山までは藪っぽい痩せ尾根だがテープ類も多くてまず大丈夫。核心部は勝負塚山からの激下り、私も色んな下山をして来たが今までの沢下山で3本の指に入る激下りである。テープ類は多いが踏み後が交錯して不明瞭な上に崩れ易い斜面で気を遣う。伊坪谷沿いの水平道に入ってからも崩壊箇所が多くて一筋縄には行かず遡行以上に本コースの核心部となろう。
装 備
一般遡行装備必携、ロープは持参したが使用しなかった。直登に拘らないならスリング数本で大丈夫だと思う。
お勧め度
★★★☆☆
参加人数
2人
所要時間
約8時間半
天候
晴れ
遡行日時
2007/09/17
地形図
洞川
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:普通 《ヒル情報》:下山道に生息 《温泉》:かもきみの湯(500円) 《その他》:特に無し


【9月、まだまだ沢モード】 今年は9月に入っても暑い日が続く、まだまだ沢モードで行こう。あまり行っていない大峰がいいかな!?。と、言う訳でチョイスしたのが上多古川左岸支流の伊坪谷。私的にあまり掴めていない山域だけに期待と不安が入り混じる。

今日はゆっくりめの集合で169号を南下、上多古川沿いの林道から赤い橋の掛かる伊坪谷出合いに着いたのが8時半、少し戻って広くなった路側帯に駐車する。

【伊坪谷出合い(9:00)⇒2段20M滝下(10:25)】 遡行開始は9時、暑いので出合いから入渓するも最初の2M滝を左手から巻いたら登山道に出てしまった。戻るのも面倒なので暫くそのまま進んで取水堰堤の上から遡行開始、木堤の集水設備を越えると廊下になる。


取水堰堤の上から遡行開始 集水設備を越えると廊下の始まり

廊下の中には小滝が詰まりシャワーを交えて突破、抜け口のCS3M滝は手が出ず右手から巻いた。植林が覆う谷は全体を通して暗い雰囲気、岩間滝を適当にこなして行くが石積みや道型が随所に見られて人臭い。古くは山林事業で栄えた場所なのであろう。
やがて最初の滝らしい滝、8Mが行く手を遮る。直登も可能らしいがちゃんとした装備が必要だろう。ここは右手から容易に巻き抜けた。上には5M、6Mと続いて直登気味に絡んで行ける。


8M滝は右手から容易な巻き 5M滝は直登、6M滝は左手を絡む

続くCS6M滝は右手を巻いてゴーロの谷を進めば左岸から第二支流が10M滝を懸ける。谷はその奥で廊下を形成して逆くの字になった10Mを落とす。これも全く手が出ないので左手から巻いた。滝上は二つの流れが別々に独立した滝を懸ける、左手からも連段の滝が入って複雑な地形、でも通行には問題無し。前方には美しい斜瀑が見えて遡行気分が盛り上がる。


廊下の中に逆くの字10M滝 前方には斜瀑群が続く

楽しく遡行して簾状8M滝も直登するが滑っているのでスリップに注意が必要だ。上には2段20M滝が陽射しに照らされて輝いていた。ここはなんとも素敵な場所で伊坪谷のハイライトだろう。


簾状8M滝は滑りに注意して直登 白く輝く2段20M滝の勇姿

【2段20M滝下(10:25)⇒Co834m二俣(11:20)】 2段20M滝の突破を思案、左手は急なルンゼ、右手は岩壁が続くがバンドもありそう。ここは右手巻きを選択する。ザレた斜面からバンドを伝ってトラバース、落ち口への回り込みで切れた場所もあるが慎重に動けば大丈夫。

少し進むと谷は大岩が埋まるようになって幾つもの岩間滝を懸ける。難しい箇所は無いが大岩の処理にアップダウンが多くて意外と歩き難い。狭い谷間に5M滝、稲妻状の6M滝と続くが右手が通行可能。やがて傾斜が緩くなると前方に幅広6M滝、右岸から支流が入って地形図にある834m二俣と推測すた。

【Co834m二俣(11:20)⇒Co1354mピーク(13:10)】 834mの右俣に懸かる6M滝は一旦左俣へ入ってから折り返して抜ける。滝上は穏やかな渓相、大岩も無くなって歩き易い。左岸から大きめの支流を入れてもう少し進むと右岸に2段25M滝の懸かる支流、標高は930m、P1354mを目指すならここから支流を遡る事になる


Co834m二俣に懸かる幅広6M滝 Co930mに懸かる2段25M滝

2段25M滝は両岸高い壁で直登は無理、左手の壁沿いに進んで壁の切れた辺りから折り返して落ち口へ向う。滝上には8M滝が続いていて降りても登れるか微妙、登り返すのも面倒でそのまま巻いた。

谷に戻ると流れはすっかり細くなるが2Mから3Mの小滝がびっしり詰まっていて快適に直登して行ける。左手に雫をたらす20M滝を見て5M滝を右手から登ると上部は水も途切れてガレっぽい。この辺りが潮時かと左手斜面に取り付いて先の20M滝の上部をトラバースして明瞭な尾根に乗った。尾根上は石楠花の藪だがそれ程酷いものでは無い、登るに従い踏み跡も出てCo1354mピークのやや北側に飛び出した。


源流に入ると小滝が続く 気持ちの良いP1354m付近の尾根

【Co1354mピーク(13:10)⇒勝負塚山(14:25)⇒伊坪谷出合い(16:50)】 P1354m付近は自然林の素晴らしい尾根、遡行も無事に終わってホッと一息付きたいところだが実は下山が微妙で実際にも今回の核心部となった。

P1354mから南に進んで勝負塚山への稜線を目指す。Co1390m付近で開けた場所があり左手下方に勝負塚山のピークが見えるが実はここまで来ると行き過ぎ(^^;、私達は気付かず進んでCo1400m付近の小ピークまで登ってしまう。そこを分岐と思い込み南東に派生する尾根を降るが暫く進むと登り返し、ん?確か登り返しなんて無かったはずだが・・・、ここで間違いに気付く。どうやら一つ南側の『神童尾』に入ってしまったようだ。この尾根は大栃谷へ向かう崖マークだらけの尾根でとても降りそうな代物じゃない、仕方なくCo1400mまで引き返して再読図。

正しい尾根は北側に戻って勝負塚山が見える開けた場所も過ぎて(写真の場所)もう少し戻った地点、テープが集中的に巻かれているので見落とさないように注意が必要だ。ここから東南東に進んで無事に勝負塚への尾根に乗った。踏み跡は明瞭でテープも随所に見られるが植林混じりの藪っぽい尾根であまり快適とは言えない、鞍部からゆるゆると登って勝負塚山に辿り着いた。


東側に勝負塚山、ここまで来ると行き過ぎ 狭い勝負塚山のピーク

そして難関はこれから、地形図を見ても何処も急傾斜である。登山道は一体どこを通っているのか(^^;。痩せた尾根をぐんぐん降って行く。不明瞭な箇所もあるがテープ類が助けになる。そして最後の標高差300mくらいはとんでもない激下り、崖のような斜面を立木便りに降りるのだが足元はザレザレで踏み出す度に崩れて行く。道型も不明瞭なのでテープを追うしか術が無い。やがて水音が近づいて流れが見えた頃、ようやく伊坪谷沿いの水平道に合流した。後は楽勝〜と思いきやこの道も崩壊箇所が多くヘロヘロになって出合いへと戻り着いた。

【沢の記憶は何処へやら(^^;】 で、遡行のまとめだがお昼頃には詰めの段階だったし、そこから延々4時間半も尾根を徘徊した事になる。と言う訳で遡行気分はすっかり吹っ飛び最後の激下りだけがイメージに残りました。谷は中流部の斜瀑群が綺麗だったかな!、後は岩間滝のアップダウンが意外と疲れた。

最後は御所市にある温泉施設『かもきみの湯』で汗を流して帰阪、かもきみの湯は広くて綺麗で湯あたりも良い。値段も500円と安くコストパフォーマンスも抜群、お勧めの一湯となりました。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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