2004年初の本格遡行? 猪谷で深いゴルジュと滝の競演に酔いしれる

渓谷の名称
猪谷
山域(ピーク)
比良(地蔵山)
渓谷の概要
比良の北部、地蔵山より西走して安曇川へと注ぐ猪谷は裏比良独特の黒い岩、暗い谷の代表的存在で深いゴルジュの中に幾つもの滝を連続さている 比良では貫井谷に次いで悪い部類という触れ込みだが直登出来る滝も多く実に楽しい沢ワールドを約束してくれる秀渓だろう
コースタイム
【猪谷出合い】 08:40(出合いは荒れた林道)
【第1ゴルジュ上】 09:20(快適に直登出来る)
【第2ゴルジュ上】 10:20(濃い緑と深い廊下の連続)
【ヒジキ谷出合い】 12:40(両岸高い壁で豪壮な雰囲気)
【登山道標識】 13:30(右岸に上方に見える)
【地蔵峠】 13:55(その名の通りお地蔵様が鎮座する)
【ヨコタ峠】 14:20(快適な尾根道を行く)
【国道367号】 16:00(荒れた山道から林道へ)
ポイント
【★★★(沢3級)】 大きく分けて三ヶ所の廊下がある、第一廊下は簡単、第二廊下は面白い、第三廊下が核心部で抜け口の7M滝はハーケンを打って突破したが悪い、終始廊下状で滝ノボラーには生唾物である。
下 山
【★★(登山道あり)】 下山は地蔵山からヨコタ峠へと向かい横谷林道へと降る、後は林道を快適下山。
装 備
一般遡行装備及びロープ必携、核心部の滝は残置ハーケンが残っているが状態はかなり悪く不安を感じたら何らかの方法で補助したほうが懸命だろう(ロープ9X35、9X45、ハーケン1枚使用)
お勧め度
★★★★☆
参加人数
4人
所要時間
約8時間
天候
晴れのち曇り
遡行日時
2004/05/16
地形図
北小松
写真室
作成中
遡行図
その他情報
フリクション情報:普通 ヒル情報:見なかった てんくう温泉:600円


【プロローグ】 沢の足馴らしも終わりそろそろピリッとした遡行をしたいな〜と思っていた矢先にBAKUさんより猪谷は如何?との提案があり飛びついた(^^; 集まったメンバーは今年沢靴を新調してやる気モードのみるくさんと山のスーパーウーマンPOちゃん、それにベッカム(BAKU、亀)コンビの4人。 比良では貫井谷に次いでの悪渓と言われる猪谷でどんなドラマが待っているのか? こうご期待!

朝7時にJH茨木ICに集合、私の車に乗り換えて比良へと向う 367号線を北上して栃生発電所と猪谷出合いを200Mほど過ぎたスペースに駐車して準備を整える 朝の空気はひんやり冷たいが陽射は暖かく心地よい

【猪谷出合い(8:40)⇒第1ゴルジュ上(9:20)】 交通量の多い国道を出合いまで戻りそこから林道へ入るが工事車両が入っているためかぬかるんで歩き難い。 堰堤を2つやり過ごし林道終点より入渓するがいきなり流木攻めに遭い潜ったり乗り越えたりの大騒動(^^; 2基一連の小さい堰堤は右を巻いて越えるがそこから先も土砂が堆積して荒れている


林道終点より入渓 流木や土砂が堆積し荒れている

右岸から滝を懸けた支谷を見送り前方にルンゼを見ると谷は右に折れて第1ゴルジュを迎える 今までの荒れた雰囲気から一転して深い廊下となる様を見るにつき驚きと期待に胸が高鳴るところだ。 といっても難しい箇所はなくシャワーやステミングを交えて快適に突破、出口の2段7Mは堰堤状で一見手強そうだがフリクションを効かせて抜けることが出来る


第1ゴルジュに突入する 抜け口の2段7M滝が迫る

【第1ゴルジュ上(9:20)⇒第2ゴルジュ上(10:20)】 2段7Mを越えると一旦ゴルジュを抜けるが両岸は高い泥壁が続いていて逃げる事は難しいだろう 流木の埋まった3M滝を越え前方にまたもルンゼを見ると更に右に折れて7Mの直瀑を懸けている。 この滝からが第2ゴルジュの始まりだ。 7M滝は右からシャワー気味に直登するのだがホールド、スタンスはしっかりしているので登り易い、ただ高度感があるので初心者には確保が必要かもしれない。 私がフリーで登り上からロープを投げようと準備するがPOちゃんもフリーで登ってきた(^^ゞ む、無理は禁物ですよ〜っと言おうと思ったが実に華麗な登りでやっぱ上手いわ〜(脱帽) みるくさんを確保してBAKUさんは余裕で登り無事突破!


谷は右折して7M滝を懸ける POちゃんの上手い登りが光る

4M斜瀑を難なくこなして流木に埋もれた2M滝を左から越えると両岸更に狭まって5M滝が行く手を阻む、滝身左側に細い流木が立ててありこれを利用して登るのだがこの流木が細くて不安定だ 私は直登したがBAKUさんはそれを嫌がって右岸を巻きにかかるが逆層で詰まってしまい「ロープ〜」の声が 側壁の上から確保すべく一旦登りかけるが傾斜のきつい泥付きでけっこう嫌らしい(^^; 「結構悪いですぅ〜何とか降りれませんか〜」とのやり取りのあとBAKUさんはザックを下に投げて空荷でなんとか降りてきた(ほっ)


第2ゴルジュは狭い廊下状が続く BAKUさん右岸で立ち往生(^^;

ゴルジュはその上もまだまだ続いていて狭い溝状滝をステミングで抜けへつり直登を繰り返すとまたも6Mの直瀑に行き止まる ここも滝身左の凹角を登るが乗り越しに力のいるところだ


暗く深いゴルジュを進む へつりと直登を交えて突破

【第2ゴルジュ上(10:20)⇒ヒジキ谷出合い(12:40)】 この滝を抜けると一旦谷は広がり前方からワリ谷が20M滝を懸けて出合う この辺りも両岸は急傾斜の泥壁が続き新緑の木々が覆い被さるように茂り美しく幻想的な雰囲気だ  暫し見惚れて足を止める いくらも歩かないうちに谷は緩やかに左進し8M直瀑を懸ける この滝から第3のゴルジュが始まる


第2ゴルジュ出口の6M滝 ワリ谷が20M滝を懸けて出合う

8M滝はホールド、スタンス共に豊富そうだがどう見ても全身シャワーは避けられない(T_T) 根性が出ずに左岸を巻く(^^; その上の斜瀑6Mは快適突破して続く斜瀑8Mは左を直登、やや傾斜が増し岩間の小滝群をこなして極度に狭まった3M滝の前に立つ ここはボルダームーブで左のテラスに乗り上って突破、右岸から雫滝を見送ると谷は右に折れて7M滝が暗い廊下に吸い込まれるように落ちている 特に左岸はハングして覆い被さり光を遮ってまるで洞窟のようだ


8M斜瀑は瀑身右を登る 遂に核心部7M滝の登場だ

さてこの滝の突破だがまともに取り付くにはかなり厳しそうだがさりとて両岸も高く巻くにしても危険を伴いそうだ・・・ 弱点を探すために周囲をよく見ると一段登った場所に錆びたハーケンを見つけたので「よしここを突破しよう」と覚悟を決めて登りだす しかしその残置のハーケンは歪んでいてスリングが穴を通らない(T_T) しかしホールド、スタンスともに乏しくランニング無しでの乗り込みはリスクが大きい ここは自らハーケンを打ち足して一段乗り上がる 残置ハーケンをフットホールドにして立ち込み更に上部の残置ハーケンよりランニング取ってトラバース気味に落ち口に出た。 この登りは緊張感があって楽しい(怖い(^^;)登りであったがなんとか無事乗り切った


7M滝の弱点を探る 頑張るPOちゃん!もう一息だ

さて後続の確保だが周囲に適当な支点が無く少し先の立ち木にスリングを巻いて支点を作る 本来ならこの登りは万全を期してセカンド確保にしたほうが安全なのだが立ち木から滝下が見えず登りの確認が出来ないので仕方なくFIXによるシャント登攀にする

まずはみるくさんから登るが取り付きから全く手が出ない(^^; メンバー交代!POちゃんにBAKUさんのロープを担いでもらって登ってもらう事にする 重さもあるし少し厳しいか?とも思ったがロープを巧みに掴んで突破した さてPOちゃんに持って上がってもらったロープでゴボウ用のFIXを新たに張りみるくさん再チャレンジ しかしなかなか思うように乗り込めず苦戦してる 「頑張れみるくさん!」BAKUさんから必死のゲキが飛ぶ 数分の苦闘の後うまい具合にスリングに足を入れて突破した お疲れ様と滝上で握手を交わす BAKUさんも突破して全員無事通過! 見上げればそこがヒジキ谷出合いであった

【ヒジキ谷出合い(12:40)⇒登山道標識(13:30)】 ヒジキ谷には連瀑帯があると聞くが今回は本谷を遡る 本谷入り口の3M滝は真ん中に大岩が鎮座するがこの大岩をボルダームーブで突破する まだ滝が続き5M滝は右の流木を使って登った この滝をこえると壁が低くなりようやく長かった廊下も終わって穏やかな渓相となる そろそろ切り上げの事も考えだした所に右岸に標識を発見 近寄ってみると栃生⇒地蔵峠(コメカイ道)と書いてありまだ新しい・・・ このコメカイ道は以前のエアリアには記載されているのだが最近のものには載ってないようだがこりゃ儲けものと登山道を巡る


本谷に入っても連瀑が続く 登山道を見つけてそれを巡る

【登山道標識(13:30)⇒ヨコタ峠(14:20)】 登山道は終始植林に中の登りで枝打ちにより不明瞭な箇所もあるが30分弱のアルバイトで地蔵峠に登り着いた

そこからはよく踏まれた登山道を飛ばしてヨコタ峠までは20分、悪相の谷を持つ山とは思えない穏やかな山容に心が和む

【ヨコタ峠(14:20)⇒国道367号(16:00)】 ヨコタ峠からの村井への下りは標識に難路と書いてある道 不明瞭な踏み跡を巡って谷道へ次第に水が流れ出すがそのまま降りる 登山靴ならいざ知らず沢靴には快適な谷道だ ただそのまま下ってしまうと横谷まで降りてしまい踏み跡が無くなるので注意点としては横谷に降りる50M程手前で微かな踏み跡を頼りに左岸に逃げる この踏み跡を5分で立派な林道に出るのであとはその林道が国道まで導いてくれる


ヨコタ峠付近は穏やかな山容 林道では真新しいがけ崩れが

最後は新しくなった朽木のてんくう温泉で汗を流して帰阪の徒についた。

【エピローグ】 今回久しぶりに充実した遡行を楽しめたが反省点もあった 滝場での意思疎通の問題である程度の水量があると小さな滝でも声でのやり取りは難しい 身振り等で予め決めておくのも手だが今回のようにダブルロープのやや複雑なシステムの場合には手順が多岐に渡り問題が残る ホイッスルの回数による方法も良く用いられるが間違って聞き取ると致命的な事態にもなりかねないのでこれも不安だ・・・ この辺りは今後の課題としたい

しかし今回もよいメンバーに恵まれ楽しく遡行でき無事下山出来た事が一番である また殆どの滝を直登出来た事で更にこの遡行は有意義な物になった 今回ご一緒してくれたBAKUさん、みるくさん、POちゃんに感謝m(__)m またの機会もよろしくお願いします〜。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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