芦生赤崎東谷遡行はウエットの森と巨木に会える旅

渓谷の名称
赤崎東谷
山域(ピーク)
芦生(911M)
渓谷の概要
芦生の名峰小野村割岳を中心とする尾根の911Mピーク付近より北西に流れて由良川に注ぐ赤崎東谷は穏やかな流れの中緑濃いウエットな森とそれを見守るかのような大樹に出会える谷である 渓中は上部に連瀑帯があるが全て直登可能、それ以外は概ね穏やかな流れが続き気楽な谷歩きに良いだろう
コースタイム
【芦生山の家】 06:15(橋を渡ってトロッコ軌道へ)
【赤崎東谷出合い】 07:15(苔と巨木の谷を行く)
【911Mピーク】 11:00(稜線は複雑な地形で注意)
【北進尾根手前】 13:05(ここから北進する尾根を下る)
【赤崎東谷出合い】 14:45(最後の急坂はこたえる)
【芦生山の家】 15:45(帰りもトロッコ軌道を歩く)
ポイント
【★★(沢1級)】 行程がやや長いだけで問題となる箇所は無いだろう、上部の連瀑帯は全て直登可能だしホールドも豊富だが滑り易い岩質なので慎重に! 見所はウエット感溢れる芦生の森
下 山
【★★★(要読図力)】 下山は赤崎中尾根を下る、尾根には薄い踏み跡があるが等高線の緩やかな場所では読み難い箇所もある
装 備
フェルト靴等の一般遡行装備必携、登攀系のギアは必要ないだろう
お勧め度
★★
参加人数
4人
所要時間
約9時間
天候
晴れ
遡行日時
200/08/28
地形図
久多・中
写真室
作成中
遡行図
その他情報
フリクション情報:滑り易い ヒル情報:見なかった 美山町自然文化村河鹿荘(お風呂):500円


【プロローグ】 数週間前のCRUXであっきーに行きたい沢は?と尋ねると「芦生」と言葉が返ってきた。 私としても芦生は未訪の地で興味があり早速手頃な場所を調べて計画を立てる 当初ゲロクの右股を計画したが台風16号の接近もあって当日の天候が不透明・・・ そんな状況下で登攀主体の沢はキツイかと直前に赤崎東谷から中尾根を繋いで自然の浸るお気楽遡行に変更した 赤碕東谷はゲロク谷からの下降に使われる谷で上部に連瀑帯がある意外は穏やかな渓相が続くとの事 メンバーは私(亀)とあっきー、みるくさん、それに芦生の尾根は任せて!と心強いハチさんが加わりの4人での遡行となった。 さて今回はどんな景色に出会えるのか期待に胸が膨らむ。

前夜20時に大阪の自宅を出発、21時にみるくさんを茨木で拾いハチさんあっきーとは22時に東寺駅での合流となった 162号を芦生へ向うが以前(もうだいぶと前)より道が良くなっており走りやすい(^_^) 快調に進んで幕営予定地には24時の到着となった 今回は朝早く歩き出したいので宴会は無しの予定だったが何故かビールやら酎ハイが出て来て就寝したのは1時半であった(^^ゞ

【芦生山の家(6:15)⇒赤崎東谷出合い(7:15)】 4時半にやる気満々の弟子に起される(^^; まだ暗い空には星が輝き悪天予報はどこ吹く風、車で須後まで移動し準備を整えてさあ出発p(^_^)q 入林届を書きトロッコ軌道に入る 赤崎出合いまでは約1時間の道のりでその間にハチさんから芦生の歴史や灰野廃村の話をしてもらう 今回初めてご一緒するハチさんは芦生が好きで10年ほど前から通い続けており尾根筋の地形なら大体は掴んでいるとの事で芦生デビューの私としては実に頼もしい存在だ 実際話しを聞きながら歩いているとツアーガイド(ハチさん)に引率されるお客さん3名のような感じだった(^^;


入林届を書いてさあ芦生の森へ 噂のトロッコ軌道を進む

【赤崎東谷出合い(7:15)⇒911Mピーク(11:00)】 赤崎東谷の出合いで沢靴に履き替えて入渓する ここからは私の領分だ!? 谷中は穏やかだが丸石はヌルヌルしていてあまりフリクションは良くない・・・ それでも私は飛び石伝いに飛んで行くがみるくさんとあっきーは少し歩き難そうだ しかも早朝の谷中にはまだ陽が射さず水中の状況が良くわからないようで平流にも関わらず以外にペースは上がらない 右から赤崎西谷が入り崩れた橋を潜って暫く進むと古い堰堤、ここは右を簡単に越える 堰堤を越えてからもずっと穏やかな流れが続くが水辺の緑を見ながらのんびりまったり歩くのも自分が自然に溶け込んだようで結構好きである


艶やかなな緑と水、やっぱ沢最高! 小さな小滝でも強引に突破

あまりにも平流が続くので時折現れる1Mくらいの小滝に強引に突っ込んで越えて行く 幾つかの小滝で遊んでいると両岸の緑がいっそう濃くなり大きく枝葉を広げた大木もチラホラ見かけるようになる みんな巨木が現れる度に「わー、きゃー」と歓声を上げて撮影タイムとなる やがて少し傾斜が増して5Mの直瀑、これはシャワーを浴びない限り直登は難しそうだ(もちろん巻くのは容易だが) どうしようかと考えているとハチさんが突っ込んだ(@_@) だいぶと頑張っていたが落ち口への一歩が完全シャワーとなり敗退(^^; 最初濡れるつもりの無かった私だがハチさんの頑張りを見てこりゃ行かにゃとトライ! 全身ずぶ濡れになりながら直登成功!(寒い〜) 他の3人は右から巻く


最初で最後だった釜を持った小滝 5M直瀑はシャワーで直登!

ここから少しの間は小滝が続くが全て簡単の登る事ができる 両岸が狭まって緑が一層濃くなり滝と巨木の織り成す風景に息を呑む場所でもあるがやがてその最後に6Mの直瀑、これは手が出ないがあっさり右を巻ける


水と巨木、これぞ芦生の真骨頂 両岸狭まった6Mは右を巻く

暫く進むと巨大な倒木があり下を潜り抜ける やがて右から支谷を入れると谷が広がりU字状となるが深い緑の隙間から木漏れ日が射し光のカーテンとなって降り注ぐ 見上げると上空の緑より霧雨のような雫が陽に反射してキラキラ輝きその下に入ると銀幕のスターになったような気分だ 今まで色んな谷に入ったがこんな景色は初めてでみな見惚れて言葉も無く暫し立ち尽くす ここは正に近畿の屋久島、トトロの棲む森の表現がぴったりだ


降り注ぐ光のカーテンを浴び まるで銀幕のスターのようだ

トトロの森に癒されながら更に歩を進めるとまた右から支谷(3:1)、地形図から推測すると911Mと832Mの鞍部辺りに突き上げそうだがそのまま左の本谷を進む ここから先は艶やかさもやや影をひそめ水量もぐっと減り土斜面と倒木が目立つ谷に変わる 更に右から支谷を分ける(支谷奥は壁が立って滝も見える)と谷は一気に傾斜を増しそれに伴ってウエットな谷からドライな谷へと変化する そして今までの穏やかさが嘘のように滝が連続するようになる

まずは3M滝を皮切りに4M、4M、5Mと続いてその全てを直登、この連瀑の中段であっきーがスリップして滑り落ちるが運良く直下に私がいて抱き止めた(意外と軽かったよあっきー(*^_^*))と冗談半分で書いたがひやっとした場面であった(ふ〜っ、怪我が無くて本当に良かった) まだまだ連瀑帯は終わらずS字状に曲がって4M斜瀑と6M直瀑で行き止まるが上は明るく開けているのでここが抜け口のようだ 4M斜瀑を越え6M直瀑は左側を直登して越えた 結構高度感があるので後続にはロープを出して確保する


連瀑帯を全て直登で越えて行く この谷の核心部である6M直瀑

一旦谷は開けるが左から支谷を合わせると眼前に8M滝、ここも直登で突破するがヌメリが酷く少々緊張させられ登り的にはこの滝が核心部となるだろう ここもロープを出して後続を確保した


ヌメるのでロープを出して万全を期す どんどん直登できて楽しい時間だ

8M滝を登るともう稜線か?と思うくらい開けた場所になって水もちょろちょろになる右岸の台地状には瓶やゴミが落ちていて古は何かの施設でもあったのか?? 谷は左右に分かれるがどれも小川なので真ん中のなだらかな尾根に進路を取ると10分も歩かないうちに911Mピークやや西寄りの稜線に飛び出した


緩やかな尾根に進路を取る 911ピークに到着(^_^)v

【911Mピーク(11:00)⇒北進尾根手前(13:05)】 911ピークは目印の巨木に道標が付けてあり位置を確認できる ここで小休止して尾根を西に向うがだだっぴろくて位置を確認し辛く悪天候の場合は注意が必要だろう 今回ハチさんナビと言う強力な助っ人がいたが全員喋りに夢中すぎて途中で尾根を間違えて南進する尾根に入ってしまい30分ほどロスしてしまった(^^ゞ しかし沢山の台杉を見れたので「台杉拝見オプションツアー」と言う事にしておいた(^^; ハチさんがいなくて私のナビだけなら多分そのまま麓まで下っていた事だろうf^^;(ハチさんありがとうございます〜)

そうこうしながら楽しく西進していると眼前にぽっかり穴の空いた杉の木 ここで昼食タイムとなった


私には龍の様にみえるけど如何? 自然の偉大さに感激!!

【北進尾根手前(13:05)⇒赤崎東谷出合い(14:45)⇒芦生山の家(15:45)】 お腹も膨らんだところで下山を開始するがここから一般登山道を離れて北進する尾根を下降する いろいろな制約があって詳しいルートは書けないが中間部台地状の場所さえ注意すればあとはテープと踏み後が赤崎東谷出合いまで導いてくれるだろう


尾根の下り、最後は急斜面 今日も一日自然を満喫しました。

赤崎東谷出合いからはトロッコ道を淡々と戻るが行きしなのウキウキ電車道歩きも帰りは長く感じられ「あーまだか?」と思ったところで駐車場に戻り着いた

【エピローグ】 今回私にとっても芦生デビューなのだが噂に違わぬ台杉の貫禄というか年月の流れに地球の神秘と自然の偉大さを感じる感動の一日であった。それに谷筋のウエット感がまた素晴らしい 陽の光に水滴が反射してキラキラ輝く情景などは息を飲む美しさであった ここはほんとうに豊かな森なんだと思う

最後は美山町自然文化村河鹿荘でお風呂に入る 入浴後休憩室で寝ていたらやる気満々の弟子に起された(^^; 目も覚めてしゃきっとしたところで帰阪となった。 ガイド役を快く引き受けて下さったハチさん、一緒に楽しく遊んでくれたみるくさん、あっきーありがとうございました。 また芦生行きましょう(^_^)v

注:現在芦生の森は環境保護が叫ばれている 地域内での良識ある行動は勿論の他植生に対しても充分配慮して頂きたい この美しい自然が終生変わらぬ姿であり続ける事を節に願うばかりである。



*遡行難度や下山難度のグレード目安、サイトの観覧方法については「初めてお越しの方へ」をご覧下さい。



- Copyright (c) 2000-2006 SawaNavi All rights reserved -
Produce by KAME