滝、釜、廊下、藪、頂、雨、雷、蛭、もう満腹の蛇谷遡行


渓谷の名称
蛇谷
山域(ピーク)
鈴鹿(竜ヶ岳)
渓谷の概要
鈴鹿の名峰竜ヶ岳南面の水を集めて宇賀川へと流れる蛇谷は滝の多い谷で前半は美しい廊下の中に10M規模の滝が連続、中流以降も5Mクラスの滝が続きその殆どを直登出来るし最後は竜ヶ岳のピークにも立てるので沢登りとしての完成度の高い秀渓である
コースタイム
【宇賀渓駐車場】 07:35(最初は林道歩き)
【白竜橋】 08:00(橋の袂より入渓)
【蛇谷出合い】 08:30(燕滝までは本流を進む)
【10M滝下】 09:10(廊下の中に滝が連続)
【CS8M滝上】 10:20(ここが核心部か?)
【850M付近二股】 11:30(本谷は西に折れる)
【竜ヶ岳】 12:35(笹原の大展望)
【白竜橋】 14:20(裏道登山道を下る)
【宇賀渓駐車場】 14:50(最後も林道歩き)
ポイント
【★★★(沢2級+)】 核心となる場所は出合いすぐの15M滝と中流部の7M滝の突破だろう、15M滝は右岸のルンゼから巻くが脆い部分を注意すればそれ程悪い箇所では無い、7M滝は乗り越しの一歩がツルツルでいささか緊張させられた 出合いから続く滝群は圧巻で滝ノボラーには見所満載か!?
下 山
【★(登山道あり)】 下山は竜ヶ岳からホタガ谷道を使うのが楽で早いが蛭の多い道なので夏季は対策を考えておく必要がある
装 備
フェルト靴等の一般遡行装備必携、滝を直登するならロープも必要
お勧め度
★★★★
フリクション度
良好
参加者
PO / 亀
所要時間
約7時間
天候
曇りのち雨
遡行日時
2004/09/04
地形図
竜ヶ岳
写真室
作成中
遡行図
備考・その他
西名阪(松原⇒天理):800円 東名阪(亀山⇒四日市):700円 ヘルシーパル湯の山(温泉):525円 ヒル情報:多数生息(T_T)


【プロローグ】 最近週末になると天気予報が怪しくなる・・・ 今週も直前になって雨予報となった 当初大峰の池郷小又谷に行く予定にしていたが崩れは南部からとの事なので急遽鈴鹿方面へと変更してチョイスしたのは鈴鹿中部竜ヶ岳の南東面に位置する宇賀川支流の蛇谷、滝直登の醍醐味を味わえるとの事で期待も膨らんだ

早朝5時にPOちゃんが我が家に来る 今日はPOちゃん号でのアプローチだ 最近ではすっかり私の沢パートナーを務めてくれているPOちゃんだが8月は予定が合わず1ヶ月ぶりの遡行だ まだ暗い名阪国道をひた走り7時過ぎ宇賀渓入り口手前の駐車スペースに着いた

【宇賀渓駐車場(7:35)⇒白竜橋(8:00)】 早速遡行準備を整える 山は鉛色の雲に覆われているがすぐに雨という感じではなさそうだ しかし予報では午後になるほど確率が上がるので早めの行動に越した事はない 足早に駐車場を後にした

駐車場から100Mほど歩くと右に宇賀渓の看板、導かれて右の道に入る 土産店の横を抜けて車止めから林道へ すぐに北谷のキャンプ場を見送ってダート道を歩く やや荒れている箇所もあるが概ね歩き易い林道だ やがて裏道登山道を右に見ると立派な東屋とトイレ、直進すると谷に下りて立派な吊橋、これが白竜橋で今日の遡行はここから始まる

【白竜橋(8:00)⇒蛇谷出合い(8:30)】 谷に下りるとエメラルドグリーンの水、鈴鹿特有(花崗岩の谷特有)の明るく美しい渓相だ 前方正面に6M滝が見えるがこれはホタガ谷の出合い ホタガ谷も楽しい谷だそうなので機会があれば遡行してみたい 谷は左に折れて頭上に吊橋を見る 暫く進むと両岸立って魚止滝の直下に着く水量多く釜も大きいので迫力がある 直登は無理そうなので右の滝見道を使って巻く


白竜橋までは林道歩き 魚止滝は迫力がある

すぐに魚止滝の落ち口の降りる踏み後、再び谷芯を行く、両岸立って廊下となり淵と小滝を繰り返す どれも大きく深く神秘的だ 水もそれほど冷たくないので適度に水に戯れながら進むと正面に7M滝、これが蛇谷の出合い滝で本谷は左に折れて袋小路に燕滝10Mを懸ける この辺りが宇賀渓の核心部で見事な渓相だ 燕滝の突破も魅力的だが今回の目的は蛇谷なので正面の7M滝を右から登って蛇谷に入る


燕滝は宇賀渓の核心部だ 蛇谷最初の難関15M直瀑

【蛇谷出合い(8:30)⇒10M滝下(9:10)】 7M滝を越えると右岸にトラロープ、燕滝の巻き道だろうか? 蛇谷には3M滝に続いて15Mの大滝が飛沫を撒き散らしていて壮観な景色となっている まず3M滝は右岸のバントをへつりで超えて15M滝直下へ 両岸圧倒的な壁でまったく取り付く島も無い ここは事前の情報に従って左(右岸)のガレを登る ある程度まで登ったところで滝側の壁に取り付いて登るが木の根がしっかりしているので容易に登って行ける(但し高度感抜群) その後5M滝を2本越えると明瞭な登山道が谷を横切るがこれが長尾滝への滝見道だ 谷中はなおも滝が連続して3M滝の上に形の整った10M直瀑を懸ける この滝周辺の連瀑帯が五階滝と呼ばれる場所でその名の通り滝また滝である

さてその10M滝だが右から登れそうな気もしたが情報ではみんな巻いているし滝の上がどうなってるか判らないので取りあえず右岸を小さく巻いて谷に戻る 滝上は2M、3M、10Mと滝が続いていて楽しそうだ この滝群はすべて快適に直登して行ける 連瀑を抜けると今度は長い廊下の登場だ 中は平凡だが中間に大きなCS(チョックストーン)があって左の流芯をずぶ濡れになって越えた(^^ゞ


五階滝10Mは整った形だ 廊下の真ん中に大岩あり(^^;

【10M滝下(9:10)⇒CS8M滝上(10:20)】 廊下の出口にガラガラのCS滝が続くが問題は無いだろう これで一旦廊下を抜ける 暫く穏やかな渓相が続きCS2条6Mの真ん中を登るとまたも両岸立って10M滝を懸ける ここから第2の廊下に突入だp(^_^)q さてどうしたものか・・・ 巻くなら右岸からだろうが出来る事なら直登したい 偵察がてら左から取り付くとあっさり登れてしまった(^^; その上は間髪入れず7M滝が立ち塞がる 10M滝を登ってしまった以上もう後戻りは出来ずここも左から取り付く 最初フリーで取り付いたが落ち口に抜けるのに高度感があって中間からロープを出したのだが実に中途半端なシステムで出すなら最初から出すべきだったと反省するm(__)m


第2廊下入り口の10M滝 続く7M滝も左を突破

廊下はまだまだ続いて右に左に屈折しながら小滝を連続させその合間には小さいが綺麗な釜を幾つも作る 適度に浸かってシャワーして楽しく突破出来る場所だ 矢継ぎ早の連瀑が終わってほっと一息も束の間すぐに8M滝、ガイドには左を突破できるがショルダーが必要と書いてある・・・ 見ていると突破出来そうなので取りあえず登って見ることに・・・あっここは先の7M滝の失敗を踏まえて最初からロープを引っ張って行くf^^; 滝の中段までは問題無しで落ち口に抜けるステップが悪い・・・残置ハーケンが下から見えていたのでランニングを取って勇気一発の乗り込みで突破! 登り的にはここが核心部だろう

続いてPOちゃんの確保に移る。滝上の岩の張り出しに新しいハーケンがありよく効いているようなので確保支点に使わせてもらう(まだ新しいクロモリハーケンで思わず抜いて帰りたくなったが自重(^^;) POちゃんも例の乗り込みに苦労していたが流石は我が沢パートナー!なんとか無事に突破した


長く続く廊下と美しい釜 CS8M滝が核心部だ

【CS8M滝上(10:20)⇒850M付近二股(11:30)】 核心部を越えてほっとしたのも束の間、続く5M滝が手強いそう・・・ 結局右岸をトラバース気味の巻き登ったが出だしがボルダームーブで楽しい場所であった(^^; この後も同じような廊下と釜と小滝を繰り返すが問題となる場所は無く淡々と進む いかにも滑りそうなCS5M滝は左岸を巻くがふと目を下にやると落ち葉の上に蛭の大群(@_@) 地面に生きた小魚を蒔いたように元気に跳ね回っている(^^; 足早に通過(^^ゞ 暫く進むと2条7M滝、一見手強そうだが右の流れ沿いを直登出来る


CS5M滝は左岸巻き 2条7M滝は右から直登

この滝を過ぎると長かった廊下も終わりそれに伴って岩質も花崗岩から黒っぽい岩へと変わる 渓相もがらりと変わって立った側壁は影を潜め穏やかな斜面とゴーロが中心だ どんどん進むと途中に8M滝があって左岸から巻くとあとは岩間の小滝が続きもうお腹一杯とうんざりしてきた頃二股に到着 標高850M付近、水量は1対1で一見北進する谷が本谷のようだが実は西から入る谷が本谷で岩間滝となって傾斜を強めている


岩質が変わり穏やかになる 8M滝は左岸を巻いた

【850M付近二股(11:30)⇒竜ヶ岳(12:35)】 西に進路をとり進んで行くと傾斜が一気に強まり階段状に滝を連ねるがどれも容易に登っていける 特にSC4M滝から始まる連瀑帯は10M、5M、3Mと快適に直登出来るから堪えられない この連瀑帯で高度を稼ぐと空は開けて明るくなり両岸に笹が出てくる


連瀑帯10M滝の直登 全て直登可能で実に楽しい場所だ

やがて谷は小川状となり傾斜の無い笹の中を蛇行しながら流れるようになる 笹薮が迫って歩き難くなると奥の二股 標高970M付近でここも水量比1対1といった感じ 本谷は左だが長い笹薮が待っているとの事で右に入り20M程進むと左の台地に踏み後を発見、獣が水を飲みにくる道だろうか? これ幸いと踏み後を登っていく 途中鹿が4頭くらい飛び出してきて驚いた(@_@) 最後は笹薮となるが腰くらいの高さなのでそれほどの苦労は感じず進路を北北西に取って進んで行くとすぐに裏道登山道に飛び出した! 完璧!(^_^)v


970M二股、右に入る 最後は笹薮から裏道登山道へ

飛び出した場所は竜ヶ岳と縦走三叉路の中間くらい 出てきたところにちょうど登山者が休憩していて笹薮から現れた私達を見て暫しフリーズしていたのが印象的であった(^^;

そこから左に急登10分で竜ヶ岳山頂 曇天にも関わらず10人以上の登山者がお弁当を広げていて鈴鹿でも人気のある山なんだなと実感する ここで我々も昼食タイムとなった

【竜ヶ岳(12:35)⇒白竜橋(14:20)⇒宇賀渓駐車場(14:50)】 お腹も膨らんで残すは下山のみと裏道登山道を下って行く 笹原の道から谷沿い道に変わる前辺りで雨が降り出す 暫くして雷も鳴り出し本降りとなったが植林帯まで降りてくると木葉で遮られそれほど冷たさを感じない しかしそれと引き換えに今度は蛭地獄に陥る事になる(T_T) 植林下の下草茂る道を抜け蛭チェックを行なうと数匹単位では無い(@_@) 靴からスパッツからズボンから上着まで蛭だらけである(^^; 慌ててディートスプレーを全身に振り掛ける こんな場所に長居は無用と白竜橋の袂まで駆け下った


竜ヶ岳山頂で(^_^)v いやー盛り沢山の遡行でした〜

帰りの林道途中にある水場で靴やスッパツを洗うとまた蛭が数匹出てきた(^^; もうこれで完璧かと駐車場に辿り着き靴を脱ぐとまた蛭が2匹(^^; 上着にも1匹、POちゃんに至っては蛭君が手首でダンスをしている始末f^^; 一体何匹連れてきたんや〜(^^; 少し後に帰ってきたおっちゃん(普通の登山者)も同じ下山路を使ったそうだが血だらけの足を見せてくれた(^^; おっちゃん曰くこんな蛭が多い日は珍しいとの事、何かの前兆か?

【エピローグ】 蛇谷は前半の廊下突破や滝登攀に始まって間延びする事も無く詰めれば有名ピークにまで登れると言う沢のスタイルとしては完成度の高い谷だと思う 最後の蛭地獄は余計だったが充実した一日を提供してくれたこの谷に感謝したいm(__)m

ラストは湯の山温泉で汗と蛭?を流して帰阪した。

今回早朝からの行動にも関わら1人で運転してくれたPOちゃんありあと〜 また次の遡行もガンガン行きましょうね(^_^)v



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



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