観光沢の最高峰! 赤木沢やっぱり君はキレイだった

渓谷の名称
赤木沢
山域(ピーク)
北アルプス(赤木岳)
渓谷の概要
その美しさは日本一と言われる赤木沢、黒部川の源流、北アルプスの最奥部に位置するためにアプローチが問題となるが針葉樹林とお花畑が点在する斜面をすべるように流れる斜瀑群の秀麗さは例えようも無く是非ともその目で見て頂きたい渓の頂点である
コースタイム
1日目
【折立】 07:10(太郎平まで苦しい登りが続く)
【太郎平小屋】 11:50(黒部川沿いの薬師沢小屋まで下る)
【薬師沢小屋】 15:15(1日目は小屋泊)
2日目
【薬師沢小屋】 05:20(出合いまでは黒部川を遡行)
【赤木沢出合い】 06:35(入渓すると絶美の斜瀑群が連続)
【トユ状10M斜瀑】 07:30(快適に登れる滝が続いて楽しい時間だ)
【大滝】 08:30(右手のリッジを登るが難しいものではない)
【赤木岳稜線】 10:25(ハイ松を縫いながらの詰め)
【北ノ俣岳】 10:55(長い稜線歩き)
【薬師峠】 13:10(2日目はテント泊)
3日目
【薬師峠】 09:30(時間に余裕あれば薬師岳へ行くのも一考)
【折立】 12:55(長く辛い下りで折立へ)
ポイント
【★★(沢2級)】 グレードを2級と書いたが遡行だけなら1級+くらい? 兎に角沢中全てが見所でお勧め度は最上位、技術的に困難な箇所は無いと思うがなにぶん山深い場所なので日程に余裕を持って入渓してもらいたい また源頭部はお花畑の斜面を詰め上がり遮るものの無い絶景を堪能出来るが雷雨時に逃げ場は無く天候に対する予測も怠ってはならない
下 山
【★★★(登山道あり)】行程が長いだけで沢中以外は終始登山道なので迷う心配は無いと思うが重装備慣れの無い沢屋にとっては折立から太郎平までの登下降が苦しいか? 資金に余裕のある方は小屋泊の方が懸命かも?(^^;
装 備
一般遡行装備必携、登攀具の類は必要としないだろう
水濡れ度
腿辺り
フリクション度
良好
参加者
まるいさん / いるかさん / あき / 亀
所要時間
2泊3日
天候
晴れ時々曇り(雷雨)
遡行日時
2005/08/05-08
地形図
有峰湖・薬師岳・三俣蓮華岳
写真室
作成中
遡行図
備考・その他
名神北陸自動車道:7050円 有峰林道:1800円 厚生年金ウェルサンピア立山(温泉):700円


【念願の赤木沢へ!】 冷静に照らし合わせてみれば2005年の沢シーズンもピークを向えそろそろ今年を飾るメイン遡行をやりたくなる、メインと言っても難しい谷とは限らない、そう、今年は観光沢の最高峰と言われる北アルプス黒部川源流の赤木沢に行く事となった 繰り返し見た遡行報告とキレイな写真、嫌が上にも期待は高まった

金曜夜にそれぞれの場所で落ち合い富山を目指す、亀谷のゲートに着いたのが3時頃でゲートの開く6時まで仮眠を取るが蒸し暑くあまり寝れなかった(T_T)

【1日目 折立(7:10)⇒太郎平小屋(11:50)】 折立に着くと既に駐車場は満杯で少し戻った車道沿いに駐車して準備を整える、2日目泊のコストを下げるためにテントを担ぐのでみんな物凄い重装備だ(^^; 今回アークテリクスのザックを新調して初のテン泊装備登山に挑むあきは既に「あり得んへん」てな表情で共同装備の中華鍋が雨ブタの下で怪しげに踊る(^^;、縦走慣れしているまるいさんといるかさんは「重い〜」と言いながらも割と平気そう?、私としてもこんな装備を担ぐのは学生時代以来の話で先の道のりを考えると目の前が真っ白になる(^^;

折立ヒュッテの脇から樹林帯に入るといきなりの急登だ、身体が悲鳴をあげているがゆっくりと着実に高度を上げていく、1870Mピークを越えた辺りからようやく展望が開けてくるがそれと引き換えに暑さは倍増(T_T) しかし歩かない事には進まないので「ガンバ自分!!」と言い聞かせる(^^ゞ それにしても大荷物を担ぐあきはまるで動物に後ろから覆い被さられているようでこの時の会話と愛犬リキにちなんでザックの名前を「コリキ」と命名する(因みに長州小力との関係はなくフルネームは中華鍋コリキである) 五光岩ベンチを過ぎるとやや傾斜も緩くなり息絶え絶えになりながらもなんとか昼前に太郎平に到着した


テン泊装備に喘ぎながらの登行 薬師峠でテントをデポ(やっと軽くなった)

【太郎平小屋(11:50)⇒薬師沢小屋(15:15)】 暫し休憩して薬師峠テン場でテントをデポ、ようやく重荷から解放で沢装束に変身する この時のザック詰め直しでいるかさんから「エリンギ(茸)」を持って下さいと渡される「どこで使うんやろ?」と一瞬疑問に思ったが深く考えずザックにほり込んだ この後エリンギ君は赤木沢遡行の末その短い人生に幕と閉じるとは思いもよらなかっただろう!? ここから暫くはそのエリンギ君の視点で報告を書くとしよう(^^;

太郎平小屋に戻り薬師沢小屋への道を下るが軽装備になったとはいえ一旦酷使した足には辛い下りでみんな思うようにペースは上がらずザックの中の僕は申し訳無く感じてしまう そのうち遠雷が聞こえ出し追いかけっこの形となったが本降りとなる前に薬師沢小屋に辿り着いてハードなアプローチを乗り切れた 薬師沢小屋で受付けを済ますと小屋は一畳2人の大賑わいで蒸し暑く新鮮さ命の僕には辛い(T_T)、小屋内ではいろんな山の話が飛び交い赤木沢遡行のパーティも多くその人気の高さが伺えて期待が持てそうである 小屋での余談だが我々は2段ベットの下段に場所を貰ったのだがまるいさんといるかさんが低い天井で頭を強打、ここでは沢でも小屋でもヘルメット着用かな?(^^;

【2日目 薬師沢小屋(5:20)⇒赤木沢出合い(6:35)】 山の朝は早い、3時くらいにはゴソゴソと起きだす人も多く4時に「朝だよ〜」とみなに告げて起床、5時20分出発となった さあ遡行開始!赤木沢出合いまでは黒部川本流の遡行から始まる、小屋横から谷に降りて広い河原を飛び石伝いに進んで行く、早朝で暗かった谷間にも徐々に光が射し始めそれと共に稜線が鮮やかに浮かび上がり幻想的な雰囲気だ 本流には特に悪場は無いが1箇所廊下状の場所があり右岸をへつり抜ける そこから暫くで幅広の2M滝、その釜がトロ場となって左岸から支谷が入りこれが赤木沢だろう、ここで最初の休憩とし小屋で貰ったおにぎりを頬張った


暗い谷間にも日が射し始める 本流遡行は1箇所右岸のへつりがある

【赤木沢出合い(6:35)⇒トユ状10M斜瀑(7:30)】 トロ場の右岸をへつり抜けて赤木沢に入るとすぐに赤茶けた岩床が続いてその奥に美しい斜瀑が光る、この斜瀑はワイドさ、規模、美しさ、どれをとっても最上級でみんなから「わーキレイ〜」「来てよかった〜」との声があがる しかも直登は容易でフリクションも良くどんどん登れるから堪らない


赤木沢はトロ場となって向えてくれる 言葉で言い表せない素晴らしい景色

両岸は緩い斜面に針葉樹林と草付きなので谷は非常に明るく見渡せて開放感満点である 左手にウマ沢を見送ると次の連瀑帯、下段の8Mを快適に登ると10M直瀑が深い釜に落ちるがこれも素晴らしい滝だ、ここは左岸の草付きを巻いて続く10M滝前に出る、亀さんは右岸から直登、女性陣は左岸から巻き上がった 5M滝をサクッと越えると一旦平凡になるが遠くに赤木岳の稜線が見え気分は最高だ


こんなに明るくキレイな谷は初めてだ 平凡な流れも絵に描いたような美しさ

【トユ状10M斜瀑(7:30)⇒大滝(8:30)】 やがて谷がやや狭くなって細い釜の奥にトユ状10M斜瀑を懸ける、「この辺りは鈴鹿に似た雰囲気だね」と亀さん、ここも快適に越えるとボルダー出来そうな大岩、あきちゃんがトライするが初登?はならず(^^;


ほんと良い雰囲気で最高〜!! トユ状10M滝も楽チンに越える

谷はますます明るく広がり太陽がサンサンと照りつけるので結構暑くザックの中は蒸し風呂だ、となりのチョコレートさんはドロドロと溶けている(^^; 北アルプスの沢は雪解け水で冷たいと聞いていたのだが大して冷たくはなくこの頃からみんなジャブジャブとシャワーを楽しみながら登る この頃からまた斜瀑が連続するようになるが殆ど簡単に直登出来る


サンサン太陽で水も冷たく無い どこまでも続く斜瀑群

【大滝(8:30)⇒赤木岳稜線(10:25)】 やがて前方に赤茶けた壁を見ると谷は右に折れて30Mの大滝を懸ける、両岸高く廊下状の釜にダイブする迫力の滝でこれが台高や大峰ならかなり険悪な雰囲気だろう!? でもここは赤木沢、周囲は明るいので圧迫感は無い、滝下で記念撮影をして突破にかかる、遡行記録には左岸の草付きから踏み後を巡るのが無難とあるが右側の岩の張り出しが登れそうなので登って行く、かなりの急登だが木の根がしっかりしているので特に問題は無いだろう、落ち口から見る景色は絶景で今まで遡行してきた谷を見渡せる


明るく丹精な赤木沢大滝30M 右股に入ると小滝が連続

大滝からすぐに2股、本流は左股で中俣乗越へと詰めるが僕達は最短距離で稜線へ出る右股を選択する 右股に入ると5M前後の滝が連続するがどれも問題無く登れる 今回の遡行では亀さんの指示もあってあきちゃんがずっとトップを歩いているのだがルート読みもかなり上手くなってきたみたいで滝登りに関してはもう問題無いレベルだと亀さんは言う

7M滝の左岸を絡んで登りナメを快適に歩いて行くと両岸低くなり傾斜も緩くなる、最後に5M滝を越えると完全に草原の小川となって前方には赤木岳へと続くお花畑の斜面が広がりまさに桃源郷と言える場所だろう 暫し休息を取りその絶景を堪能する 小川の両側は完全なお花畑となりお姉さま方から歓喜の声があがる、歩いていると凄く暑いみたいで小さい水溜りを見つけては身体を冷やして進む、ザック内の僕(エリンギ)はそろそろやばくなってきた(^^; どうやら限界らしいのでここからまた通常の報告に戻るとします。

エリンギ君の声が聞かれなくなってから暫く進むと右手の苔むした斜面から水が湧き出している、そうこれが赤木沢の最初の一滴だ、大河の始まりが見れる、ここはフィニッシュまで感動的なのだ そこからは草付きとお花畑の斜面をハイマツを縫いながらどんどん詰めるだけ、下方には赤木平の草原が見え北アルプスの雄大さに言葉を失う


お花畑の中を小川が流れる 眼下に赤木平の草原を見て登る

赤木岳と北ノ俣岳のコルを目指してどんどん登る、途中ハイマツのうるさい場所を通ったが運良く踏み後を見つけてそれを伝うと最後は雪渓の横をすり抜けて縦走道へと飛び出した(^_^)v

【赤木岳稜線(10:25)⇒北ノ俣岳(10:55)】 後は縦走路を歩くだけなのだが沢屋な私は水が切れると途端に足取りが重くなる(T_T) 女性陣は元気ハツラツでどんどん進むのでつまずいて転んでたら置いていかれそうな程だ(^^; それでもなんとか今回の最高度点である北ノ俣岳に着いて昼食にありついた


元気な女性陣はどんどん進む これぞ夏のアルプスと言った景色だ

【北ノ俣岳(10:55)⇒薬師峠(13:10)】 北ノ俣岳から太郎山を経てテン場である薬師峠まではだらだらとした下りなのだが意外と距離が長くいつまで経っても近づかない(^^; 太郎平小屋でビールを買って水の切れた亀はカラカラになりながらようやくテン場に戻り着いたのだった

テン場で赤木沢の成功を祝いビールで乾杯していたが夕立に襲われて一時撤退、テントで2時間ほど仮眠する、上手い具合に夕方雨が上がって夕食の準備を始まるがこの時になってようやくエリンギ君の事を思い出した(^^; そう言えば遡行中の食材には使わなかったし何故エリンギを持たせたの?と訪ねるとテントは昼間暑くなるので一緒に遡行させた方が痛みが少ないかな?との判断からだったそうだ 早速ザックの底よりひっぱりだして料理長のいるかさんに渡すがエリンギ君は「僕にとって赤木沢はすっぱく酸味のする沢でした」との遺書を残して旅立っていた(合掌)

【3日目 薬師峠(9:30)⇒折立(12:55)】 早朝4時起床、元気ないるかさんとあきは薬師岳を目指すが足首の痛みが取れない私とまるいさんはテン場撤収部隊として残る、9時前に戻ってきたので感想を聞くと「凄いキレイでしたよ〜」との事、カメラを渡しておいたので写真が楽しみだ(^_^)

9時半に下山準備を整えて出発、ザックが行きしなより重く感じるのは気のせいだろうか? 下山するにつれてだんだんと下界の暑さになり13時前汗だくでクタクタになりながら折立に戻り着いた


薬師岳からのアルペン景色 帰りに立ち寄った日本一の称名滝

【赤木沢、君はキレイだ】 疲れと暑さにバテた身体には温泉が一番と立山町にある厚生年金ウェルサンピア立山を目指す、広くて綺麗なお風呂に浸ってリフレッシュ、近くにある日本一の称名滝観光も花を添えて夏の一大イベント赤木沢は幕を閉じた。

家に帰り何度も見る写真、赤木沢やっぱり君はキレイだ。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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