雨の12月、変態沢登隊?は南紀の栂谷を行く

渓谷の名称
栂谷
山域(ピーク)
南紀(烏帽子山)
ルート概要
栂の平橋(7:20)⇒栂ノ平滝(7:30)⇒ヤケベ岩(8:40)⇒二股(9:50)⇒烏帽子山(12:10)⇒栂の平橋(13:40)
渓谷の概要
南紀の沢入門コースとして知られる栂谷、美しく長大なナメとヤケベ岩の大岩壁など見所がふんだんにあり遡行者を全く飽きさせない また南紀と言うこともあって暖かく冬季の遡行にも充分対応できる
装備
フェルト靴やシュリンゲ等の沢の基本装備は必携、ルートやパーティーの力量によってはザイルを必要とする箇所もある
参加者
亀@管理人 / BAKUさん / 高橋さん
所要時間
約6時間
天候
遡行日時
2002/12/01
地形図
新宮
遡行グレード
★★☆☆☆(沢2級+)
お勧め度
★★★
写真室
無し
遡行図
備考
西名阪(松原⇒天理):400円 川湯温泉公衆浴場:200円


2002年12月、今年も後一ヶ月となり彼方此方で冬の便りも聞かれる様になった 「今年の沢納めをしよう、南紀なら大丈夫やろ」との企画で始まった栂谷行き でもそれは晴天時のお話で冬の雨中遡行となった沢変態一行の運命やいかに!

高橋さん、BAKUさんと前夜に落ち合い一路南紀を目指す 天気予報は「朝まで雨だが日中は回復」との事でさしたる心配もせずに栂の平橋に到着、橋横の車道が広くなった場所で幕営する 当初テント泊にする予定であったが降りしきる雨で設営がおっくうになり車中での宴会と就寝になった

朝6時半起床、まだ小雨が降り続いていたが準備を整えるが流石にこの時期の朝は寒い・・・ そそくさと朝食を済ませ7時20分出発、橋の右岸から谷に降りる


小雨の中準備を整えさあ出発 悪天のため谷中は薄暗い

水量はそれほど多くなく谷中はゴーロ状になっており飛び石伝いに進んで行く この頃雨は小康状態になっていたが薄暗く湿気が高くて不快度満天だ 10分程歩くと前方にキラリと光るナメ状の栂ノ平滝だ 綺麗に整った斜瀑でなかなか美しい 傾斜も緩いので気軽に取り付くがツルツルの岩肌の上に落ち葉を一面敷き詰めたような状態でこれがスベルスベル!落ち口の手前で進退窮まってしまった いや思い切って行けば行けなくもないのだが下には深い釜が口を開けている 正直この時期絶対濡れたくない 結局左岸を巻いたBAKUさんに上からひっぱてもらって突破した(^^;


栂ノ平滝は美しい滝だ ゴーロとナメ状が続く

滝の上もスラブ状の滝とゴーロが交互に続き美しい 右から入るスダレ滝を登り大岩の右を越えて行く 二俣を右に取って尚も遡ると美しいナメと斜瀑が連続する様になりフリクションを聞かせてのスラブ登りだ この谷に限らず南紀の谷は1枚岩のスラブ状になった滝が多い しかもフリクションの悪い事悪い事、ちょっと気を抜くとツルッと行き滑り出したら止まらない 夏なら「すべり台〜」なんて気分で釜にダイブするのだが南紀とは言え今は冬、そんな気は起こらない 慎重かつ丁寧に足を裁いて行くと突然目を疑いたくなるような大岩壁が視界に飛び込んできた この景色の変化は突然で高さ100M近くはあろうかという垂直の1枚岩が聳え立ちその基部に15Mの斜瀑と広い釜を従えて絶景の地となっている


滑ると釜まで一直線な滝が多い 南紀屈指の美景と言われる

で、この絶景の場所で大休止しようかとザックを降ろした途端にまたサーっと雨が体を濡らし始めた 南紀とは言え12月だ歩いているならまだしも休息中に体が濡れると急速に体温を奪われ寒い 名残惜しいが早々と先を急ぐ事にする ヤケベ岩基部の15M斜瀑は右の樹林帯を簡単に巻き落ち口へ、その上は舗装路のようなナメがヘアピンカーブ状にずっと続き素晴らしい情景を作り出している


ナメを慎重に越えて行く 美しいナメとヤケベ岩の絶景

ヤケベ岩を回り込んでもまだナメが続き我々を飽きさせない 斜瀑とナメの競演を楽しみながら遡行が続くが雨はずっと降り続いていて 「天気は回復に向う」との天気予報は一体なんだったのだろう??「気象庁の嘘つき〜」等とぼやきながら進む この辺りから左岸には時折登山道が降りてきているがこの道が里高田からの道であろう


雨模様だが快調な遡行が続く 濡れた岩ともみじが美しい

やがて右に杉の巨木を見ると大きな岩を積み上げた様なガンガラ滝のお出ましだ この滝は右側を直登出来るが中段の乗り込みでハイスッテプになる場所があるので慎重を期すなら左岸を簡単に巻く事もできる 更にナメが続きいかにも滑りそうな斜瀑が現れ大きく深い釜を従えている ここは右岸をへつりトラロープを伝って上部に抜けた この辺りで標高は550M越えてきており「沢登り読本」に載っている分岐点はもうすぐだ そう思っていると直ぐに本流は直角に右折して10Mの斜瀑を入れている、左には20Mの枯滝、正面には狭く急なルンゼ、ここが分岐点に間違い無い 本流に行こうかとも思ったが悪天候なので早く稜線に出たいとの考えからガイドにもある正面の急峻なルンゼに入る事にする だがこの判断がここまで楽勝ムードだったこの谷にアクセントを付ける事になる


右は本流斜瀑ここからルンゼに入る 急峻なルンゼは高度感のある岩登り

ガレたルンゼは急峻で直ぐに巨大なCSが挟まる5M滝に突き当たる こんなCSが落ちてきたらひとたまりも無いだろう 垂直に近いCSの左を慎重に登るとその上にもCS5M滝が続き完全な岩登り状態だ クライマーな私としてはこれはこれで嬉しいのだが浮石が非常に多く頭大の石でも簡単に落ちるのでそんな悠長な事は言っていられない、実際三段目の5Mを登っているとき漬物石級の石が剥がれて危うく一緒に落ちそうになった 幸い手で思いっきり押し返したらまた窪みにスポッと入ったので事なきを得たが直下にはBAKUさんがいたのでもし落ちていたら事故になっていたかも知れない それにしてもこのルンゼは急傾斜で下を見下ろすと一本の段瀑のようで高度感もあり迫力がある


浮石だらけのルンゼは危険な香りだ 核心部?ボロボロの5M滝を登る

傾斜はますます強まり上を見上げると二股になっていて右は極度に立った草付状、左は5M滝、両岸は垂直の絶壁で逃げようも無い、右股はとても行けそうに無いので左股の5M滝を登る事になった まず滝の右側を回り込むように登ろうとしたがボロボロで勇気が出なく躊躇していると BAKUさんが「こっちの方が行けそう」と滝身のすぐ右を登って越えた 次の高橋さんはザイルを使って登ってもらう 私もザイルに助けられて突破した ただ突破した場所が左岸側壁の中段だったのだが今度は谷へ降りるトラバースが悪く結局懸垂下降で降りる事になった 高橋さんは実戦での懸垂は初体験でちょっと怖がっていたが慎重に下って谷中に戻った この5M滝が今回の核心部だったようで後は適当にホールドを拾って幾つかの滝を超えると傾斜も緩くなって左側から尾根が降りてくるのでその尾根に乗っかってルンゼから離れた

さあ後は忠実に尾根を登れば烏帽子山に着くはずだ 尾根には細い踏み後がありそれを拾って高度を上げていく・・・ だが高度計が900Mに近づきもう少しと言う所で垂直の岩壁に行く手を遮られた この岩壁は高さ15Mくらい両側も深く切れ込んでいて巻くとなるとかなり大回りしなくてはダメだ そう言えば以前誰かの報告で頂上直下で垂直の岩登りをさせられる話を読んだ事がある 岩肌には立ち木が生えておりこれを繋げばなんとかなりそうだ ザイルを結んでBAKUさんに確保してもらい登り始める まさかこんな所でアルパインまがいな事をやるとは思ってもいなかったが何とか突破してFIXを張った 高橋さんはプルージック登りも発体験だったらしいが流石はフリークライマー無難に突破、流石BAKUさんは軽やかに登ってこの最後の難関を突破したのであった


頂直下の岩登り!もうすぐゴール 無事登頂して一安心〜

この岩場を越えるとすぐに烏帽子山の山頂付近へと飛び出す 本来ならここで昼食と大休止のはずであったが濃霧と強風で寒い BAKUさんの持ってきたビールと高橋さん持参のおつまみで咽を潤し記念撮影をして足早に俵石への登山道を駆け下った 当初回復と思われていた天候は一向に回復せず出合いに戻る頃にはしっかりとした降りになっていた。






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