風の如く駆け抜けたリベンジ矢納谷

渓谷の名称
矢納谷
山域(ピーク)
大峰(竜ヶ岳)
渓谷の概要
吉野川水系では最も遡行価値が高いと言われる上多古川の左股にあたる谷で規模も本谷と同規模である 上流部は伐採され遡行価値は無しと言われるが下流から中流にかけては連瀑に次ぐ連瀑と大滝で彩られ充実した遡行を約束してくれる
コースタイム
【上多古林道終点】 08:50(終点手前のダートが悪い)
【昇竜ノ滝下】 09:25(豪快な渓相を楽しみながら遡る)
【赤ナメクチキノ滝下】 10:15(絶景!この谷一番の見せ場)
【コウリン滝下】 10:50(突破は右岸の大高巻き)
【植林小屋】 11:30(この辺り穏やかな渓相)
【上多古林道終点】 13:40(下降は玄人好み?の仕事道)
装備
フェルト靴等の一般遡行装備必携、今回ロープは使用しなかったが谷が急峻なので念のため携行したい
参加者
POちゃん / 亀@管理人
所要時間
約5時間
天候
晴れ
遡行日時
2004/07/04
地形図
洞川・弥山
遡行難度
★★☆☆☆(沢2級)
下降難度
★★★
お勧め度
★★★★☆ 【沢の醍醐味を満喫出来る】
写真室
無し
遡行図
備考・その他
阪神高速:700円 西名阪(松原⇒柏原):400円 中庄温泉:700円 帰りに中庄付近の甘味屋で買った小麦餅は素朴で美味しい:600円


【プロローグ】 先週突然の豪雨により撤退を余儀なくされた矢納谷、なっちゃんからは「最後のアカナメクチノキ滝を日の光の中でみてこそ、大感動できる谷だと思います〜」と言われこのままでは終われない(^^; 善は急げ、鉄は熱いうちに!てな事で2週続けての矢納谷リベンジ遡行に赴いた 今回は面子も厳選して最近すっかり私の沢パートナーになってくれてるPOちゃんと2人、ある程度タイムにも拘りをもって臨むことにした。

朝6時15分、今日はPOちゃん号が我が家までお迎えに来てくれた(うーん楽ちん〜(^_^)POちゃんありがと〜) POちゃん号は快調に吉野を目指す 今日も陽射しが強く暑くなりそうだ そして車は上多古林道へ、この林道は最後のダート部分が悪く先週の亀号もちょっと苦戦をしたので私的にはダート前での駐車でも良いと思っていたのだがPOちゃん曰く「まあ行けるとこまで」ってな事で今回も突っ込む・・・ がやっぱり苦戦(^^; なんとか終点の矢納谷出合いまで辿り着いたが感想を聞くと「今度来る時はダート手前で止めます」に変わっていた(^^ゞ

【上多古林道終点(8:50)⇒昇竜ノ滝下(9:25)】 早速準備開始、最近沢ばかり入っているので手際も良く8時50分スタート、矢納谷に懸かる鉄橋を渡り山の神の祠から左に折れて矢納滝を巻いた上から入渓開始、連なる小滝を全身シャワーも交えて直登でこなして行く


矢納谷に懸かる鉄橋を渡って 小滝は全て直登でこなす

ちょっと大きめの2段10Mは右斜面から巻いてその上の大岩で堰き止めたような5M滝は左の斜面を巻き登る そこから上はまた快適なシャワークライムが続いて気分も上々だが気分の高揚とは裏腹にどうも足取りは重い・・・ どうやら2日前の下多古川の疲れがまだ充分に取れてないようだ(^^;


2段10M滝は左岸巻き シャワークライミングを交えて

大きな流木が谷を塞いでいる下を潜り8M直瀑は前回同様に左岸の朽ちた梯子を使って登る 両岸にちょっとした岩壁が従えた15M直瀑も左岸の仕事道に登り出て続く岩間7M、8M滝も一緒に巻くと谷は広がって左に折れ昇竜ノ滝が豪快に落ちる ここで最初の休息を取り足取りの重い私を気遣ってPOちゃんがロープを持ってくれた(ありがと〜)

【昇竜ノ滝下(9:25)⇒赤ナメクチキノ滝下(10:15)】 呼吸を整え昇竜ノ滝を巻きにかかる 荷物が軽くなって幾分身体が軽くなって元気が出てきた 巻きルートも先週通っているのでスムーズだあっという間に巻き終えて再び谷身を行く 釜にワイヤーの張ってある4M斜瀑は今回もPOちゃんを先頭にぶら下がって突破 この谷の定番になりそうだ


今日も来ました昇竜ノ滝 これぞ沢を遊ぶって事の見本ですネ

更に進んで先週撤退した大釜6M滝に着く、ガイドでは左岸を巻いているようだがここは大釜の左を水線沿いにへつって瀑身を直登(POちゃんは釜を泳いで突破)、続いて流木の埋まる3M滝を右から越えると両岸立った擂鉢状の河原となりその奥に細く深い釜を持ったトユ状9M滝が落ちる 暗いゴルジュに日が射してなんだか神秘的な光景だ


先週撤退した大釜6M滝 釜をへつって瀑身を直登

さてトユ状9M滝の突破だが一見袋小路のようだが右岸に急傾斜のルンゼがありそのルンゼを登って滝上に出るのだがヌルヌルなのに気を付ければそれほど難しい巻きでは無い 滝上はまだまだ廊下の様相を呈していて赤い岩肌に斜瀑が連続する 斜瀑を抜けた先は開けており前方に豪快な25M直瀑を見る ただこれは支谷の滝で本谷は左に90度折れていよいよ赤ナメクチキノ滝へと向う


廊下の中のトユ状9M滝 支谷からの直瀑が迫力で落ちる

【赤ナメクチキノ滝下(10:15)⇒コウリン滝下(10:50)】 赤ナメクチキノ滝はその名前が示す通り赤い岩肌に懸かる滝で手前の7M斜瀑と20M直瀑を総称しての名前らしい 7M斜瀑を左から登り盟主である20M滝の下へ 水量、釜ともに大きくてこの谷一番の見せ場となっている ここで2回目の休息、釜に足を浸けての優雅な滝見物に酔いしれる さてこの滝の突破だがルートを滝右の斜面に求める 最初ズルズルの草付きだが途中からは微かな踏み後を見つけて滝上に導かれた


優美な赤ナメクチキノ滝 滝上も赤い岩肌の滝が続く

そろそろ谷も大人しくなるかな?と思ったがまだまだ両岸は立っていて大岩の埋まる中に幾つもの岩間滝を懸けて傾斜を増している 大岩を登ったり右に左に交わしたりしながら高度を稼いで行くとまたもワイドな壁がそそり立ちその中心に25Mのコウリン滝が豪快に落ちる 逆光に飛沫が煌めきコウリン(光輪)滝の名前そのものでここも見所の一つだろう


逆光に煌めくコウリン滝 コウリン滝はルンゼの大巻きで

【コウリン滝下(10:50)⇒植林小屋(11:30)】 さて突破だが両岸をぐるりと岩壁が取り巻きどこを選ぶにしてもかなりの巻きを強いられそうだ 右岸には急なルンゼが入るが側壁は大きくハングして行く手を阻むかのようにそそり立っている しかし可能性はそのルンゼくらいしか見えず活路を求めて登りだす 暫く登ると微かな踏み後を発見して歩を進めると上手い具合に壁の切れ目から岩を縫うように進んで一旦尾根まで登る大高巻き そこからは倒木に悩まされながらのトラバースで最後は強引に斜面を下って落ち口に出た ここで2人組みの別パーティを追い抜くがロープを出してコウリン滝の右岸壁を登ってきたようだ・・・ 下から見た限りではルートを確認出来なかったが登攀ルートがあるのか?? もし次回訪れる事があればチャレンジしたものである

コウリン滝を境に谷は穏やかになり5M以下の小滝がポツポツ出てくる程度になる 全てシャワーを浴びて強引に突破して行くのだがほってった身体に流水が心地よく楽しい時間であった やがて左岸の台地状に数件の植林小屋を見てここが今日の目的地とばかりに昼食タイムとしてビールで乾杯(^_^)v うーん毎度の事ながら染み渡る一杯である(*^_^*)


小滝をシャワーで突破して行く 左岸に植林小屋を見て遡行終了

【植林小屋(11:30)⇒上多古林道終点(13:30)】 さて下山だが下山のルートファインディングこそがこの谷の核心部というか面白いところでは無いだろうか?

まずは右岸に赤テープを見て進むが木材運搬ケーブル跡辺りで直ぐに怪しくなる 仕方なく一旦谷に戻りコウリン滝手前で再び踏み後を見つける

そこからは例のコウリン滝のルンゼ巻き道を巡って壁の基部をどんどん歩いて行くのだがかなり嫌らしいトラバース部分もあるので注意が必要だ

赤ナメクチキノ滝辺りまではそのまま踏み後を巡れるがかなり不明瞭だ しかしPOちゃんは迷う事無く的確にルートを見出して行く この辺りは流石四国の山を歩き尽くした猛者である(脱帽)

そのまま右岸を進むと赤ナメクチキノ滝を越えた辺りで怪しくなるのでもう一度谷に戻り今度は左岸に活路を求めるがテープも少なく斜面も荒れているのでここは確実なルート読みを要求されるだろう 支谷に懸かる25M直瀑の上を横切り途切れ途切れの踏み後を伝う 途中何回も崩れた斜面のトラバースがありペースが上がらないので強引に谷に戻るとワイヤーのある4M滝の上であった


岩壁基部の下りは悪い箇所もある 下山はルート読みが面白い

そこからは先週と同様に昇竜ノ滝上まで谷を戻り左岸の仕事道を下るが降りるほどにしっかりとした踏み後となりもう迷う心配は無い 朽ちた梯子を慎重に降りてどんどん下り13時30分林道終点に辿り着いた

【エピローグ】 今回はリベンジ矢納谷でなんとしても先週越せなかった核心部分を抜けたいとの思いと足の達者なPOちゃんと2人と言う事もあってかなり飛ばしての遡行となった 植林小屋まで抜けて見ての感想だがこの矢納谷は大峰の谷としては手軽で見所も多く沢の醍醐味が詰まった名渓だと思うので是非多くの方に訪れて頂きたい場所だ POちゃんは昨年に沢デビューをしたばかりなのだが登攀の上手さ、ルート読み、体力(特に体力は私よりも数倍上(^^;)、どれを取っても申し分ない 今後の山行もよろしくお願いしたいm(__)m

最後は2日ぶり(^^;の中庄温泉で汗を流して甘味屋で「小麦餅」を買って帰阪した POちゃんには行き帰りの運転に谷中ではロープボッカもしてもらってほんとありがとう〜 夏本番目前!また近いうちに沢で遊びましょう(^_^)v






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