面白渓の真骨頂!、ホタガ谷遡行

渓谷の名称
ホタガ谷
山域(ピーク)
鈴鹿(竜ヶ岳)
渓谷の概要
竜ヶ岳東稜にあたる遠足尾根の『クラ』と呼ばれる付近から南東に流れるホタガ谷は宇賀渓界隈で一番遡行価値のある谷だ。出合いから連続する廊下の中には悪相の滝も幾つか見られ、それだけに遡行者を有頂天にさせるだろう。また地質的に複雑な場所で花崗岩から堆積岩、石灰岩へと谷相が変わって行くのも面白い。
コースタイム
【駐車地】 08:30(出合いまでは林道歩き)
【ホタガ谷出合い】 08:55(白竜橋から入渓、出合いからいきなり廊下状)
【15M滝上】 09:50(15M滝は左凹角を登るが悪い)
【2段13M滝上】 11:00(下段は左手フェース直登、上段は左壁の脆い巻き)
【分れ滝上】 13:05(中間の一手が悪い、上部も滑り易く注意)
【竜ヶ岳】 14:00(笹原広がる雄大な景色)
【駐車地】 16:10(ホタガ谷沿いの裏道登山道を下る)
ポイント
【★★★(沢3級)】 問題なのは3箇所、まず廊下に入ってすぐの15M滝は左手凹角を残置便りに登るが悪い、次は圧倒的な廊下に懸かる2段13Mの連瀑帯、下段6Mは滝の左手フェースを登る、残置がありホールドも適度にあってフリークライミングのような登りを楽しめるが滑落は許されない場所、上段7Mはツルツルで左壁を巻き気味に登るが上部は岩が脆く注意が必要、最後は『分れ滝30M』、中程までは階段で楽勝だが滝身を右手に移る一手が悪い、上部は傾斜の落ちたナメ状だが滑りやすく最後まで油断は禁物、前半の大ゴルジュ、地層の変化、最後は雄大は竜ヶ岳と見所も一杯で完成度の高い谷である
下 山
【★★(登山道あり)】 下山は遠足尾根からホタガ谷沿いに付けられた『裏道登山道』を下る、終始明瞭で迷う心配は無いのだが季節と条件によっては蛭地獄の可能性あり(^^;
装 備
一般遡行装備とロープ必携、ハーケン、ハンマー、カム類も持参した(確保支点にコメット1番を使用)、残置ハーケンが多数あるが不安なら打ち足す必要あり
お勧め度
★★★★
参加人数
3人
所要時間
約7時間
天候
晴れ時々曇り
遡行日時
2006/09/30
地形図
竜ヶ岳
写真室
無し
遡行図
その他情報
《フリクション情報》:良好から滑り易いへ変わる 《ヒル情報》:見なかったが・・・ *晴天続きの為か今回蛭を見なかった、しかし以前に同下山路で集団に襲われた経験があり季節と条件次第では注意が必要 《温泉》:希望荘(500円)


【鈴鹿有数の谷へ挑戦】 「土曜日、空いてるんですけど山行きません?」と言う平蛸君の誘いで決まった沢行、CRUXで何人かに聞いたところまじょっ子さんも加わった。場所は日本百名谷の1つで鈴鹿の名渓と評判な『ホタガ谷』を選択、聞けば出合いから廊下が始まり、中には悪相の滝が横たわると言う。

早朝集合、名阪から東名阪を経て宇賀渓を目指す。石槫北から国道421号に入り宇賀川を右岸に渡った場所にある駐車場で準備を整える、天気はまずまずで今日も期待が持てそうだ。

【駐車地(8:30)⇒ホタガ谷出合い(8:55)】 駐車場から宇賀渓の土産店街を通り抜け林道を20分も歩けば『裏道登山道』と『宇賀渓遊歩道』との分岐でトイレと東屋が建つ、そこから河原に降りて前方を見ると明るい宇賀渓の流れと奥に暗い6M滝が見えて、これが目的のホタガ谷である。


宇賀渓の土産店街を抜けて行く 河原に降りると眼前に6M滝

【ホタガ谷出合い(8:55)⇒15M滝上(9:50)】 早速入渓、まずは6Mを快適に登って続く小滝群を快適に越えて行く、まあ小手調べと言ったとろか!、両岸高くなって前方にガラガラのルンゼを見ると谷は右に折れて15M滝、最初の核心部がお出ましだ。ルートは滝身左手の凹角、ハーケンが連打されているが傾斜が強く結構厳しそう(^^;、まずは私がリードトライ、中間部のミニCSを超えるのに苦労したが乗り切って後続確保、まじょっ子さんはFIX、平蛸君は末端で登ってもらう、そこから谷床までは距離にして3M程なのだが擂鉢状でスリップすればヤバイ場所、もう1ピッチ使ってトラバース、立ち木より長スリングのゴボウで降り立った。


最初の核心部、15M滝の登場 左手凹角から残置を利用して直登

【15M滝上(9:50)⇒2段13M滝上(11:00)】 谷中はまだまだ廊下が続いていて小滝が連続、快適に直登出来るがどの滝も釜を持っていてうっかり滑るとずぶ濡れだ(^^;、CS5Mを越えるとS字に屈折した圧倒的な廊下、その屈折点に6Mの直瀑を懸ける、ここからが次の核心部である2段13M滝だ。

まずは下段の6M滝、平蛸君リードで左手垂壁にロープを伸ばす、この登りはフリークライミング的な登攀で非常に面白い、上部が核心で集中的にハーケンが打たれているが申し分ない高度感で勇気の試されるところ、ここもまじょっ子さんFIX、私は末端で登り切った。

続く上段7M滝はツルツルのスラブ滝で直登は不可能か?、鏡のような岩肌に錆びたリングボルトが連打されているがこれは人工登攀用だろう!?、ここはハーケンの打たれた左手の岩壁にルートを求める、私がリードで登攀、出だしはスローパーの乗り込みだが中間からはホールド豊富で快適、ただし岩が脆くてラクには要注意、滝上は一旦開けてホッと一息(^o^)v


圧倒的廊下の屈折点に悪相の6M滝 左手垂壁の登攀はゾクゾクする面白さ

【2段13M滝上(11:00)⇒分れ滝上(13:05)】 暫く進むとまた両岸狭まって細長いトロ場を迎える、しかし左手が開いていて容易な通過、2M、6Mと直登すれば木橋が渡り長かった廊下もようやく終わる。


小滝か快適に登れるものばかり! 狭い廊下をワイワイ突き進む

この辺りで花崗岩から黒っぽい水成質の岩(堆積岩)になってフリクションが悪くなる、今までの感覚で足を置けばツルッと滑って気が気でない(^^;、植林の凡流が続いて飽きてくるが登山道が左岸に渡るとまた傾斜が強くなってくる、3M、2Mと越えて2条10M斜瀑も快適に登る、両岸高い廊下となってそれなりに手応えある小滝が連続、その突き当たりに10M滝が雫となって落ちる、暗く袋小路状で谷はどこへ?と言った感じだが右に鋭く折れて8M滝が飛沫を撒き散らす。一見険悪そうな場所だがホールド豊富で快適シャワー、私の登攀時に妙に水量が多いな〜と思い上を見れば平蛸が水を蒔いていた(>_<)


再び廊下となって面白くなる 袋小路の8M滝は快適シャワークライム

8M滝上でもう一度木橋が渡る、ほどなく明瞭な二俣、右俣の方が水量多いが少し上流からの湧水で後は枯れ谷らしい、本谷の左俣へ入って5M級の滝を数本こなすと明るく開けて多段30M滝、これが『分れ滝』だろう。

最後の核心を前にルートを思案するが中間部までは容易そう、問題は上段の乗り越しをどうするか・・・、相談して中間部のバントを右岸から左岸へ渡りワンポイントのハング壁を強引に越えるルートに決定、まずは私のリードで進むが全身シャワー、ハング部分は滑ったホールドしか無くハーケンやカム類を試すも上手く決まってくれない(^^;、そうこうしてる内に寒さで身体のキレが悪くなって一旦退却、今度は平蛸君のリードで再トライ、同じくハング下で暫く固まってたが蛸のような粘着ムーブで見事突破(^_^)v、「平蛸君やる〜!!」

後続は同じくFIX&末端、まじょっ子さんトライするがどうしてもハング部分が乗り越せない、ホールドが外頃してる上にややトラバース気味なため振られて壁の外に弾かれてしまうのだ、長時間の全身シャワーと何度もの振られテンションで疲労も蓄積してくるころだろう、本人は悔しがっていたが私の判断でトライを中止してもらい右岸の登山道で巻いてもらう、私はプロテクションの回収もあるので末端で登攀、リードの時に出なかった一手も末端なら容易だから不思議だ(^^;、最後は滑った斜瀑を慎重に越えて2人と合流した。


ヌルヌルが手強い『分れ滝30M』 粘着ムーブで見事突破の平蛸君

【分れ滝上(13:05)⇒竜ヶ岳(14:00)】 これで核心部は全て終わったようで穏やかな河原に細流となった、暫く進むと水も切れて石灰岩の白岩が目立つ、この谷は地質の変化も実に面白い、やがて笹原が寄って来て谷はただの斜面となり急登喘いで遠足尾根の小ピークに登り着く、そこからは雄大な竜の寝姿を眺めつつ竜ヶ岳までのハイキング。


最後は石灰岩と地質の変化も楽しい 笹原の急登、これがキツイ(^^;

【竜ヶ岳(14:00)⇒駐車地(16:10)】 竜ヶ岳山頂で遅い昼食、人気のある山だが時間が時間だけに貸切状態、大展望を楽しんでいたいところだがゆっくりもしてられないので速攻下山、登って来た道を引き返す、下山に使う『裏道登山道』はホタガ谷沿いに付けられた登山道で終始明瞭なのだが実は蛭君の宝庫、以前、蛇谷を遡行した時には集団で取り付かれて萎える思いをした(T_T)、蛭を見た事が無いと言う平蛸君のためにも是非ヒルダンスを踊ってもらいたいと内心目論んでいた(^^ゞ、しかし好天続きが原因か?、ダンスの公演はキャンセル続き、結局一度も姿を見せてくれなかった。


雄大な竜の寝姿 山頂は貸し切りだが長居出来ず(T_T)

【噂通りの面白渓】 ホタガ谷は出合いから廊下が連続、厳しい中にも美しさがあって噂通りの秀渓だと思う。そして全ての滝を直登で突破出来たので遡行の充実度と言う点でも会心の1本であった。しかしこれも単独では出来ない事、随所で好リードをしてくれた平蛸君、厳しくてもチャレンジ精神で頑張ってくれたまじょっ子さんに感謝。m(__)m

最後は湯の峰の『希望荘』で汗を流して帰阪と徒についた。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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