今年初の沢泊遡行! 全てが見所の立間戸谷!!

渓谷の名称
立間戸谷
山域(ピーク)
南紀(子ノ泊山)
渓谷の概要
標高906Mの子ノ泊山より西走する立間戸谷はその名の通り戸を立てたような岩壁を随所に持つ南紀屈指の大渓谷だ 100Mの屏風滝を始め50M級の滝が4本、30M級の滝が2本と僅か900Mの山から流れ出た谷とは思えぬ素晴らしさだ また詰めは延々と続くナメ滝に酔いしれ沢屋を虜にすること請け合いの秀渓である
コースタイム
◎1日目◎
【立間戸谷出合い】 12:15(植林から巨岩の道を行く)
【ケヤキ平】 14:10(絶好のテント場)
◎2日目◎
【ケヤキ平】 07:00(牛鬼滝まではゴーロ)
【牛鬼滝上】 08:05(左岸のルンゼ状から巻き登る)
【50M滝上】 09:00(大滝連続で見所満載)
【植林小屋】 10:10(1000Mのナメは必見)
【子ノ泊山】 11:35(林道敷設でやや荒れている)
【植林小屋】 12:45(植林小屋までは明瞭な山道)
【ケヤキ平】 13:50(岩壁を縫うように下る)
【立間戸谷出合い】 15:50(行きと同じ登山道を下る)
ポイント
【★★★(沢3級-)】 50M滝落ち口のトラバースが核心部となるのだが高さがあるのでロープFIXで万全を期したい それ以外で特に難しい場所は無いがルートファインディングを必要とする大高巻きが多いので壁の弱点を見極めてルート取りをしてもらいたい 見所は連続する岩壁と大滝、1000Mのナメ、子ノ泊山からの絶景と全てが見所だと思う
下 山
【★★★(分岐あり)】 子ノ泊山からケヤキ平までの下山は古い仕事道を使うがやや不明瞭、道標の無い分岐や崩れた箇所があるので注意が必要だ ケヤキ平からはよく踏まれた登山道を1時間強で楽々下山
装 備
フェルト靴等の一般遡行装備必携 ロープも必携
お勧め度
★★★★
フリクション度
良好
参加者
BAKUさん / まるいさん / POちゃん / あっきー / 亀
所要時間
1泊2日
天候
快晴
遡行日時
2004/11/20-21
地形図
大里
写真室
作成中
遡行図
備考・その他
南阪奈道:650円 西名阪(柏原⇒長原):400円 渡良瀬温泉:700円


【序章】 今年の夏は週末毎の台風や長雨に祟られ大きな遡行は尽く中止となってしまった・・・ 沢シーズンも終盤を迎えた11月、ここらで今年の総まとめ的な遡行をやっておかないとマジでこのまま終わってしまう(^^; と背信の思いで企画した立間戸谷遡行、怪我から完全復帰のBAKUさん、クライミング女子部リーダーのまるいさん、亀さんの沢パートナーとして大活躍のPOちゃん、今年沢デビューも常に前向きなあっきー、なんちゃってお気楽沢屋の亀さんと今年の沢遊びを語るに外せない豪華な顔ぶれでの遡行となった

【期待】 朝5時起床、白んでくる空に雲は無い、天気予報でも今日から暫くは絶好の行楽日和になるとの事で期待が膨らむ 亀号が出発したのは6時、まるいさん⇒あっきー⇒POちゃん⇒BAKUさんと合流して南紀を目指す 途中やや渋滞箇所もあったがスムーズに進み「道の駅ほんぐう」で亀さんお勧めのさんま寿司を買い車中で食べる 運転中の私にとあっきーが手渡してくれるがさんまだけ落下した(T_T)

【不安】 三和大橋のところで下和気⇒小鹿通行止めと看板を見て心配したが立間戸出合いまでは進めて超ラッキー(^_^)v 出合い手前にある広場に駐車して準備を整える 今日はテン泊装備なので荷物が重い・・・ POちゃんは年季の入った巨大なザックを軽々担ぐ、BAKUさんもテントを担いでくれているので凄い重量だ、まるいさんもリンゴや食材が詰まっていて重い、亀さんはこの日のために新調した65Lザックを嬉しそうに担ぐ、テン泊初体験のあっきーは重い荷物を前に不安を隠せず苦笑い(^^; それぞれの準備が整い歩き出しは12時15分となった

【立間戸谷出合い(12:15)⇒ケヤキ平(14:10)】 今日の目的地はBAKUさんが最高のテン場と太鼓判を押すケヤキ平までで約2時間の道のりだ 最初は右岸植林内の仕事道風だが左岸に渡った辺りから巨岩の横を潜ったりすり抜けたりの道となる 木橋の朽ちた箇所もあり快適登山道と言う感じではないようだ 再び右岸に渡ると急な登りとなり源助滝の案内を見てPOちゃんと亀さんは見学に行く 残った我々は暫しの休憩タイム 源助滝は2段40Mくらいで両岸高い壁が迫り圧巻だ ケヤキ平までの山道はこの滝の右岸壁上を大きく巻いて続いているのだが高度感のある部分もあるので大荷物での歩行は慎重を要する 巻き終わると水平道となりやがて谷音が近くなって鉄製の梯子を登ると5分で広い河原状となりケヤキの大木が見据えるケヤキ平に到着となった


途中源助滝を見学する 今宵のお宿、ケヤキ平に到着

【一時】 まずテン場での仕事は設営と薪集めだ BAKUさん指揮の元テキパキと進んで時間が余ったので亀さん率いる滝見隊で屏風滝を見学する事になった ゴーロの谷を暫く進むと2股となり本谷である右股は7Mの斜瀑の向こうに大滝を懸けているのが見える 本谷は明日遡行するので左股に入る 相変わらずゴーロだが傾斜が増して右岸の見上げるような柱状摂理、高さは100M以上あるだろうか? 緩やかに右に回り込むと急に視界が広がって右から圧倒的な迫力で大滝が落ちる これが屏風滝で100Mの落差を誇ると言われている 左岸の大岩壁と言いあまりの絶景に言葉も無くただ唖然とする ずっと見ていたい景色だが16時までにはテン場に戻る約束だったので後髪を引かれる思いで屏風滝に背を向けた テン場に戻るとすでに焚き火が出来ており宴の準備は完璧であった(BAKUさんに感謝m(__)m)


テン場の仕事は薪集めから 屏風滝の絶景に感動する

【宴】 秋の日暮れは早い、17時を過ぎると谷は夕闇に包まれ焚き火の炎がテン場を赤く染める さあ宴の始まりだ!! まずは前菜としてまるいさんによる焼きリンゴだ 中心をくりぬいたリンゴにシナモンと干し葡萄を入れホイル焼きにすること20分、これが程よく酸味が利いて実に美味しい一品だ 続いてはあっきーの焼いもだ こちらもホイル焼きにする 外側は黒くなったが栗のようにホクホクした甘味にみな満足する そしてポン酢で食べる茸鍋とスジコンによる鍋宴会へと突入して行く POちゃん吟味のエビ餅や亀さんが作るスジコンも美味しく更にはビールやら地焼酎が登場してあっという間に完食! 最後は雑炊でフィニッシュとなった(満腹満腹)


焚き火と鍋宴会で至福の時間 心和む焚き火の炎

【就寝】 宴が終われば後は就寝のみである テントに引き上げる者、焚き火の側で横になる者、思い思いの場所に散って行く 私は焚き火の燃え尽きる11時まで起きていたが炎の赤が小さくなるにつれ月夜に照らされた河原の石や山の輪郭、そして星空が見えるようになってきてなかなか良い雰囲気であった

【起床】 5時半に起床してテントから顔を出すとBAKUさんとPOちゃんは既に起きていてミニ焚き火を作ってくれていた(感謝) 徐々に明るくなる空を見ながら朝食を取り遡行準備を整える

【ケヤキ平(7:00)⇒牛鬼滝上(8:05)】 2日目の遡行開始は7時となった 昨日の滝見ツアーで行った2股までは同じで約5分で到着、ここから7M滝を懸けて出合う右股(本谷)に入る ここは左岸の立ち木を拾いながら巻き登るがまだのっけで身体が温まっておらず動きが重い(^^; 登り切ると眼前には牛鬼滝が迫る 名前の迫力とは裏腹に下部はスラブ壁を緩やかに流れ落ちる女性的な滝だ 当然手が出ず左岸に入るルンゼ状から登り始めて適当なところから折り返すように落ち口に向って行く 途中から細いバントが出てくるのでそれを伝うのだが高度差のある場所もあり慎重に行動したい


今日も快晴!2日目の遡行開始! 牛鬼滝は女性的な滝だ

【牛鬼滝上(8:05)⇒50M滝上(9:00)】 牛鬼滝を巻き終えるとそこは息を飲むほどに美しいナメ床が走りみんなから歓喜の声が上がる 中華ナベの釜と呼ばれる淵場をへつり越えるとナメ滝の向こうに20M滝、ここは左岸を巻いて越える 谷は左に折れて両岸圧倒的な壁となって立ちはだかりその中心に50Mの大滝を懸ける この滝には名前は無いようだがおそらく立間戸本谷で一番美しい滝ではないだろうか?


美しいナメの向こうに20M滝 50M滝はこの谷の雄である

さて大滝の突破は左右どちらでも巻けるそうだが今回はBAKU隊長のガイドで右岸巻きをチョイスする 取り付きからかなりの急傾斜で不安になるが木の根を掴んでグイグイと高度を上げて行く 滝の高さと同じくらい登ったところで今度は滝頭に向けてトラバースに入るのだが右下は急傾斜のスラブでツルッとやってしまうとこの世とのお別れだ ここはロープを出して万全を期する まずは亀さんがトップで渡り切り立ち木よりFIXして後続を待つ、まるいさん、あっきー、POちゃんと続くがみんなスムーズだ まるいさんは流石クライミング女子部キャプテンと言った感じである あっきーは今年沢を始めたばかりでデビューの時はかなりおっかなびっくりの歩きであったがこの半年くらいで大きく成長して今では悪場も難なくこなしてくれる POちゃんは言うまでも無く下手すると私が置いていかれるくらいの超人ぶりだ 最後に完全復帰で元気ハツラツのBAKUさんがさらりと越えて全員無事通過となった(^_^)


50M滝上トラバース中のあっきー 無名の30M滝も絶品だ

【50M滝上(9:00)⇒植林小屋(10:10)】 核心部を過ぎてもまだまだ滝場は終わらない! 右岸の壁は更に高くなり柱状摂理の岩壁が見上げる程に聳え立つ そしてその基部に30Mの美しい滝を懸けるのだがこの滝も名前は無いようだ ここは左岸の樹林帯を登って滝上へと導かれると今度は20Mの斜瀑が滑るように流れ落ちる 直登も可能そうで登り始めるが微妙な傾斜で途中で左岸へと逃げた(^^; ここから先ほどの小尾根に戻ってどんどん登って行くと両岸が切れ落ちた尾根となり見せ場の一つであるナイフリッジとなる 特に左岸(右側)は遮るものの無い絶壁で遠くの山並みが一望できまさに絶景と呼ぶに相応しい そして右岸側には深い谷と柱状摂理の壁が聳え立つ 文章で説明するとなんだか怖そうな場所に思えるかもだが岩角はしっかりとしており軽率な行動をしなければ特に危険は無いだろう ずんずん登って傾斜の緩くなった辺りで右岸の踏み後を下って美しい釜を持った5M滝上で谷へと戻った(ナイフリッジをそんまま直登すると登山道に出る)


ナイフリッジをどんどん登る 遮るものの無い絶景を堪能

これで核心部は越えたようで谷はナメ床となり両岸にも植林が入るようになる 緩やかにながれるナメを快適に進むと左岸の植林小屋が見える ここで谷は2股となり一見直進する谷が本谷に見えるが実は植林小屋を巻くようにして右へと折れているので間違えないように注意が必要だ


穏やかなナメ床を進む 左岸に植林小屋を見て右折

【植林小屋(10:10)⇒子ノ泊山(11:35)】 植林小屋を過ぎる河原が続きこれがさっきまでと同じ谷か?と思うくらいに平凡となる右岸にガレた支谷を見て右に進路を取ると徐々に谷は狭くなり水量も減ってくる 暫く進んで谷を堰き止めたような2M滝を越えると眼前には傾斜を強めて延々と伸びるナメが見える ここからが最大のハイライトである1000Mにも及ぶナメ滝の始まりである まるで石畳みのようなナメをフリクションを効かせて快適の登る 最初は「わーきゃー」言いながら童心に帰って楽しむのだが傾斜が強く意外としんどい(^^; それに飽きもくるので終盤はただの坂道扱いになって憧れだったナメ様も形無し(^^ゞ かなり登ったところで2股を分けると水も切れて来るので右岸の尾根に取り付き尾根を目指す


1000Mのナメはハイライト かなり急傾斜で意外と疲れる

藪っぽい斜面の登って行くとやがて明瞭な尾根に辿り着き踏み後を右に取ると突然林道に飛び出してしまった 地形図には林道記号は載っていないようだが最近敷設されたのであろうか? かなり雑然とした林道を登って行き最後に山道をちょっと上がると子ノ泊山のピークに辿り着いた


なんと林道が敷設されている 子ノ泊山での記念撮影

【子ノ泊山(11:35)⇒植林小屋(12:45)⇒ケヤキ平(13:50)】 山頂からの展望も申し分なしで東側は遠く太平洋も見渡せる ここで昼食タイムになるがポカポカと暖かく寝そうになる(^^; 30分程まったりしてさあ下山、もと来た林道を戻り先ほど登り着いた尾根の踏み後を右に折れて植林小屋への道を下る 途中何箇所か崩れている場所もあったが概ねしっかりと続いていて1時間ほどでガラス瓶の散乱する植林小屋へと導かれた

さて続きだがこの植林小屋付近で一旦踏み後が消えるのだが一度谷に降りて20Mほど下ると左岸に赤テープがあり登り口が判る ここからは連続した滝場を大きく巻き下るのでかなりの急坂が予想される 暫く水平に進んだ後ナイフリッジから来る尾根を乗り越えていよいよ急な斜面をジグザグに下りだす 途中トラバースで高度感のある場所を通過するが慎重に対処して頂きたい やがて尾根を一つ隔てた支谷に降りてくると傾斜も緩くなりテントをデポしてあるケヤキ平らに戻って来た

【ケヤキ平(13:50)⇒立間戸谷出合い(15:50)】 時間もだいたい予定通りでこの分だと余裕を持って帰れそうだ テン場を撤収して帰り支度を整える 最後はまた重い荷物の担いでの下山で疲れた足にはかなりキツイ・・・ 慣れない重荷での下りにあっきーは相当辛いようで遅れ加減となるが「大丈夫!時間も余裕やから自分のペースでオッケーやで!」と励ましながら下山を続ける 源助滝を過ぎ大岩のトンネルを潜って植林帯に入ると車はもう目と鼻の先で15時50分無事下山と相成った。

【帰阪】 車に戻るとテントを張っているパーティがあり聞くと翌日の日帰りで立間戸を遡行するそうだ 暫く話をしてその場を後にする 最後は渡良瀬温泉に寄り2日間の労を癒して大阪着は意外と早く22時頃となった。

今回両日とも晴天に恵まれ最高のメンバーと最高の谷を遡行する事ができました これもひとえに参加者全員の日頃の行いによるものだと感じております 立間戸6回目にも関わらず快くガイドをして下さったBAKUさんありがとうございましたm(__)m 野菜の買出しや焼きリンゴを作ってくれたまるいさんありがとうございましたm(__)m 重い系の食材やロープを率先して担いでくれたPOちゃんありがとうございましたm(__)m いつも笑顔でみんなを和ませそして初のテン泊山行を頑張ってくれたあっきーありがとうございましたm(__)m 最後に亀さんもご苦労様でした(^^; また近いうちにこのメンバーでの山行があると信じて楽しみにしています。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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